戦後72年 「平和の俳句」 -46-

 11月第3週の「平和の俳句」。恒例により一面に載せる選考から惜しくも漏れた作品の中から、事務局の記者が選んだ2句を紹介する。今回は文化部・小佐野彗太記者によるものである。(東京新聞10月29日付)
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  こんなにもわが家にありしか花木槿             
       津田正義(78) 茨城県鹿嶋市 

 夏になり、いっせいに木槿の花が咲きだした。朝鮮半島ではムグファン(無窮花)と呼ばれ、韓国の国花として親しまれている。日本人にとっても、家の庭に咲いているような身近な花だ。日本と朝鮮半島の近さへの驚きが「こんなにも」の言葉にこもる。作者は「核兵器などが笑い話になるような時代が早くこないかな」と願う。

   七夕に「世界平和」と床の母      
    関戸 扶美子(54) 東京都世田谷区




秋気澄み陸上部女子タタタタタ 加藤重明(59) 浜松市西区 2017・11・12

】<いとうせいこう>スニーカーで走っていく女子たち。薄く白く煙る呼気。この「タタタタタ」が軽快で平和でいい。耳に日郁生命力の音。兜太好み。

へいわって妹とたべるわたがし 藤元ひめり(9) 三重県四日市 2017・11・14

】<黒田杏子> おまつり大好きのひめりさん。学校で国語の時間に作ったそうです。 <いとうせいこう> うれしさ、しあわせ、思い出、心地よさ。すべてが平和に綿菓子に。

老母往く平和の俳句香華(こうげ)とし 稲垣節子(60) 津市 2017・11・15

】<いとうせいこう>95歳の母の告別式のその日、作者の句が中部地区の特集に載ったそうだ。しかも母の日を詠んでいたのだそうだ。香華となる新聞。

いなご食べ運動場に薯を植え 大原良江(86) 愛知県岡崎市 2017・11・16

】<黒田杏子> 満洲事変の年に生まれた小学生。運動場は甘薯畑。いなごを煮て食べて・・・。 <いとうせいこう> 15年戦争の中で育った作者の日常はこうであった。忘れられぬ経験。

サンマ焼く母と平和を語り合う 西谷寿(61) 愛知県春日井市 2017・11・17

】<黒田杏子>小学校教員の作者。お母さまは80代でしょうか。むつまじい母と子。このおだやかな暮らしがいつまでもずーっと。

平和とはお替り自由白い飯 小玉美津江(78) 愛知県甲田町 2017・・18

】<黒田杏子> 白米を思う存分頂けるうれしさ。戦中戦後のあの食糧難が夢のよう。 <いとうせいこう>そんなにむさぼれるなんて。けれどどうせ腹にしたがって満ち足りる。

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