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zoom RSS 「雲流るる果てに」 −3−

<<   作成日時 : 2009/12/27 06:19   >>

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緒方 襄[おがた・ゆずる]・関西大学・熊本県出身ー神風特別攻撃隊神雷桜花隊、昭和20年3月21日、沖縄方面で戦死。海軍中尉、23歳(「雲流るる果てに」22頁)

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  出撃に際して

懐かしの町 懐かしの人
今吾全てを捨てゝ
国家の安危に
赴かんとす
悠久の大義に生きんとし
今吾此に突撃を開始す

魂魄国に帰り
身は桜花の如く散らむも
悠久に護国の鬼と化さん
いざさらば
われは栄えある山桜
母の御もとに帰り咲かなむ

         海軍中尉 緒方 襄

 
[注] 緒方襄君は前編緒方徹君の詩のなかに「遥けくも南にはせし弟と」とうたはれてゐる実弟である。

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〔追記〕かって2001年に「歴史教科書」(扶桑社)が一部地域の中学・歴史教科書に採用され物議を醸(かも)したことがあるが、その時不破哲三氏(当時・共産党議長)がこの問題をとりあげた。同氏の小論・「ここに『歴史教科書』の問題がある」として記述したものの中に本稿の緒方 襄さんの遺稿がある。以下紹介しよう。

 『教科書』が掲載した特攻隊員の遺書二通

 ・・・・・・さらに驚くべきことは、この『教科書が』が、この戦争が正義の戦争だと信じて戦死した二人の若い特攻隊員の遺書の全文を掲載して、それを材料の一つとして、戦争の問題を考えるよう、子どもたちにすすめていることです。

 この遺書は、一つは十九歳の青年がまだ会ったことのない妹(おそらくは出征後に生まれた妹だったのでしょう)にあてたもので、「マイニチ クウシュウデコワイダロウ。ニイサンガ カタキヲウッテヤルカラ デカイボカンニ タイアタリスルヨ。ソノトキハ フミコチャント ゴウチンゴウチンヲウタッテ ニイサンヲ ヨロコバセテヨ」(毎日空襲で怖いだろう。兄さんが仇を討ってやるから でかい母艦に体当たりするよ。その時は、文子ちゃんと轟沈轟沈をうたって 兄さんを喜ばせてよ)と、カタカナで書かれています。(279ページ)。

 もう一つは二十三歳の青年の遺書です。「出撃に際して」と題するこの遺書は、すべてを捨てて「悠久の大義」にいきる、つまり、天皇の戦争に命をささげる意思を、決然たる言葉で語っています。


  (上記・緒方 襄中尉の遺書)
 
 ここに記された心情には、多くの人の心をうつものがあります。無数の青年たちが、自分としては純粋な気持ちをささげ、この戦争を神聖な戦争ーー聖戦だと信じて、あの誤った戦争のなかで貴重な生命を失っていったのです。

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 遺書を通じて、子どもたちに戦争を考えさせる
 
 ここで、重大なことは、『歴史教科書』が、この二つの遺書に続けて、子どもたちに次のような問題を提起していることです。

 「日本はなぜ、アメリカと戦争したのだろうか。これまでの学習をふり返って、まとめてみよう。また、戦争中の人々の気持ちを、上の特攻隊員の遺書や、回想録などを読んで考えてみよう」(275ページ)

 執筆者たちは、この遺書を、これまで展開してきた戦争観ーー日本の戦争は正義の戦争だった、「自存自衛」と「アジア解放」のための聖戦だったという戦争観ーーのしめくくりとして位置づけてます。あとから書かれた歴史ではなく、あの戦争を生きた人びとの気持ちになって戦争をとらえてみようというのが、この設問の趣旨ですが、そのためには、聖戦を信じ、その聖戦に若い命をささげた特攻隊員の遺書ほど、子どもたちの心をとらえる力をもつものはない。そのことによって、あの戦争を聖戦と信じた特攻隊員の気持ちの”感情移入”ができる。おそらく、執筆者たちは、そう考えて、遺書の掲載をおこなったのでしょう。


 これは、恐ろしい、きわめて危険な打算です。そして、すでに執筆者の思惑通りの「教育」効果があがっている。という一つの事実が、最近の「朝日新聞」に報道されています。

 「私が今ここに生きているのは特攻隊のおかげであると思います。日本のために犠牲になって、本当にありがたいことだと思います」

 横浜市の市立中学校で2月、歴史を受け持つ男性教諭(38)が、「大東亜戦争」の学習の締めくくりとして、戦闘シーンを背景に特攻隊員の遺書を朗読するビデオを上映した。その授業で2年生が記した感想文だ。

 「特攻隊が必要のない日本、世界にしなきゃいけない」という感想もある。が、大半は「自分の身を犠牲にした偉人」といった内容だ」(「どうする教科書 採択を前に 上」「朝日」2001年7月2日付)。

 この記事を読んで、日本の将来、アジアの将来を考えて、本当に肌寒い思いをしたのは、私一人ではないと思います。

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