戦後70年 「平和の俳句」 東京新聞 -29-

東京新聞が年初から一面に掲載している「平和の俳句」。本ブログでは一週間分をまとめて転載しているが今回で29週目に入った。恒例による冒頭部分のリードは7月15日に載せられた「8月分選考会」の模様を紹介しよう。

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 作り手に余裕出てきた 金子さん
 さまざまな手法に関心  いとうさん

 
 「平和の俳句」の8月掲載分の選考会が14日、東京都千代田区の東京新聞で開かれた。俳壇の長老金子兜太さん(959と作家のいとうせいこうさん(54)が、4千65通の応募作品から掲載句を選んだ。
 今回は八月ということで、原爆忌や終戦の日にちなむ句も多く選ばれた金子さんは選考後、「作り手に余裕が出てきた感じがする。柔らかで幅が広く、たっぷりした印象の句が増えた」と評価した。いとうさんも「季語をうまく使った句、定型に縛られない句など、さまざまな手法が使われるようになったなと寒心する」と語った。
 企画は今年12月まで続く。金子さんといとうさんは「二人が選ぶ句の傾向はそれぞれ違っていて面白い。このまま良い句が増えていけば、きっと新たな”平和の俳人”が生まれてくると思う」と期待した。


九条を吸ってェ吐いてェ生きている 兼子 明(55) 浜松市北区 2015・7・12

】<金子兜太>九条が日常感のなかで生きている。かるがると呼吸している。 <いとうせいこう>この表記は面白い。あの抑揚が浮かんできて確かに現在のこの瞬間を味あわせる。

十五歳散りし彼らと鬼百合と 橋本真梨子(16) 愛知県安城市 2015・7・14

】<金子兜太>作者は十六歳。安城高校生。特攻機で散華した同世代を、こころから思いやっているのだ。「鬼百合」は花言葉で「賢者」。

此の平和冷凍して置き小出ししたし 反保 利和(729 愛知県一宮市 2015・7・15

】<いとうせいこう>せっかくおいしくできたのに、取っておけない大切な日々。まさに冷凍して小出しにしたい日常。少し字余りなのが率直なつぶやきのようでいい。

喜寿米寿平和を連れて同窓会 平田 昭恵(77) 浜松市北区 2015・7・16

】<いとうせいこう>七十年目の平和を背負った同窓会。生きている者のみが集まり得るありがたみ。 <金子兜太>長寿は平和を作り、平和は長寿を生む。同窓会も盛り上がっていた。

田の早苗平和の風に抱かれし 松井 定子(64) 金沢市 2015・7・17

【評】<金子兜太>平和の風は早苗を育て、人々の暮らしを養う。九条こそ平和の風。 <いとうせいこう>そよそよと青くなびく苗は未来のように力強い。枯らしてはなりません。

生きるには戦車はいらぬ耕運機 香田 成規(78) 愛知県東海市 2015・7・18

】<金子兜太。ズバリ言い切る小気味よさ。戦争不要、農耕が気持ちよくできればよい。戦車は破壊の手段。耕運機は生産し建設する手助け。

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