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zoom RSS 沖縄をうたう 永井和子さん

<<   作成日時 : 2014/01/02 07:06   >>

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 詩人永井和子さんは沖縄を「ふるさと」と呼ぶ。大阪に生れ、東京に転じ、いまは札幌に住んでいる彼女なのに、どういうわけかと思われるが、それはまず次のような理由があるだろう。

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 彼女は沖縄の日本復帰前からこのテーマをうたい続け、『沖縄詩文集』を上梓することになったのは、いまもアメリカの基地の島のままになっている沖縄を「ふるさと」として、彼女は切に心を繋がずにはおれなかったのではおれなかったのでは。むかしから私たちのなかまのあいだでは、永井さんと言えば「大阪生れの沖縄詩人」で通っていたが、今回の業績は、まさに面目躍如たるものがある。(詩人・増岡敏和

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      復刻版  沖縄詩集・抄について

 『沖縄詩集』が、絶版になって45年、『続沖縄詩集』が同じく絶版になってからでも40年が過ぎた。なぜ、いま、その復刻版を造ろうとしているのか。
 処女詩集ともいうべき『沖縄詩集』に載せる詩を創るには、新聞の3行記事と呼ばれる小さな小さな報道から想像するしかなかった。
 私は、現地に立ち、五感に触れてしか詩を創れない人間である。この方法では、生れなかった沖縄詩集だった。その当時、沖縄はアメリカの統治下にあり、「外国」であったから「パスポート」無しには訪れることが出来ない地だった。詩中にも、そのことを風刺した作品がいくつかある。
 あの詩集はもうないのですか?
 今頃にになって問われることが増えた。沖縄がいまも、処女詩集以来、アメリカのものである現実があるからだろう。いやそれ以上に悪くなっている。日本政府は、沖縄の「施政権」を取り戻し沖縄が日本になったという。では、なぜ、今も、沖縄がアメリカ軍隊の思うままにされているのだろうか?
 空から降ってきたトレーラーによる女の子の圧死、少女暴行、タクシー運転手への暴行・傷害、乗車代金の踏み倒し。つい1年前も沖縄国際大学に墜落したヘリコプターで、壁が焼かれ、大惨事になる事故があったときも、日本の警察は手をだせなかっつぁ。
 観光産業で栄えるはずの沖縄の美しい海岸通りは、ほとんどが、アメリカ軍の基地に奪われている。辺野古の海が証明している。世帯所得は、他県と比べて最低のラインにある。「軍事基地」は沖縄に何ももたらしていない。いのちのの安全も、豊かなくらしも、にんげんとしての権利も。
 だから、いまも私は、沖縄の詩を創りつづけている。沖縄の人々に学びながら。そのなかで歌もたくさん生れた。
 2010年11月21日、処女詩集沖縄から歌になった構成組曲が、30年ぶりに、当時歌ってくれた琉球大学合唱団有志の力で、再演されることになった。そのことは、大きな歓びだが、同時に悲しみでもある。
 いつまで、沖縄の詩をうたいつづけなければ、ならないのだろうか?

 復刻版は、渉だから、当時の詩、すべては載せられない。第二分冊、第三分冊と出していくことになるだろう。第三分冊には、その後の新しい作品も含まれる。沖縄を改めて考えるために、ぜひ、読んでいただきたいし、朗読ライブの場も創っていただきたいと願っている。

 

    沖縄のための組曲 永井和子

 1.情 景
 
  おきなわは
  みどりふかき島じま
  赤いデイゴの花が咲けば
  月も酔い むせぶむせぶ
  島びとのつきぬ悲しみ思うように

  おきなわは
  黒潮よせる島じま
  茂るがじゅまるかげに立てば
  夏の陽は 燃える燃える
  島びとの遂げぬ願いの炎のように

  おきなわは
  波間にゆれる島じま
  雲が走って嵐よべば
  空も地も うめくうめく
  島びとの絶えぬ苦しみなげくように

  おきなわは
  南の果ての島じま
  海に夕日は沈み暮れても
  あすの陽は のぼるのぼる
  島びとの消えぬのぞみのあかしのように

 2.悲 し み
  
  たとえば小指のひとつでも
  傷つき 痛み 病むときは
  だれがかばわずおくものか
  みすてておいたそのむごさ
  わたしの心のこの痛さ

  あなたの小指ひとつでも
  傷つき 痛み 病むときは
  だれが助けずいるものか
  知らずにすぎたその月日
  わたしの心のこの悔やみ

  わたしの小指ひとつでも
  傷つき 痛み 病むときは
  だれが呻かず忍ぼうか
  いまこそ知ったその痛み
  わたしの心のこの怒り

 3.風  刺

  大きないくさがありました
  武器も持たずに男らは
  射たれて焼かれて死にました

  大きないくさがありました
  なんの罪もない子どもらも
  追われて焼かれて死にました

  大きないくさがすみました
  草も木もないはげ山に
  立派な基地ができました

  大きないくさがすみました
  敵もないのにその島は
  ぶきみな銃をもちました

  (大きないくさは昔です
  平和なはずのその島で
  きょうも誰かが死んでます)

 4.祈   り
  
  粗(そま)糸を初めて機(はた)おる愛人(かなし)よ
  機(はた)おるその手を 塵におくな

  その手をいとしみ 媚には初めるな
  荒れても美(きよら)の 玉の指を

  黒土たがやし 汗する男よ
  汗するその手を 人に売るな

  その手を誇れば 嘲笑う人はなし
  たかだかかざせよ 玉の腕を

  くばの葉をつんで 山水をくもう
  山水つきねば 清い流れ

  清らの流れは 故里(しま)びとの心
  誰にもけがせぬ 海のふかさ

  海のふかさより なをまさる思い
  恋しややまとは 潮路つづき

  わきたつ黒潮 黒髪にすいて
  きょうも祈るよ かえるその日

 5.怒   り
  
  砂の上に家が建つ
  砂の上に人が住む
  誰が 誰が この島を
  おびえたけものに変えたのか

  基地の中に町がある
  基地のかげに村がある
  誰が 誰が この島を
  いけにえのためにうったのか

  引きさかれて耐えてきた
  血を流して生きてきた
  誰が 誰が この島を
  忘れたふりしてすてたのか

  この空は日本の空
  この海は日本の海
  誰が 誰が この島を
  日本でないときめたのか

 6.たたかい

  橋を 橋を
  橋を架けよう
  町から町へ 村から村へ
  われらの心つなぐ橋
  南に北に遠く離れて暮すとも
  空は一つ 空は一つ 青い地球

  手を 手を
  手をにぎろう
  きみからぼくへ ぼくからきみへ
  みんなの力むすぶ手を
  異国の基地に いまはへだたれ生きるとも
  海は一つ 海は一つ うねる潮

  肩を 肩を
  肩を組もう
  あなたとわたし わたしとあなた
  日本の未来になう肩
  のぞみも夢も耐えて厳しく重くとも
  陽は一つ 陽は一つ 燃える太陽
 
    
 

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