戦後72年 「平和の俳句」 -45-

 1月第2週の「平和の俳句」。恒例により今回も一面に載せる選考から惜しくも漏れた作品の中から、事務局の記者が選んだ2句を紹介します。担当は文化部の矢島智子記者。(10月29日付

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 「肉がさけるけん太れんとさ」被爆者いう         
         下村 眸(74) 東京都大田区 

 長崎への原爆投下で背中一面に大やけどを負い、その後の人生をかけて核兵器の廃絶運動を続けた谷口稜瞱(すみてる)さんが今年八月、亡くなった。下村さんは20年ほど前、長崎での原水爆禁止世界大会で谷口さんの講演を聴き、後に新聞で読んだ谷口さんの言葉が胸に突き刺さった。それを伝えたい思いが句となって新たな命得た。

 ・モノクロの影落とす八月の雲     
     池田秀夫(76) 東京都江戸川区




同盟は平和の枷(かせ)ぞ鳥渡る 坪井利剛(71) 埼玉県富士見市 2017・11.5

】<いとうせいこう>日米同盟にのみしがみついていると、他の国際関係の可能性を失い、十区を危険にさらすと作者。自由に飛ぶ鳥に学べというのだろう。

とんぼ来た平和な国を探し当て 橋爪朋子(63) 三重県桑名市 2017・11・6

】<黒田杏子>目の前にやってきてくれたとんぼ。どこから飛んできたのだろう。平和な国を探し当て。ここを読むととてもホッとします。

最強の一手は「対話」秋の声 荒井孚(81) 千葉県松戸市 2017・11・7

】<いとうせいこう>暴力ではどちらが勝っても次世代に恨みが残る。それがまた暴力を生む。人類は歴史を学んでその不毛を知ったではないか。対話を。

白寿にも反戦叫ぶ兜太翁 幅 茂(63) 名古屋市北区 2017・11・8

】<黒田杏子>満98歳の金子兜太さんは数えで白寿。反宣の旗を掲げる大先輩への敬意いと信頼。 <いとうせいこう>99歳で、いや99歳だからこそ声をあげる人への大きな共感。

封印の戦死の便り額の中 多賀与四郎(79) 栃木県さくら市 2017・11・9

】<黒田杏子>硫黄島で戦死された長兄の告知を父上はその場で封印。額に収められたため、今日まで家族の誰も見ていないその戦死報。

草を刈る伸びて又刈る平和かな 小室英朗(65) 茨城県北茨城市 2017・11・10

】<いとうせいこう>草は刈ればなくなるが、また生えてくる。自然の力を厭うことなくまた刈って畑を作ってゆく。その営為に平和の繰り返しを感じる。

ミサイルの打上げの日や平和館 水津幸一(73) 川崎市高津区 2017・11・11

】<黒田杏子>その日、「川崎市平和館」を訪ねていた作者。「横田めぐみさん」コーナーなどの展示にあらためて戦争と平和を考えさせられて。

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