詩集 「ロ号33番」 永井和子 -31-

 詩人 永井和子(1934~2015)年の処女詩集。かつて暮らしをともにしたなかで、身辺に起きた細々とした出来事を詩に刻んだ。全55篇からなる詩集だが、日を追ってお手元に届けたい。
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     言  葉

 さっきからずっと
 話しつづけていたような気で
 わたしが十番目の言葉だけを投げると
 夫は物足りないという
 わたしがいい残した一から九までの言葉を
 すっかりききたいという
 それでわたしはやっと
 わたしたちの会話がとぎれていたことに気づく
               64・7・15
 

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