「四季のめぐりをしみじみと」 『赤旗・潮流』

緑の葉が、黄に色づいてゆく列島。鮮やかに染まる紅葉の便りが各地から届きます。様変わりした日々の対応に追われるなか、四季のめぐりをしみじみと▼折々の季節の移ろいは、暦や気温の変化だけで感じるものではないでしょう。そこには動植物の生育や営みをはじめ、いのちの存在が欠かせません。生のリズムは私たちのくらしに潤いを、文化に彩りをあたえてきました▼山に桜が咲けば種をまき、ホトトギスが鳴けば田を植えてきた先人たち。身近ないきものに目をむけ、時の流れをきめ細かく刻んできました。たとえば、秋の空に響くモズの高鳴き。地域によっては初鳴きから75日たつと初霜が降りると言い伝えられてきました▼しかしいま、地球温暖化や都市化によってありさまは大きく変化しています。気象庁は1953年から記録してきた鳥や虫の季節観測を年内で取りやめると発表しました。これまで対象としてきた23種の動物はすべて廃止し、植物も桜の開花など6種のみに減らすとしています▼昨今は対象を見つけること自体が難しいらしい。東京ではウグイスの初鳴きが20年前から観測できていないといいます。一方で気候変動や生態系の影響をかんがみ、やり方を工夫してでも観測はつづけるべきだとの意見も出ています▼私たちの生活に深く根ざし季節の指標となってきた、いきものたちの前線。鳥のさえずりや虫の音。色めく葉や花。それを失った世界の味気なさは、いかほどか。(2020・11・13)

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