アメリカの民主主の正体 『東京新聞・筆洗』

(もういくつ寝るとお正月)ー。1月も半ば近くになって童謡「お正月」もあるまい。あのコラム書きもいよいよ血迷うたかと思われるだろうが、米国のトランプ大統領の退任を待ちわびる人にはやはり<もういくつ寝ると>なのだろう▼バイデンさんの大統領就任式は今月20日。あと一週間ほどでトランプさんは政権からいやでも去ることになるのだが、トランプさんを許せぬ米民主党はその一週間でさえ待ちきれないとみえる。トランプ大統領の弾劾手続きに向けて動き出した▼政権の灯火は待てば消えるが、一分一秒でも早く、その火を吹き消したいという気分は分からないでもない。米国の民主主義の汚点となった、一部のトランプ支持者による連邦議会襲撃事件。支持者をけしかけたのはどう考えても、選挙結果をうけいれなかったトランプ大統領である▼政権の終わりが近づく大統領が次にどんな行動をするのか分からないという恐怖心や不信感も弾劾の裏にはあるのだろう▼大統領が核兵器のスイッチを握っているという事実も頭をかすめる。むろんそんなことは起こるまい。それでも連邦議会が占拠され、五人が死亡するような事態が起きることを誰が想像できただろうか▼弾劾の動きにトランプ支持者が反発し、さらに過激な行動にでるのではないかという見方もある、<もういくつ寝ると>米国は落ち着くのか。(2021・1・13)

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[生活保護を受けることは権利です」『赤旗・潮流」

9カ月ぶりに出された緊急事態宣言の下で新型コロナの感染が全国に広がり、3蜜を避け、検温。マスク、手洗いと、自助を実践する毎日です。「まず自助を」と説き続ける菅首相の罪深さも日々問われています▼市民団体と労働組合が共同して食糧支援をもした「年越し支援・コロナ被害相談村」。人びとが助け合う「共助」のお手本で「公助」の貧しさをあぶり出しました▼相談村を訪れた四国出身の30歳男性は所持金が2万円でした。音楽の専門学校卒業後、楽器店でバイトし、派遣労働者になって働いて働いていたアパレル会社は昨年8月に倒産。次の短期派遣も3カ月でした▼ハローワークは同じ求職者であふれて仕事はなく、家賃2カ月滞納して路頭に迷う寸前でした。「人生の別れ道。コロナでなくならない仕事を選んでいたら」と自分を責めてしまう男性。対応した人が「生活保護を受けることは権利です」と話すと、コロナ禍は自助で乗り切るものでなく「社会保障に頼ってもいい」と気持ちが軽くなったといいます▼最年少相談者は19歳女性でした。仕事がなくネットカフェ暮らしで、実家に帰る金もないとの訴えでした。コロナ危機への「公助」の無策と感染拡大は、不安定な非正規雇用で働く若者や女性にとって命にかかわる事態です▼コロナで生活が困窮し、自死が増えては元も子もありません。困った人たちに行きわたる経済的支援は、国の仕事です。連帯して「政府はその責任を果たせ」と迫る声を全国であげる時です。(2021・1・12)

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