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zoom RSS 「雲流るる果てに」号外A

<<   作成日時 : 2010/02/15 06:39   >>

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ここに[第13期海軍飛行専修豫備学生誌]という1冊の書籍(B5/550頁)がある。1943(昭和18)年、学窓を後にして戦陣に駆けつけ、入隊者5千人のうち3分の1の学生が戦没した青年たちの生きざまを記した膨大な資料である。紙一重で生還した同期生が痛恨の想いをこめて1993(平成3)年に出版した。折に触れ掲載する。   

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征かん哉・雲染む屍

  軍艦旗に誓ふ 豫備學生の入隊式
 
 若き空の戦士に栄光輝く日。土浦海軍航空隊豫備學生の晴れの始業式並びに入隊式は、畏くも○○聯合航空隊司令官として海鷲の御育成に當たらせられる海軍少将久邇宮朝融王殿下の台臨を仰ぎ、昭和十八年十月四日午後一時十五分から同隊本部前の廣場で嚴粛に擧行された。

 海征かば雲染む屍ーー決戦の大空へひたむきな熱情を沸らせて學窓から馳せ参じた學徒海鷲は、ここに正式に豫備學生としての身分を命ぜられたのだ。この日若人憧れの空の聖地霞浦上空には、既に先輩學鷲が操縦する朱の練習機が、轟々とエンジンを響かせながら大空に美しい線を描いて亂舞してゐる。


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定刻前、晴れの日を迎へて紺サージ金筋一本の颯爽たる軍服に身を包んだ學鷲は、讀々と式場に集合した。「気を附け」逞しい號令に入隊既に數日、學鷲の激しい熱情がほとばしる。嚠喨たるラッパの君が代と共に式場の旗竿高く大軍艦旗がスルスルと掲げられた。ああ栄光の軍艦旗!眉をあげて仰ぎ見る若き戦士達は、今日この日から傳統に輝く無敵海軍の一員として一切を捧げて皇道に殉ずるのだ。學鷲の双頭は感激に紅潮してゐる。

 「気を附け」のラッパが再び鳴り響いた。空の宮様としてわが海鷲が景仰し奉る。

 海軍少将久邇宮朝融王殿下が聯合艦隊司令官として、親しく台臨遊ばされたので、感激にしびれるやうな學鷲の敬禮を受けさせられ台上に登らせられた。颯爽たる御英姿!副官の人員報告に次いで殿下には朗々たる御音響をもって

 「第○○期○○ほか豫備學生を命ず」

 と命課あらせられ、次いで別項の如き訓示を述べさせられた。學鷲達は、ジッと耳を傾け「われ大空の御楯たらん」との固き決意を誓ふのであった。

 ・・・・・・御寫眞奉拝に移り、若き戦士達は各分隊毎に五十名づつが順次進み出て感激に双眸を濡らして奉拝、司令の御勅諭拝讀の後入隊式を終予した。


                          (「毎日新聞」昭和十八年十月五日付)

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