
あなたは満洲を知っていますか
1945(昭和20)年、日本の敗戦時、中国・旧満州に置き去りにされ、難民化した一般邦人約160万人。そのうち約105万人が飢えと恐怖に喘ぎながら引揚港の葫蘆島(ころとう)に辿り着いた。そこで力尽き、無念にも近くの茨山に葬られた人も少なくない。
この作品はかつて引揚を体験した人たちの「葫蘆島再訪の旅」の一行と新京(現長春)~奉天(現瀋陽)~錦州~銘西~茨山~葫蘆島への道程を辿り、当時の記録写真・映像・日本・中国・米国の資料、関係者の証言をもとに引揚げの経緯と真相を検証し、その全容を明らかにした。
撮影時には当時の面影をのこしていた葫蘆島港も現在は「日本僑俘遣返之地」の石碑が立つのみである。

【制作ノート】 国弘 威雄
既に戦後生まれの方々が日本では三分の二に達しています。私たち制作スタッフは、戦争を知らない人たちに戦争とはどんなものなのか、それによって市民がどのような境遇に置かれ、どう難民化していくのか。今も世界のどこかで戦争が行われていますが、戦いたくはない市民たちが、時の権力者の犠牲になってどう死に、どう生き残っているのか。それらを振り返りながら、このドキュメンタリーを見て戴ければと願っております。
(旧満州生まれ。新京順天・白山小・二中出身、シナリオ作家)
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