「つなげたい」光あふれる世界へ 『赤旗・潮流』

広大な太平洋の水平線から立ち昇る朝日が大海原を赤く染めていきます。見渡す先には金華山。仙台湾の南部にある宮城・山元町の海岸です▼このまぶしい日の光を、待ち望んでいた子どもたちがいました。巨大津波に襲われたあの日。押しつぶされそうな不安と恐怖のなかで、中浜小学校の児童ら90人は屋上にある倉庫で一夜を過ごしました▼いまだ爪痕が残る校舎、それが整備され、震災遺構として9月から一般公開されています。当時5年生だった根元夏奈さんは教訓を伝える施設として「災害のときに命を守る大切さを感じてほしい」▼今年は東日本大震災から10年。被災地の歩みには困難を抱えながら復興に力を尽くす若者たちの姿がありました。ここ山元町に住む阿部結悟(ゆいご)さんもその一人。北海道の大学に通っていましたが、地元のために何かできないかと帰郷。NPOを立ち上げ、地域の仲間とともに海岸林の復活や被災者の雇用、起業支援に奔走してきました▼「まちづくりに住民がかかわることが復興の実感を高める」。みんなが暮らしていくうえで欠かせないもの、大事なものをあきらめたくないと。結悟さんの父親で震災時、町内の小学校教員だった広力(こうりき)さんはふりふり返ります。「先が見えないなかで若い世代のがんばりは光だった」▼災害や異常気象、そして感染症の拡大ー。そのなかで懸命に前を向き、生きようとする人びと。それを支える社会をつくり、光あふれる世界へとつなげたい。新たな年に込める思いです。(2021・1・1) 【注】コラムの転載を始めたのが昨年の4月。9カ月を過ぎ…

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