「未来のために過去がある」 『赤旗・潮流』

鴨川のほとりで古都の歴史を刻んできた上賀茂神社。そこである戦国武将の書状が特別公開されています。達筆で均整がとれた文体からはイメージと異なる姿が浮かんできます▼織田信長を討った5日後に出したとされる明智光秀の文書。当神社の領内で乱暴や放火、軍用金や兵糧米を徴収することを軍勢に禁じた禁制です。乱の直後に神社が光秀に銭を贈った記録もあり、当時の緊迫した様子が伝わります▼今年の大河ドラマの主人公でもある光秀。これまで謀反人や逆賊といった悪者の印象が強かったですが、研究がすすみ見直されています。教養高く医学にも通じ、足利将軍家に重用された。礼儀正しく部下思い、領民からの評判も上々。そんな人物像がみえてきました▼光秀といえば日本史最大の謎の一つとされる本能寺の変です。怨恨(えんこん)や野望、単独や黒幕、信長の暴走阻止や四国問題・・・。さまざまな説がとりあげられてきましたが、どれも決め手を欠き、いくつもの動機が重なったと説く史家も▼戦国の時代は英雄扱いされてきた信長。秀吉、家康の天下取りを中心に描かれてきました。しかしその周りの人々や民との関係にも視野をひろげ、何を導き出すか。歴史の大事な検証でしょう▼光秀を特集した雑誌『現代思想』の対談のなかでドラマの時代考証を努めた小和田哲男さんが語っていました。「歴史は鏡。そこに過去を映して未来を照らす。未来のために過去がある。その過去を明らかにせずに未来の指針をつくることはできない」(2020・11・24)

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