「一陽来復」の文字入れたい 『赤旗・潮流』

はや師走。いつもなら、ゆく年を追いかけながら、くる年を望むとき。しかし、今年はコロナ禍で社会のありさまが一変。面持ちの異なる年がわりです▼賀状づくりをうけおう業者からこんな話を聞きました。疫病払いの妖怪アマエビをあしらう、悪いことが続いた後に運が開くという意味もある一陽来復の文字を入れたい。今年はそういう注文が多く、それとともに、終活を告げる人が例年よりも増えていると▼「このままでは年を越せない」。仕事が激減した中小業者や客が遠のいた飲食店の訴えです。「生活が立ち行かない」。なりわいを奪われた女性や若者の叫びです。政治の支援が届かず、苦境に陥る人びとは後を絶ちません▼この期に及んで国や都は東京五輪・パラリンピックの追加経費に数千億円を負担しようとしています。すでに1兆3500億円までふくらんだ大会経費も組織委員会を含めた3者で負うことになっていますが、みたび感染の波が押し寄せている状況下でさらなる出費とは▼いったいこの国の政権はどちらを向いているのか。ただなりゆきに任せているだけなのか。くらしや営みを守り、医療や検査体制を支える。そのための対策を求め、現実に政治を動かしていうのは市民や野党の声です▼恒例の今年の漢字には禍や病、疫を予想する人が多いといいます。ウイルスがもたらした未曾有を映していますが、世には禍い転じて福となすという教えも。ここは危機をのりこえ、新しい政治や社会を築く「望」としたい。(2020・12・1)

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