ベートーベン生誕250年 『赤旗・潮流』

合唱メンバーは全員、鼻から胸までを真っ白な布で覆っていました。オーケストラは”炎のコバケン”こと小林研一郎さんのイラスト入りのおそろいTシャツ。「コバケンとその仲間たちオーケストラ」の「第九」です▼小林さんの情熱的な指揮にみちびかれ、1時間を超す演奏会が終わるとホールは拍手が10分近く鳴りやみませんでした。小林さんが感極まったように話します。「今日のような特別な時間に恵まれたことは、指揮者としてとてつもない幸せです」▼今年はベトーベン生誕250年。しかし予定されていた多くのイベントは新型コロナウイルスの流行で中止・延期に。年末恒例の「第九」も「歓喜の歌」の合唱がネックとなり、幾つもの壁が。先述の真っ白な布は、東京混声合唱団が試行錯誤の末、開発した「歌えるマスク」です▼「すべての人々は兄弟となる」と歌う「第九」は、コロナ禍で分断された私たちへの啓示に聞こえます。小林さんは、本紙日曜版のインタビューで「人類のために愛や勇気、平和や祈りを音楽で伝えようとしたのだと思います」▼その理念は視覚、聴覚、知的障害者の人たちも参加する同オケにも。2005年、長野で開かれた知的障害者の国際スポーツ大会を機に小林さんの呼びかけで設立。「すべての人々が輝いて活きることができる」社会を目指し、全国で演奏会を開いてきました▼難聴、失恋、愛憎疾患と試練を音楽の力で乗り越えていったベートーベン。苦悩から歓喜へ。今こそ耳を傾けたい。(2020・12・18)

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一刻も早く土俵を降りるべき 『赤旗・潮流』

相撲用語のひとつに「痛み分け」があります。取り組み中に力士が負傷し、続けられないと判断された場合に宣告されます。行司が「かたやに痛み、引き分け預かりおきます」と口上をのべ、「痛分」の幕が上がります▼審判と行司の協議で決めますが、このとき相手力士にうけいれるか伺いをを立てるそうです。競技性が増した戦後はほとんど出ていませんが、本来は引き分けにして痛みを分かち合うという意味が込められていたのでしょう▼コロナ禍のいま、痛みを共有することが大切といわれます。自分のことだけを考えずに、ひとの痛みや苦しみに寄り添って行動する。それが危機をのりこえる何よりの力になると。ところが、国の施設はどうか▼菅政権の遅きに失した「Go To トラベル」の停止。年末年始の利用者は大混乱、書き入れ時の予約が次々に消えていく旅行業や観光業は悲鳴を挙げています。その対応もドタバタなときに首相は高級ステーキ店で開食していました。しかも5人以上、恒例の人たちと集まって▼止まらない感染拡大で医療の崩壊が差し迫り、なりわいが立ちゆかない人びとは途方に暮れたままです。そもそも大勢が旅行の余裕も機会もないなか、こうした公費の使い方は不公平との声もでています▼だいたい、あの「勝負の3週間」とは何だったのか。一方で旅行や会食を奨励しながら危機感を訴えても国民に響くはずがありません。こちらは痛み分けとならず、勝敗がはっきり。一刻も早く土俵を降りるべきです。(2020・12・17)

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シャッター目立つ大阪の商店街 『赤旗・潮流』

九条ネギは京野菜のひとつ。九条ネギと肉入うどんがすっかり気に入り、京都を訪れた時は、よく食べていました▼先日も用事を済ました後、店に寄ろうとしたら、「あれっ、ない」。あんなにお客さんがいたのに、あっけない店じまいでした▼新型コロナは食い倒れのまち・大阪も襲います。新世界の老舗ふぐ料理店「づぼらや」の閉店は衝撃でした。大阪市内の由緒ある商店街にもシャッターが目立ちます。「終(ばて)ました。と閉店を知らせる看板を出したラーメン店も。悔しさがにじみます▼苦境に立つ飲食店ですが、なかでも居酒屋の倒産が目立ちます。帝国データバンクの調査によると1~10月の居酒屋の倒産は大阪府が26件で東京の30件に次ぐ多さ。夕方5時から明け方までの夜間営業が収益の主軸。営業時間の短縮要請や外出自粛による宴会の激減が経営を圧迫しています▼夜9時までの時短対象は大坂市全域に広がりました。「収入は激減。それでも家賃や水光熱費は出ていく。協力金76万円ではとても足りない」と店主は口をそろえます。雇用調整助成金、持続化給付金や家賃支援給付金の拡充と消費税減税は切実です▼医療崩壊の危機も迫ります。「PCR検査が少なすぎる。『都』構想のツケが回ってきている」。共産党のアンケートにもそんな声が。感染拡大のなか大坂市廃止の「都」構想に熱中した住民投票で否決されてもなお「広域一元化条例」など制度いじりを画策。「赤信号が点灯しているのは維新政治です。(2020・12・16)

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冷たさから温かさへの転換を 『赤旗・潮流』

今年も半月あまり。各地で雪が降り冬も本番です。寒さ募るなか、身も心も凍る年の瀬が迫ります。仕事がなくなった。収入が減った、生活が苦しい・・・。コロナ禍とともに政治の不作為が暗い影を落としています▼師走の日曜午後。寒風の東京・高田馬場駅前で食糧支援をよびかける若者たちの姿がありました。机に並べられたお米や即席めん、缶詰やレトルト食品。ややためらいがちに、一人また一人と手にとっていきます。感謝を口にしながら▼新宿の日本民主青年同盟が主催する「フードバンク」は、これで9回目。のべ200人ほどが利用したといいます。地域の人びとからカンパで集めた食料の無償配布のほかに、生活相談にも応じています▼バイトを辞めさせられた、授業料を払えないという学生から、廃業した飲食店主、年金だけではくらしてゆけないと話すお年寄りまで、幅ひろい層がたちどまっています。切実な声をまとめ、区に要請署も出しました▼こうしたとりくみはいま全国で。市民団体や労組も生活困窮者への支援や相談をつよめ・政府・自治体に年末年始の緊急対策をとるよう求めています。しかし、首相動静をみても日々会っているのは政財界や官僚の面々ばかり。市井の訴えを聞こうともしません▼ボランティアで参加した若者は「困っている人が多い。少しでも力になりたい」。自己責任を押しつけられ、孤独が襲う世にかよう人と人とのぬくもり。それは社会を変える力にも。冷たさから温かさへの転換です。(2020・12・15)

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兄・神島利則海軍中尉特攻死

今日12月15日は兄・神島利則(かみしま・としのり)海軍中尉の祥月命日だ。1944(昭和19)年、この日神風特別攻撃隊・第7金剛隊の一員として、フイリピン・ネグロス島近辺で特攻死した。20歳。彼の郷里は、当時日本の支配下にあった旧満洲(現中国東北部)の公主嶺。母神島トミが戦死の報を受けたのは23日だった。  市役所からの公報を見た母の狼狽ぶりといったらなかった。「トンちゃん(彼の愛称)が死んだんだって」「うそ」「なぜ」「どうして」と泣き叫けぶ彼女を、どうしたらいいのか分からなかった国民学校6年生の僕。その時の記憶はいまでも鮮明だ。これは後で知ったことだが、彼の戦死の詳報を総合するとつぎのようになる。 【追記】https://38300902.at.webry.info/200912/article_15.html

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李香蘭 生誕100年に思う

昨日の夜(2014年9月14日)、テレビ朝日が「徹子の部屋」の再録インタビューを放映。そこでの山口淑子(李香蘭)さんの言葉が胸に迫る。「私ね、二つの国の狭間(はざま)で翻弄されたけど、戦争がいけないのよ。戦争はやってはいけないのよ。戦争は勝っても負けても悲惨です。戦争は嫌い」 【ブログ「満洲っ子 平和をうたう」回顧】https://38300902.at.webry.info/201409/article_18.html

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貧困や格差が課題のバイデン氏 『赤旗・潮流』

米国を定義する言葉は何か? それは「可能性」。ここではすべての人に夢を実現するチャンスが与えられるべきだー。大統領選の勝利演説でこう語ったバイデン次期大統領。直面する課題は経済格差の是正です▼その手段の一つとして期待が高まるのが、学生ローンの返済軽減措置です。上院民主党のシューマー院内総務と進歩派議員は共同論評を出し、学生ローンの大幅帳消を提言。就任初日に大統領令を出して「債務の時限爆弾」から国民を開放するよう促しました▼中西部シカゴにある大学を取材で訪れたことがあります。ひときわ目立ったのは銀行が校内に設けた融資相談窓口。学費が高い米国で学生ローンが日常生活に溶け込んでいる様子がうかがえました▼米国全体の学生ローン残高は約167兆円。約4400万人にのしかかります。多額の借金を抱えて社会に出る学生たち。就職難や失業がきっかけで返済に行き詰まり、人生設計が狂う人が後を絶ちません▼一部でも軽減すれば多くの人が手取収入を増やし、起業できる人も現れ、格差の縮小につながるー。シューマー氏らは学生ローンの重圧を取り除くことこそが「最も効果的な経済刺激策だ」と強調しました▼学生ローンは、自らの学びを社会に還元し夢をかなえようと努力する人たちの「可能性」を奪ってきました。学生ローン帳消しを求める進歩派の支援も受けて史上最大の票を得たバイデン氏。貧困や格差の解消を一票に託した有権者にどう答えるかが問われます。(2020・12・13)

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こんな政権自体が無用の長物 『赤旗・潮流』

世に三大無用の長物といわれるものがあるそうです。ピラミッドや万里の長城と並び、そこに名をあげられているのが戦艦大和です▼世界最大・最強の不沈艦とうたいながら、すでに制空権を握られ、大艦巨砲は時代遅れに。80年前の極秘の進水から沖縄への特攻作戦まで活躍の場もなく、3千余もの命とともに海に沈みました。今に換算すれば数兆円にもなる国費を投じながら▼「全精魂を傾け、このほとんど役立たなかった戦艦をつくり、失い、空しき栄光のみを遺産として将来につたえることとなった」。戦史研究家の半藤一利さんは、戦争に突き進んだ昭和という時代、日本にとっての太平洋戦争の象徴的存在であったと▼昨日の本紙を見て怒りに輪をかけた読者も多かったのでは。菅政権が陸上配備型の迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」の代替策として建造を決めたイージス艦2隻。うんようや維持費をふくめた総額は1兆円をこえ、能力も疑問符。海自の元幹部からは「令和の大和になる」との声▼一方で自民・公明の政権与党は75歳以上の医療費を2割に引き上げることを決めました。負担増となる対象者は370万人にも。コロナ禍で受診控えが懸念されているなかで、高齢者へのさらなる追い打ちです▼救える命を救わないで命を奪いかねないものに何倍もの財源をつぎ込む。よくも「国民のために働く内閣」などと言えたものです。役に立たないどころか国民にとって害や災いとなる。こんな政権自体が無用の長物か。(2020・12・12)

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コロナは全世界に教訓を与えた 『赤旗・潮流』

「風蕭蕭(しょうしょう)として易水寒し」。死地に赴く刺客の心境を詠んだ故事。それを自身に重ねながら、恐怖と緊張で静まりかえった重々しい雰囲気の街へー▼今年の1月22日。中国湖北省の武漢が封鎖される1日前に作家の方方(ファンファン)さんは日本から戻ってきた娘を空港に迎えに行きました。それまで人から人への感染はない、予防も制御もできるといわれてきた新型コロナウイルス。それがまったくの偽りだったとは・・・▼マスクや食べ物がない、医療の現場は崩壊し、肉親や友人が次つぎと倒れてゆく。封鎖下の60日をつづった方方さんのブログは1千万都市の市民の血と涙、、そして怒りを代弁。官僚や政府の対応も嚴しく批判し、1億人以上が詠んだとされます▼ここは最初に感染が確認された地です。今月8日で1年がすぎ地元紙にはコロナ禍を克服した「英雄都市」の文字が踊りますが、深く刻まれた傷は今もいえないままです▼「無念の思いを抱いて亡くなった人びとを胸に刻もう。彼らのために正義を追求しなければならない。職務怠慢、不作為、無責任の連中に対して、私たちは追及の手を緩めてはいけない」。彼女のブログは『武漢日記』として世界に発信されましたが、国内では厳しい中傷や攻撃も▼「民生の多艱を哀しみ、長嘆息して以て涙を掩う」。封鎖中、この言葉を多くが発したと。いま日本でも政府の無為無策が国民を苦しめています。見えないウイルスがあぶり出したもの。方方さんはいいます。「コロナは全世界に教訓を与えた」(2020・12・11)

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「国がネグレクト」コロナ禍 『赤旗・潮流』

「菅首相が『自助、共助』と話しているのをテレビ見てたら怒りで涙が出てきてね・・・」。林たみ子さん(72)がそう話していました。息子の政臣さん(45)は自閉症で知的障害もあります▼障害があることは「自己責任」とばかりに、生きるために必要な支援に対し自己負担を課した障害者自立支援法。生存権や尊厳を奪われたと、全国の仲間とともに正臣さんは国などを相手に違憲訴訟をたたかいました▼正臣さんが暮らす入所施設では、障害のある仲間たちが人間らしい豊かな暮らしを送れるよう職員が支えています。昨年、体調を崩した正臣さんは病院へ。体調の悪さと不安で混乱し、パジャマに着替えたり元に戻したり、何度もトイレにに通う「確認行動」も。寄り添ったのは職員です▼人手不足のなか、勤務調整までして入院中の24時間の付き添いも試みましたが、インフルエンザ流行期。かないませんでした▼入所者が入院するとその日数分の報酬は施設側に入りません。さらに入院中の仲間を職員が付き添っても報酬はゼロです。それでも施設で暮らす仲間は”家族”。入院時も仲間を第一にと、心を砕いています。そんな職員集団は、かけがえのない「宝です」とたみ子さん▼1カ月に数人が入院してしまうと、施設経営は深刻に。福祉現場の人手不足は制度がつくり出しています。「コロナ禍のいま、国が本来手当すべきところを職員が使命感だけで補っています」と施設長はこぶしを握ります。「国がネグレクトしているようなものだ。

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今よみがえる「イマジン」の響き 『赤旗・潮流』

白衣姿で熱唱する医師や看護師、ネットでつなぎながら歌い上げる俳優や歌手。コロナ禍の2020年、ジョン・レノンの「イマジン」がふたたび世に響きました▼戦争やテロ、差別や分断。暴力や憎しみが社会を覆うとき、この歌は、なんども口ずさまれてきました。さまざまな壁をのりこえ、人びとが結ばれる世界をともにつくろうと呼びかけながら▼ジョンが凶弾に倒れてから40年、生誕80年の今年。記念の催しが各地で開かれ、今月8日の命日には追悼の集まりも。東京・六本木で開催中の「ダブル・ファンタジー ジョン・アンド・ヨーコ」展には、世代をこえた多くの人が足を運んでいます▼ビートルズのジョンと、前衛芸術家のオノ・ヨーコ。ちがう世界で行きてきた2人が出会い、刺激しあい、愛と平和を訴えつづけ、行動してきた激動の日々。その足跡や作品の背景が展示から伝わります。アイドルとしての言動の自由を縛られていたジョン「ヨーコはぼくの自我を目覚めさせた」と▼実際、真っすぐな言葉や思いを歌に込めるように。男性優位だった考え方も、ヨーコとの話し合いで変わっていったと話しています。あの「イマジン」も合作です▼普遍的なものを追い求め、ファンタジーはすぐ先の現実と語っていた2人。亡くなる直前のインタビューでジョンが同じ世界に生きる人たちに向けたメッセージがあります。「どんな時代になるのか、ぼくらにかかっているのだから」。それはコロナ危機の今によみがえってきます。(2020・12・9)

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12月8日に「万歳」と叫んだ 『東京新聞・筆洗』

その朝の授業は鬼のあだなで畏怖された教授の英語だった。その朝とは1941(昭和16)年12月8日、日米開戦の日だという▼開戦の臨時ニュースが校内に伝えられた。教授は廊下に飛び出し、[万歳」と叫んだそうだ。当時の学生が書き残している▼作家、半藤一利さんの「12月8日と8月15日」にあったが、とりわけ珍しい話ではなかろう。<やみがたくたちあがりたる戦(たたかい)を利己妄慢(ぼうまん)の国国よ見よ>斎藤茂吉。長く続く米英との緊張。当時の国民はうっとうしさや閉塞感の中にあり、真珠湾攻撃はその暗雲を吹き飛ばすかのように受止められた。「利己妄慢」の米英という大国に挑む痛快さもあったという。茂吉もそうだったのだろう▼11年後の52年に建立された、広島の原爆死没者慰霊碑。碑文は<安らかに眠って下さい 過ちは繰り返しませぬから>である。その言葉を考案したのは12月8日に「万歳」を叫んだあの教授だそうだ▼歴史の皮肉を書きたいわけではない。教授の名は当時広島大学教授の雑賀忠義さんとおっしゃる。この人も被爆している▼あの日、今から考えれば、勝てるはずもない日米の開戦に国民の大半が高揚した。記憶にとどめなければならぬ戦争の過ち。それは軍や政府によるものだが、感情に任せたわれわれの側の「万歳」をそこから除く理由もまた見当たらぬ。繰り返すまい。(2020・12・8)

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12月8日は平和を願う日

「太平洋戦争開戦の8日はまた、ジョン・レノンの命日としても歴史に残る日だ」との書き出しではじまる東京新聞の社説(2005年12月8日付)が手元にあります。12月8日といえば、私もあの日に呼びもどされます。64年前の早朝、ラジオからながされる臨時ニュースに釘付け、日本中が「ついにやったか!」と胸をおどらせ、真珠湾の大戦果に酔いしれていました。  歴史書をひもとけば、この日はまた、破竹の勢いでモスクワ郊外にまで侵入していたナチス・ドイツ軍がロシア人の血塗られた抵抗と折からの冬将軍にあって、総退却をはじめたと書いてあります。歴史は皮肉なもので世界の東西のファシストが同時に「終わりのはじめ」をスタートしていたのです。  25年前のちょうどこの日、ニューヨークの自宅前で教団にたおれたレノンが「戦争は終わる、もしもあなたが望むならと歌いました。「愛と平和」の歌です。12月8日、憲法が変えられようとしている今、この日を昭和ヒト桁以上の世代ならずとも、戦争を知らない子どもたちと「平和をのぞむ」心を共有し、歌い伝える日にしたいものです。 【リンク】https://38300902.at.webry.info/201412/article_13.html      https://38300902.at.webry.info/201812/article_13.html

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「はやぶさ2」の意味は 『東京新聞・筆洗』

砂漠に落ちたカプセルを回収する。それは大変な作業に違いないのだが、ロケット打ち上げや三億㌔離れた小惑星りゅうぐうへの着陸作業に比べれば・・・というシロウト考えを恥じるばかりである▼小惑星探査機はやぶさ2のカプセルが地球に帰ってきた。カプセルはオーストラリアの砂漠で無事に回収された。良かった▼当然ながら回収にも入念な準備がいる。りゅうぐう到着前の2018年4月から「回収隊」を結成し、この日に備えていたそうだ▼オーストラリア側との調整、回収手順の確認。見失うわけにはいかない。はやぶさ2が苦労して持ち帰ってくるのは生命誕生謎を解くカギの入った玉手箱である。コロナの影響で、現地入りするメンバーも絞らざるを得なかったそうだ▼夜空を走る火球、カプセル帰還の映像に胸が熱くなるのはどうしてだろう。孤独でひたむきな人物を重ねたくなる、はやぶさ2のけなげな「人柄」に加え、そこに携わる人間の努力や意志を火球の光の中に見ているのかもしれない▼「大人は凄いことをやっている。とんでもないことに挑戦し、面白い未来を作っている。未来には希望はしっかりあり、大人になることは楽しいことだ。そう子供たちん感じてほしい」。はやぶさ2の意味をプロジェクトマネージャー津田雄一さんが書いていた。そうか、あの火球は希望。泣けてくるわけである。(2020・12・7)

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「東京発ー北京行」夢物語りか!

 東海道新幹線の「のぞみ」「ひかり」号なら誰でも知っているでしょう。だが、「戦争中に、僕は『のぞみ』と『ひかり』という急行列車に何度も乗ったことがある」というと、みんな驚きます。  昭和の初期から終戦まで朝鮮(韓国)の釜山から平壌(北朝鮮=ピョンヤン)を経て旧満洲(現中国・東北部)の新京(長春)までニ泊三日かけて、異国の地を我が物顔でひた走った列車の愛称がそれです。、  明治以来、日本は軍隊や大量の軍需品、開発した物資をいち早く輸送するために国策会社(南満洲鉄道会社など)を設立。鉄道の敷設、流通に奔走した。しかし、戦後不幸にも南北の分断、冷戦、そしていまでもその経路は遮断されています。  しかし、もし南北の統一が果たされれば、ソウル発ピョンヤン経由で北京まで直行列車を走らせることができるでしょう。ぜひとも走らせたいものです。おぞましくも痛ましい拉致問題などの解決にはなお幾多の曲折があるでしょうが、いま望まれるのは対立を煽るのではなく、話し合いの積み重ね、相互の交流こそが大切なのではないでしょうか。実現不可能な遠い「夢物語り」かも知れないが、もし玄界灘に橋を架けるか、トンネルを掘ることができれば、東京発北京行きだって、いや、札幌発ロンドン行きだって可能かも知れません。愛称は「希望」「平和」。通過駅ごとにその国の言葉でネーミングしたらどうでしょう。(この稿は、2013年に書いたものに若干の手を加えた)

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原稿読むだけ どこかの首相 『東京新聞・筆洗』

 ある政治家が演説のコツについて書いている。大切なのは語り手の「まなざし」らしい▼どんなに大きな会場でも、小さな会場でも出席者すべての人間を個々にながめるよう努力するのだという。そうすることで人をひきつけ、自分もまた人からエネルギーをもらえるそうだ▼伝えたかったのは演説のコツではなく、政治家としてのコツかもしれない。群衆全体ではなく、ひとりひとりの顔を強く意識し、語りかける。書いているのは先日亡くなった、元フランス大統領のバレリー・ジスカールデスタンさんである。九十四歳▼現在のサミットにつながる先進国首脳会議を提唱したほか、欧州統合への下地づくりなど外交上の成果を残した。国内においては、女性の権利向上に取り組み、女性閣僚を積極的に起用した大統領でもある▼さて演説などで個々の顔を見るように努力した結果、その人にどんな効果があったか。恋に落ちたそうである。「七年間の大統領在任中、私はすべてのフランス女性に恋していた」。お国柄もあろうが、ここまで言い切れる政治家はいないだろう▼どこかの国の首相の記者会見を見た。うつむきがちなこの人の「まなざし」はだいたい手元の原稿用紙に向けられている。それを読み上げるばかりで、質問には正面から答えようとしない。見ている方は恋はおろか、大切に思われている気もあまりしない。(2020・12・6) 

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志位委員長中国を厳しく批判 『赤旗・潮流』

戦後75年にわたって対米従属国家の地位に甘んじているうちに、この国は「主権」を忘れてしまったのでしょうか▼「一部の真相をよく知らない日本の漁船が絶え間なく釣魚島(尖閣諸島)の周辺の敏感な水域に入っている。これに対して中国側はやむをえず必要な反応をしなければならない」。訪日した中国の王毅(おうき)外相と茂木敏充外相との共同記者会見(11月24日)での、王毅氏の発言が波紋を呼びました▼日本が実効支配している尖閣諸島を中国のものと決めつけ「日本側が勝手に侵入している。だから(中国公船が)対応しているのだ」という発言です▼主権国家に対する、これ以上の侮辱はありません。ところが茂木氏は、その場でこの発言に抗議せず、王毅氏の発言だけが記録に残ってしまったのです▼「驚くべき傲岸不遜(ごうがんふそん)な暴言だ。絶対に許してはならない」。日本共産党の志位和夫委員長は26日の記者会見で中国の対応を嚴しく批判。あわせて、「覇権主義にモノも言えない屈従外交でいいのか」と日本側の対応を批判すると、「よく言ってくれた」と、自民党内や、日ごろは右派的な論陣の人たちからも賛同の声が相次いでいます▼菅政権は米国・ロシア・中国という大国ににモノを言えない安倍前政権の「屈従外交」を継承する一方で「中国脅威」をあおって大軍拡の口実にしています。こんな姑息なことはもうやめて、だれに対しても、間違っていることは間違いだと主張する。そのことが、平和と友好への一歩になると言いたい。(2020・12・59

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見通し立たない無謀な運転 『赤旗・潮流」

人力や馬に頼らず、機械で走る車を人類が得たのは、今から250年前でした。フランスの蒸気自動車が始まりで、ガソリン車の誕生は、それから1世紀以上も後のことです▼明治の日本が国産のガソリン車を最初に完成させたのは1907年。製作者の名をとって吉田式と呼ばれる一方で、運転手がガタクリ、ガタクリ走ると言ったことから「タクリー号」のあだ名も(『自動車の世紀』)▼その後国内の自動車づくりは軍事と結びついて発達しますが、敗戦によって一変。ガソリンが統制されたことから電気自動車が開発され、実際に発売したメーカーも。それまでの流れを変える機会が戦後の日本にあったのです▼20世紀の主役となってきたガソリン車は気候変動によって、いま曲がり角にきています。英政府は2度も前倒し、2030年までにガソリンとディーゼルの新車販売を禁止すると発表。フランスや中国、米国やカナダの州の一部も年限を示して規制を強めるなど、脱ガソリンの動きは世界的にひろがっています▼出遅れる日本は、ようやく30年代半ばに禁止する方向で調整に入ったと伝えられます。しかしエコカーの開発・普及は進まず、昨年の新車販売の6割をガソリン、ディーゼル車が占めているのが現状です▼地球温暖化に対する政府や企業の危機意識の欠如や無責任さがここにも。これまで自動車を国の重要な基幹産業と位置づけておきながら、見通しが立たない無謀な運転をつづけるのか。先のない乗り合いはごめんです。(2020・12・4)

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いつも心はふるさと沖縄へ 『赤旗・潮流』

歩いているときは、何事にも束縛されない自由な時間。歩き旅は、たちどまり、シャッターを押したくなる場面にたくさん出合える。だから、楽しい・・・▼北海道の宗谷岬から沖縄まで3500㌔を80歳で踏破した報道カメラマンの石川文洋さん。一昨年の7月から11カ月をかけて歩き通した間に撮った3万5千枚もの写真。その中から厳選された120点が今月20日まで横浜の日本新聞博物館で展示されています▼列島の自然や人びとの営み、災害や公害の被災地、原発や基地のまち。20代のころから戦争や社会の矛盾に目を向け、記録し続けてきた文洋さんの写真は温かくも厳しい現実を映します。そしてどこにいても、いつも心はふるさと沖縄へ▼鹿児島からのフェリーで本部(もとぶ)港に近づいたとき、異様な光景が目に入りました。周囲の山が大きく削られ、白い山肌が無残に。採取された砂利は辺野古を埋めるために運ばれる。国策の名のもとに姿を変えられるのは、私たちの美しい湖だけではない、山も・・・▼埋め立てが始まってから、まもなく2年。コロナ禍にあっても、政府は見通しの立たない工事を強行しています。しかし、本紙1日付で報じたように土砂の投入はまだ全体の4%にも満たず、中止に追い込む不屈のたたかいも続いています▼生きているうちに基地のない平和な沖縄を取り戻したいという文洋さん。そのためにも、多くの人や次の世代に自分が見てきた光景を伝えたいと。決してあきらめない夢をかなえる旅は、これからも。(2020・12・3)

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中高年のひきこもり問題『赤旗・潮流』

優しいひびきにを感じます。「こもりびと」と言う言葉。ひきこもりのことを指します。神奈川県大和市が温かみのある呼び方をと名付けました。今や100万人を超えていると調査結果が出ています▼中でも増えているのは中高年のひきこもり。61万人を数えます。80代の親とともに50代の子が孤立していく「8050(はちまる。ごーまる)問題」が起きています。NHKが”こもりびと”と銘打って。ひきこもりを考える企画を展開しました▼中高年のひきこもりと切り離せないのは労働環境です。非正規の不安定雇用や失業、激しい競争。パワハラ。尊厳を傷つけるような実態がひきこもりの要因になっています。動けなくなり、部屋や家から出られなくなる。そんな状態が数年から30年、40年と続きます▼「ひきこもり死」という深刻な事態も生じています。親が施設に入所したり、亡くなるなどして、独りぽっちになり生きる気力を失い、食べることもなく衰弱して死に至るのです。全国の自治体によると、「ひきこもり死」の危険があると推定されるのは300件以上となっています▼自ら自治体に相談に来たのは15・6%、支援を断った例が72%という調査も。働いていない負い目を感じているからです。家族や行政が差し伸べられる手は・・・▼「おはよう」「ただいま」と日常で掛ける一言の大切さ。家や職場ではない、もう一つの居場所の確保も訴えられています。そして何より求められるのは、”自分を責めなくていい”社会の実現です。 (2020・2・2)

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