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zoom RSS 「雲流るる果てに」ー37−

<<   作成日時 : 2010/07/16 08:51   >>

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根尾久男 [ねお・ひさお] 早稲田大学ー富山県出身、神風特別攻撃隊 梓特別攻撃隊ーウルシー在泊の機動部隊を攻撃、昭和20年3月31日特攻死、搭乗機・銀河 25歳。 (「雲流るる果てに」199〜200頁)

画像
  知らざるを悔まず
  
  感 想
 
 父上様久男入隊に際し、送別の宴を贈りしその席上、「久男は私の意に叶へり」と言はれしを、未だに唯一最大の誇りと致して居ります。幸いにして久男、御楯として忠死致す秋至らば、その折こそ、「久男は意に叶へり」とお喜び下さい。唯一の願ひであります。神前に御燈明を点してお祝ひ下さい。久男は既に二十六才となりました。人生の半ばも過ぎたるに、世間を知らず、女を知らず、金銭を持たず、今はその信条の貢献に満足してゐるだけです。お笑ひ下さい。
  
  眞鍋中尉殿  (註・眞鍋中尉も後に戦死)
 
 戦友としてお願ひ致します。私若し戦死致すことあらば、その状況を可及的速かに故郷の老父に知らせてやって下さい。又遺品の整理に当っては、この感想録及び黒表紙の手帳、それに写真類及び軍刀は必ず父の許に直接お届け下さい。他の衣類等は適当にお願ひ致します。金銭を始め消耗品の類は、他の戦友とお分ち下さい。勝手な事ばかりお願ひしてすみません。

 只々心残りは、去日水交社にて肉を喰ひし時、何事か罵りしとか、幾ら考へても思ひ出さず、若し君にて意を害せしことあらずやと恐縮に耐へず。私元来小心にして何も出来ない者でしたが、他人を恨み、憎み、嘲ひし事は一度もありません。

 純といへば純、馬鹿と云へば馬鹿、世人が稍もすれば威丈高となってわめき立ててゐる如きは、到底私の解し得ざる所です。目に立つ物は己の欠点と、友の良い人となりのみです。特に十三期は国の宝、言ふ人は罵しりも致しますが、私達は彼等の為に働いてゐる者ではありません故、別に気に留めることもなしと考へて居ります。何を書かんとせしやも分からざるが如き結果と相成りましたが、お笑ひ下さらず不精者根尾の後始末をお願ひ致します。


  吹く毎に散りて行くらむ櫻花
  積りつもりて国は動かじ


追記】遺稿集「雲流るる果てに」全編をネット上に公開すべく掲載つづけてほぼ一年。ようやくにして本編で200頁に到達。全編265頁だからトラック競技でいえば第三コーナーを回って第四コーナーにさしかかったところ、だが、わが人生はとうにゴール寸前、急がなければ、急げ!急げ! 今日はこれから靖国に行って、兄の棺箱・〇戦に触ってこよう、鋭気をやしなうために。これ、半端なマルクスボーイならではの解せぬ心境かも。 

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