横井久美子さんが歌いつづけた 『赤旗・潮流』

私は歌う。日々に暮らしから愛とロマンをみつめて、私は歌う。大地をゆるがし歴史をぬりかえた世界の叫びを。私は歌う。時代の風を起こした人たちの歌をー▼歌うことへの執念を命の根っことしてきた横井久美子さんが亡くなりました。どんな国の出来事でも、どんな人の人生でも、心に響いたものは何でも歌う、自身の歩みに時代や社会を重ねた曲目の多彩さは冒頭のうたい文句に集約されています▼「自転車に乗って」「戦車は動けない」「私の愛した街」「飯場女の歌」「辺野古の海」。数々の歌が、どれだけの人たちを励まし、包み込んできたか。いつもそこには、たたかいの人権が広がりました▼平和や人権を尊び、穏やかな日常をいとおしみ、まじめに働く者や女性には温かいエールを。不正義や不公正には悲しみと怒りの声を。人びとや社会と深くかかわって心をつむいできた歌には、人間への信頼と希望が込められています▼40代の後半に入ったころ、燃え尽き状態に陥った横井さんは自分探しの旅に出ます。苦悩の末につかんだ再生へのきっかけ。それは、あるがままの自分を取り戻すため、たくさんの人と出会い、社会とつながることでした(『ゆるゆるふっくり』)▼コロナ禍のいまこそ、勇気がわく彼女の歌が求められていたのに・・・。闘病生活のなかでつづったブログには、最後まで歌を通して人びとや社会とともにあろうとする姿が配されています。人は人によって生かされている。人間こそが歌なんだと。(2021・1・18)

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