満洲・公主嶺小同窓会誌 第8章 エピソード -35-

私の住んでいた陸軍官舎は、前が畜産の放牧地の広場で、羊の大群が時々官舎の庭までぞろぞろ入って来たので、そのたびに門を閉めなければならなかった、父が花を作るのが好きで、庭にはいつも美しい花が咲いており、羊に食べられないように注意しなければならなかったからである。(記念誌355頁下段)

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    官舎でみた羊と子馬
         塚本増能(31回生)

 
 あるとき、内地から竹田宮恒徳王殿下が公主嶺に視察に来られた。そのときの宿舎のお部屋を飾るのに花がなく、我が家の庭の花を差し上げたことがあった。そのお礼に後日藤色と薄緑色の団扇各一枚を拝領したことを覚えている。
 また官舎の前の野原に一本の木があり、よく中国人の牧夫がその木に試験場の馬を繋いで木陰で休息していたが、その内に可愛らしい子馬も一緒に連れて来るようになった。

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 顔馴染みになったその牧夫が冗談でからかったのを真に受けて、その子馬を本当に譲ってもらう気になって、父に頼んだりしたことがある。子馬が母馬の周囲を思う存分駆け回っている姿が忘れられず、内地へ帰ってその後、上級学校へ入ったとき、ためらわず真っ先に馬術部へ入ったのも、この公主嶺での思いを遂げるためであった。
】関東軍の精鋭が駐屯していた公主嶺。従って高級将校の官舎が群れをなしていた。右写真は佐官級の官舎。農事試験場の畜産に近いのでよく羊が官舎わきの原っぱに遊びに来ていた。

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