講演 満洲の終焉の真相 永井瑞江

 長野県上田市に住んていた旧知の永井瑞江さん。彼女が2011年11月10日、「長春会」で講演しました。その要旨が会報「長春」(NO.49)に掲載されていましたので、ここにその要旨を転載します。題して「満洲の終焉の真相」。

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 皆さんは、若い人から次のような質問をされたことはありませんか?「満洲ってどこのこと?」「開拓団の話はドラマで見たから知っている。えっ開拓団でもない日本人もいたのですか?」という質問。 
 「満洲のことは中学でも高校でも教わらなかった」「高校の日本史は選択だから昭和初期は勉強していないの」「私、日本史苦手で・・・」という人が教員になっています。中学の歴史教科書の年表の1945年には「日ソ戦」も「満州国消滅」も書いていない。「ポツダム宣言受諾ー敗戦」としか書いていないのだから自習のしようもない。学校で教えないのだから、今や多くの日本人が、第二次大戦で日本はどこの国と戦ったのか、どこの国に負けたのか尻ません。満洲にいた人の中にもソ連に負けたが中国には負けていないと思っている人が居るようです。

 民間の歴史教育研究会にでも入って自ら勉強する教師でなければ子どもたちにまんしゅうの話などしてやれません。まして1945年8月9日から始まった満洲の悲劇・・・・・・難民たちの悲惨な最期など誰にも伝わっていない。「うちのお祖父さん満洲にいたけど嫌な思い出ばかりらしくて全然話してくれない」という人もいます。

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 実は昨年12月4日、ラジオ深夜放送「明日への言葉」で私の本を取り上げてくれました。夜明けの4時という時間帯なのに大勢に方が聞いて、電話や手紙や本の註文が着ました。特に評論家新船海三郎さんから満洲に関する評論を『季論21』に掲載してくれるという発表の場を与えていただき早速書きました。
1、現代史から消えてもいいのか満洲
2、満洲に終戦はなかった
3、あの戦争を忘れたい人、忘れてしまった人
4、女真族ー満州族の錚々たる歴史
5、満洲にあった民族差別
6、皇民教育の一つ「天皇陛下万歳」と叫んで戦士する劇
7、開拓団を迎えた反満抗日軍
8、ソ連侵攻を知っていて邦人に報せなかった関東軍司令部
9、安全な避難場所などないのに無謀な避難命令
10、48年目に暴かれた棄民政策
11、棄民しながら移民を続行した日本政府
12、政府は満洲での邦人犠牲者の数を知らない(しらべようともしない)

という見出しで書き、250人に送りました。すると100人もの老朋友から共感の反響がありました。
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 特に不破哲三さんに「朝枝参謀の文書に既定方針通りとあるが、日本政府はいつから在満邦人棄民を決めていたかご存知ですか」との問い合わせに、数冊の本の主要部分のコピーと義兄の前田忠廣死(白菊小・新京一中二年)の著書『国の大儀の名のもとに』を送ってくださった。存命ならばすぐにも会いに行きたい著者です。私が知りたかった満洲終焉の時の秘密の真相だとかよく書いてあります。
 『季節21』に掲載の題名は「再見我的(私の)満洲」で私は「再見(さようなら)」を単なる別れの挨拶だけでなく、「また明日」を約束する深い意味を持つと思っています。また『我的(私の)に対し、自分だけの満洲にするなよ、『再見我們的(我等の9満洲」にして続きを書きなよという激励の手紙もいただきました。

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 実は私、昨年9月末手遅れにした結腸癌を手術したあと、抗癌剤治療をしている身です。だから「再見我的満洲」を皆さんに送るとき「生涯最後の評論を読んでください」と書いたのですが、「生涯最後のなどと言わないで、まだま核元気を出してください」という激励もいただき更に調べて書かなければと思っています。

これからのテーマは大きいです。
1、24万5千人の死因(戦死、自決、病死、餓死、凍死)から考えられる国民性
2、24万5千人を死に追いやった原因、関東軍司令部の本性
3、中国と中国人を無視し「ソ連の庇護下に満鮮に土着せしめよ」とひたすらソ連におもねって終戦協定をした関東軍及び大本営参謀たちの棄民、棄兵政策の真意
4、ヤルタ協定でソ連参戦は分かっていたはずなのに45年7月まで満洲へ移民させた日本国家の人名軽視
5、開拓団及び青少年義勇軍の全国トップはなぜ長野県なのか

 
 現在の私の体力精神力では手に負えない大きなテーマ、無茶だが取り組みたい。あの時亡くなった24万5千人の魂が「書いてくれ、なぜ、あの1年間にあんな死に方をしたのか」と、背中を押して前進させてくれているような気持ちがしています。
 長春会には、ご自分の本を出された方、発表の場を持っておいでの方が何人もいらっしゃる。そういう皆さん、「満洲の終焉の真相」を書き残しませんか、そんな提案をして私の決意表明を、終わりにします。

】この二カ月後(2012年1月19日)亡くなられた。
http://38300902.at.webry.info/201207/article_5.html

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