
自分の時代が作家の唯一の機会なのだ。時代は作家のために作られ、作家は時代のために作られている。四十八年事変(二月革命)に対するバルザックの無関心、コミューヌに直面したフロベールの戦々競々たる無理解は残念だが、これは彼らのために残念なのだ。そこには何ものか、彼らが永遠に失ったものがあるのだ、われわれは、われわれの時代の何ものをも失いたくない。もっといい時代はあるかも知れないが、これはわれわれの時代なのだ。われわれはこの戦争、おそらくはこの革命のただなかに、この生を生きるよりほかはないのである。 (雑誌『現代』創刊の辞)
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