NHKドラマ「どこにもない国」を見て ⑭ー3

 父は、1852(昭和27)年10月3日に結核で、臨月の母と子ども6人を残して、46歳で亡くなりました。それから2カ月後、突然日本から船が迎えにくる、と知らされました。母は、父の故郷が樺太だったので、日本に帰っても行くところがありませんでした。(山田典子さん)
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 どうするか心配していましたが、私たち子どもは「皆で乞食をしても帰りたい」と言い張り、28年の春に、父の墓の土まんじゅうを開けて、髪の毛と爪を持ち帰りました。
 1953(昭和28)年5月に伊通を出発し、吉林、奉天(現瀋陽)などに寄り、秦皇島に到着しました。なかなか船が来ないので、私が(19歳になっていた)臨時の先生になって、小さい人を教えました。7月に秦皇島から高砂丸で舞鶴港に引き揚げ、東京の引揚者住宅に入れていただきました。

 (中略)私たちの前にご苦労された方たちが、どのように帰国されたか知りませんでした。ドラマを拝見して、丸山邦雄さまたちの奮闘を感謝いたします。
 生まれたばかりの妹を置いてこなかったことも、一番の幸せだと思っています。職もなく大変でしたが、なんとか頑張りました。弟は亡くなりましたが、5人の妹は健在です。
 子どもや孫たちが、いつまでも平和な国に住めることを、心から念じております。

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