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zoom RSS 映画 「雲流るる果てに」

<<   作成日時 : 2010/11/12 08:30   >>

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日本の文化人・三大「山田」(山田洋次、山田太一、山田和夫)と云われ尊敬の念を持って多くの人に受け入れられている一人山田和夫さん(映画評論家)が江東区の高齢者集会に来られ、映画・「今日本映画がいい」と題して講演されたことがありました。その時、この「雲流れる果てに」について触れられました。

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  「雲流るる果てに」
 
 戦後日本映画は今日まで反戦平和をたゆむことなく訴え続けてきた。そのなかでとくに記憶したいのは、特攻の悲劇と向い合った作品群である。

 学徒出陣で戦場にかり出された学徒たちの手記を集めた『雲流るる果てに』が家城巳代治監督によって映画化(1953年)され、学徒出陣によって海軍予備学生になり、特攻隊員と死んだ若者たちの遺書がドラマに再現された。特攻を描いた最初の劇映画作品である。


 「きけわだつみの声」もそうだが、「雲流るる果てに」でも、1943年10月の徴兵猶予打ち切りで学園から出征した学徒兵たちは陸軍士官学校や海軍兵学校を出たエリート職業軍人から、露骨な差別と屈辱を受けた。「雲流るる果てに」の学徒出身兵たちもそのなかで、優先的に特攻隊に送り込まれた。彼らは複雑な矛盾をはらみつつ、死への出発日を待った。出撃予定日が悪天候で日一日と延びる。「特攻待機」と呼ばれるこの耐えがたい日日の隊員の日常が映画の大部分を占める。「何のために死ぬのか?」、もう知識人の訓練を受けていた彼らには、思い悩むことは絶えない。家族への思い、妻や恋人への愛情、故郷の山河への郷愁。家城監督は自分の戦争体験を土台に、出撃を待つ隊員たいの人間像をあたたかく描き分ける。

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 ついに空は晴れた。「特攻待機」は終わった。二度と還ることのない出撃に彼らは旅立つ。その機影が遠くに消えていった積乱雲の大空にテロップの字幕が浮ぶ。「きわめて健康」と。隊員の一人が父母にあてた遺書の一節である。そう、彼らは健康な身体と若々しい精神を持った青年たち、その「きわめて健康」の人生を突然断ち切られた無念の思いが、このラストカットに溢れていた。(「前衛」07年9月・「特攻を描いた日本映画の歩み」−山田和夫より一部引用)

【注】下映像は私がイメージして作成したもの。

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