満洲・公主嶺小学校同窓誌 エピソード -6-

昭和20年8月14日、「明日15日正午、重大放送があるので、成人男子は小学校の校庭に集合するように」との通達がある。当日正午前に校庭に行くと、在郷軍人や男子の方たちが多数集まっていた。(507頁)

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   20年8月15日の一日
           井村輝昭(32回生)

 
 12時、校内の衛生室から引かれたラジオの声は、雑音でほとんど聴き取れない。
 どうやら天皇陛下の玉音放送らしい。広島、長崎に新型の特殊爆弾が投下され、耐えがたきを耐え、しのび難きをしのびといわれ、周囲の人たちの「日本は敗けた。無条件降伏したらしい」という声が聞こえてくる。なぜか自然と涙が出てきて止まらない。昨日までは「一両日中にソ連の戦車が襲来するだろう。その時は男子は爆弾を抱いて体当たりだ」といわれていたので、敗戦という実感がピンとこない。今晩は不測の事態に備えて、夕方まで集合せよといわれ、全員一時解散する。
 夕食後、旧小学校講堂に行くと、三八式歩兵銃を渡される。何人かで一隊となり、市街を順回する。昼間の雲一つない晴天が、夜は大雨となった。びしょ濡れで講堂に戻る。今までに経験したことのない、もの悲しく、とえも淋しい一夜であった。

公主嶺小学校
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