『いまもその島は』 永井和子

昔その島は
日本の最後の盾だった
数百万の銃火に盾は破れた
海のようにあふれた血潮に
染るぼろも残らぬほど

昔その島は
日本の最初の踏み石だった
文字通り石はふみにじられた
ひそかに流された血も泥に汚れ
空までどす黒くかげるほど

いまもその島は
日本の恥ずかしい捨て子だ
新しい人殺しの道具も
人間を虫のように扱う方法も
平気で人の国も盗みにいく兵士たちも
まっさきに持ち込まれる

】生涯をかけて沖縄に心を寄せ続けた詩人の永井和子(1934~2015)。その島の平和を壊した者たちに、あふれる思いを込めて詩った怒りの一篇。1966年9月に刊行された「沖縄詩集」(P82)の中から採録した。

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 0

この記事へのコメント