▼03年3月9日「この灯を永遠に」(当時)=ティアラこうとう

巡る季節を香りで知らせてくれる。春がくると、忘れないでこの地に必ずよりそって咲いてくれる白い花。
沈丁香の花咲けば
おもいだす いもうとよ
暑い炎の雨にうたれて
姉ちゃん と呼んだあの夜の声が
沈丁香の花咲けば
おもいだす いもうとよ

♪「沈丁香の花咲けば~」春がそこまでくる季節になると、この歌がよみがえります。もう春。凄惨なあの世の叫びが聞こえてきます▼作詞の永井和子さんと作曲の岡田京子さんが東京大空襲を呼びもどし、新たな思いを燃やす歌・「沈丁香の花といもうと」。両親と妹さんを業火のなかに消し去られた橋本与志子さんの悲痛な体験をもとにつくられました▼この曲が生まれたとき、詩人と作曲家は初対面だったが意気投合。初演があの横井久美子さん。江東の各地でコンサートが開かれ、来場者は涙、涙し、「空襲の記念碑」を作る運動のなかで婦人たちが歌い続けて、互いの絆を確かめ合いました▼あれから68年、あらためて命の尊さを感じます。
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