公主嶺小同窓会誌 第5章 エピソード -終ー

 幼いころ、お正月に小山良江さんと可愛い名刺を持ち、よく近所へお年始に行きました。着物が長いので裾を踏まないように浅野さんの石段を上がり、「おめでとう」というと、奥様が笑顔でキューピーや女の子を描いた絵葉書を下さった。(181頁上段)

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   浅野兼右衛門ご夫妻
         高橋富子(27回生)

 
 それが子供心に大変嬉しかった。浅野兼右衛門さんは、もと騎兵大尉とか、やせて背が高く、目のギョロとした方だった。また大変子ども好きで、よく可愛がって下さった。でも傍にきて抱き上げて頬ずりされ、「痛い痛い」というと益々強く抱かれて閉口しました。
 ある日、父の用事で浅野さんへ行き、帰ろうとしたら、「富子ちょっと待て」と何か封筒に入れて「これをお父さんに渡して」といわれ、すぐ帰り父に「こんな物を貰ったよ」と手を高く上げて渡すと、封を開けて父は急に笑い出した。中の便箋には大きな字で、たった六文字「トミコノバカ」と書いてあったのでした。
 このユーモラスななかに深い愛情がこめられ、あのいかめしい感じの浅野兼右衛門さんと、何時もニコニコとやさしいおば様のお姿が目に浮かんで懐かしく思い出されるのです。

】下 右が浅野兼右衛門、左小松光治さん。公主嶺の草分けのお二人。大正末期の写真。(写真集・満洲公主嶺95ページから)
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