早乙女勝元さんと特攻隊員㊦

作家の早乙女勝元さんが「きけわだつみのこえ記念館」を訪ね、先の大戦で学徒出陣として、戦死した彼らの遺文、遺稿に痛恨の思いを寄せた。前回、そのなかで慶応大学出身、特攻で逝った上原良司少尉が恋人に宛てた手紙を紹介したが、戦後母校で開かれた彼の遺品展示会を見てみよう。

 出撃前の上原良司少尉
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   「それでも君を愛している」
 
 慶応義塾大学日吉キャンパス内の来往舎で04年10月の1週間、「平和のための戦争展」が開催された。
 そこには展示とともに上原良司コーナーが置かれ、「きけわだつみのこえ」の巻頭を飾った上原良司の最後の遺書や愛しい人への気持ちを暗号のようにつづった「クローチエ」の実物が展示され、ひときわ目をひいていた。

 3通残した遺書のうち最後のものは出撃前夜に書かれたものといわれ、その几帳面で美しい文字、書き直したり、書き替えたりした部分が一切ない状態には来場者の注目が集まっていた。

 羽仁五郎訳の「クローチエ」は、良司が恋人に届かぬ思いを暗号としてしたためた本。1ページに1文字か2文字ずつペンで○印がつけてあり、それをたどっていくと「・・・それでも君を愛している」という文になり、来館の女性たちは目をうるませていた。
 

】ベネデット・クローチェ(1866~1952)イタリアの思想家、歴史家。独裁者ムッソリーニに敢然と抗した。

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