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zoom RSS 早乙女勝元著 「蛍の唄」 新潮文庫

<<   作成日時 : 2016/03/21 07:19   >>

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 JR御徒町駅近くに黒焦げの電柱があり、「東京大空襲の生き証人」として記念碑になっているー。そんな新聞記事を読み、行ってみた。電柱を眺めるうちに、現代と戦中を結ぶ東京大空週の物語がひらめいた。「映画でもいけそうだ」と物語を書いたのは、1980年代の終わりごろのこと。(東京新聞3月14日付)

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            大空襲の炎の夜に
 
 知人の紹介で、敬愛する今井正監督に作品を読んでもらい、会うことができた。
 「面白く拝見しましたよ。この話はね、ちょっとは見どころがある。しかし、映画の基本はシナリオでね。あなた、やってみたらどうかなあ」
 おだやかな笑顔は、お世辞半分と受け取られたが、私は大いに舞い上がり、不慣れなシナリオ化に着手した。
 もちろん初稿でOKになるはずがなく、クランクインまでに何年もかかった。劇映画「戦争と青春」が公開にこぎ着けたのは91年の秋。同名の原作を改題、いささかの手直しをしたのが本書である。
 主人公は高校二年生のゆかり。ゆかりが家族に東京空襲の体験談を聞くという形にすれば、現代から戦中の話へと自然に入れる。その動機づけに悩んだが、夏休みの課題で「戦争体験者聞き書き学習」に取り組まねばならなくなるとい設定を思いついた。

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 昭和20年3月10日、10万人もが一夜にして死んだ。”炎の夜”に、何があったのか。物語の中で、なぜかゆかりの父は聞き書きに猛反対する。そして伯母の交通事故をきっかけにようやく重い口を開く。その内容は、ゆかりの想像の及ばぬ炎熱地獄だったー。
 ゆかり役に工藤夕貴さんを迎えた映画は好評で、私にまで企画賞のトロフィーがきた。だが今井監督は、あいさつのために試写会へ向かう途中で突然倒れ、79年の映画人生を閉じた。
 今回、原作本が山田洋次監督の過分な推薦をいただいて、新潮文庫版になぅたのはうれしい。作中では、蛍子(けいこ)という赤ちゃんが登場する。今井監督の名作「また逢う日まで」のヒロインと同名だ。戦争になれば女性や子どもはどうなるのか。蛍子がその実態を語り継いでくれrことだろう。


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    早乙女勝元(さおとめ・かつもと)

 1932年3月東京生まれ。戦後すぐ15歳の時に下町の工場で働き始め、一方独学で文学への道を志す。18歳で執筆した「下町の故郷」が20歳で刊行されて以降、次々と庶民の生活と愛と平和をテーマにした作品を発表。1970年には、「東京空襲を記録する会」を結成。以来東京空襲の語り部として、戦争の悲劇を二度と繰り返してはならないという思いを込めて、いのちと平和の尊さを体験的に講演などで語りつづけている。また、「東京大空襲」(岩波新書9がベストセラーとなるなど、その著書は130冊を超える。現在、「東京大空襲・戦災資料センター館長を務めている。

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