「東京発ー北京行」夢物語りか!

 東海道新幹線の「のぞみ」「ひかり」号なら誰でも知っているでしょう。だが、「戦争中に、僕は『のぞみ』と『ひかり』という急行列車に何度も乗ったことがある」というと、みんな驚きます。  昭和の初期から終戦まで朝鮮(韓国)の釜山から平壌(北朝鮮=ピョンヤン)を経て旧満洲(現中国・東北部)の新京(長春)までニ泊三日かけて、異国の地を我が物顔でひた走った列車の愛称がそれです。、  明治以来、日本は軍隊や大量の軍需品、開発した物資をいち早く輸送するために国策会社(南満洲鉄道会社など)を設立。鉄道の敷設、流通に奔走した。しかし、戦後不幸にも南北の分断、冷戦、そしていまでもその経路は遮断されています。  しかし、もし南北の統一が果たされれば、ソウル発ピョンヤン経由で北京まで直行列車を走らせることができるでしょう。ぜひとも走らせたいものです。おぞましくも痛ましい拉致問題などの解決にはなお幾多の曲折があるでしょうが、いま望まれるのは対立を煽るのではなく、話し合いの積み重ね、相互の交流こそが大切なのではないでしょうか。実現不可能な遠い「夢物語り」かも知れないが、もし玄界灘に橋を架けるか、トンネルを掘ることができれば、東京発北京行きだって、いや、札幌発ロンドン行きだって可能かも知れません。愛称は「希望」「平和」。通過駅ごとにその国の言葉でネーミングしたらどうでしょう。(この稿は、2013年に書いたものに若干の手を加えた)

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原稿読むだけ どこかの首相 『東京新聞・筆洗』

 ある政治家が演説のコツについて書いている。大切なのは語り手の「まなざし」らしい▼どんなに大きな会場でも、小さな会場でも出席者すべての人間を個々にながめるよう努力するのだという。そうすることで人をひきつけ、自分もまた人からエネルギーをもらえるそうだ▼伝えたかったのは演説のコツではなく、政治家としてのコツかもしれない。群衆全体ではなく、ひとりひとりの顔を強く意識し、語りかける。書いているのは先日亡くなった、元フランス大統領のバレリー・ジスカールデスタンさんである。九十四歳▼現在のサミットにつながる先進国首脳会議を提唱したほか、欧州統合への下地づくりなど外交上の成果を残した。国内においては、女性の権利向上に取り組み、女性閣僚を積極的に起用した大統領でもある▼さて演説などで個々の顔を見るように努力した結果、その人にどんな効果があったか。恋に落ちたそうである。「七年間の大統領在任中、私はすべてのフランス女性に恋していた」。お国柄もあろうが、ここまで言い切れる政治家はいないだろう▼どこかの国の首相の記者会見を見た。うつむきがちなこの人の「まなざし」はだいたい手元の原稿用紙に向けられている。それを読み上げるばかりで、質問には正面から答えようとしない。見ている方は恋はおろか、大切に思われている気もあまりしない。(2020・12・6) 

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志位委員長中国を厳しく批判 『赤旗・潮流』

戦後75年にわたって対米従属国家の地位に甘んじているうちに、この国は「主権」を忘れてしまったのでしょうか▼「一部の真相をよく知らない日本の漁船が絶え間なく釣魚島(尖閣諸島)の周辺の敏感な水域に入っている。これに対して中国側はやむをえず必要な反応をしなければならない」。訪日した中国の王毅(おうき)外相と茂木敏充外相との共同記者会見(11月24日)での、王毅氏の発言が波紋を呼びました▼日本が実効支配している尖閣諸島を中国のものと決めつけ「日本側が勝手に侵入している。だから(中国公船が)対応しているのだ」という発言です▼主権国家に対する、これ以上の侮辱はありません。ところが茂木氏は、その場でこの発言に抗議せず、王毅氏の発言だけが記録に残ってしまったのです▼「驚くべき傲岸不遜(ごうがんふそん)な暴言だ。絶対に許してはならない」。日本共産党の志位和夫委員長は26日の記者会見で中国の対応を嚴しく批判。あわせて、「覇権主義にモノも言えない屈従外交でいいのか」と日本側の対応を批判すると、「よく言ってくれた」と、自民党内や、日ごろは右派的な論陣の人たちからも賛同の声が相次いでいます▼菅政権は米国・ロシア・中国という大国ににモノを言えない安倍前政権の「屈従外交」を継承する一方で「中国脅威」をあおって大軍拡の口実にしています。こんな姑息なことはもうやめて、だれに対しても、間違っていることは間違いだと主張する。そのことが、平和と友好への一歩になると言いたい。(2020・12・59

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見通し立たない無謀な運転 『赤旗・潮流」

人力や馬に頼らず、機械で走る車を人類が得たのは、今から250年前でした。フランスの蒸気自動車が始まりで、ガソリン車の誕生は、それから1世紀以上も後のことです▼明治の日本が国産のガソリン車を最初に完成させたのは1907年。製作者の名をとって吉田式と呼ばれる一方で、運転手がガタクリ、ガタクリ走ると言ったことから「タクリー号」のあだ名も(『自動車の世紀』)▼その後国内の自動車づくりは軍事と結びついて発達しますが、敗戦によって一変。ガソリンが統制されたことから電気自動車が開発され、実際に発売したメーカーも。それまでの流れを変える機会が戦後の日本にあったのです▼20世紀の主役となってきたガソリン車は気候変動によって、いま曲がり角にきています。英政府は2度も前倒し、2030年までにガソリンとディーゼルの新車販売を禁止すると発表。フランスや中国、米国やカナダの州の一部も年限を示して規制を強めるなど、脱ガソリンの動きは世界的にひろがっています▼出遅れる日本は、ようやく30年代半ばに禁止する方向で調整に入ったと伝えられます。しかしエコカーの開発・普及は進まず、昨年の新車販売の6割をガソリン、ディーゼル車が占めているのが現状です▼地球温暖化に対する政府や企業の危機意識の欠如や無責任さがここにも。これまで自動車を国の重要な基幹産業と位置づけておきながら、見通しが立たない無謀な運転をつづけるのか。先のない乗り合いはごめんです。(2020・12・4)

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いつも心はふるさと沖縄へ 『赤旗・潮流』

歩いているときは、何事にも束縛されない自由な時間。歩き旅は、たちどまり、シャッターを押したくなる場面にたくさん出合える。だから、楽しい・・・▼北海道の宗谷岬から沖縄まで3500㌔を80歳で踏破した報道カメラマンの石川文洋さん。一昨年の7月から11カ月をかけて歩き通した間に撮った3万5千枚もの写真。その中から厳選された120点が今月20日まで横浜の日本新聞博物館で展示されています▼列島の自然や人びとの営み、災害や公害の被災地、原発や基地のまち。20代のころから戦争や社会の矛盾に目を向け、記録し続けてきた文洋さんの写真は温かくも厳しい現実を映します。そしてどこにいても、いつも心はふるさと沖縄へ▼鹿児島からのフェリーで本部(もとぶ)港に近づいたとき、異様な光景が目に入りました。周囲の山が大きく削られ、白い山肌が無残に。採取された砂利は辺野古を埋めるために運ばれる。国策の名のもとに姿を変えられるのは、私たちの美しい湖だけではない、山も・・・▼埋め立てが始まってから、まもなく2年。コロナ禍にあっても、政府は見通しの立たない工事を強行しています。しかし、本紙1日付で報じたように土砂の投入はまだ全体の4%にも満たず、中止に追い込む不屈のたたかいも続いています▼生きているうちに基地のない平和な沖縄を取り戻したいという文洋さん。そのためにも、多くの人や次の世代に自分が見てきた光景を伝えたいと。決してあきらめない夢をかなえる旅は、これからも。(2020・12・3)

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中高年のひきこもり問題『赤旗・潮流』

優しいひびきにを感じます。「こもりびと」と言う言葉。ひきこもりのことを指します。神奈川県大和市が温かみのある呼び方をと名付けました。今や100万人を超えていると調査結果が出ています▼中でも増えているのは中高年のひきこもり。61万人を数えます。80代の親とともに50代の子が孤立していく「8050(はちまる。ごーまる)問題」が起きています。NHKが”こもりびと”と銘打って。ひきこもりを考える企画を展開しました▼中高年のひきこもりと切り離せないのは労働環境です。非正規の不安定雇用や失業、激しい競争。パワハラ。尊厳を傷つけるような実態がひきこもりの要因になっています。動けなくなり、部屋や家から出られなくなる。そんな状態が数年から30年、40年と続きます▼「ひきこもり死」という深刻な事態も生じています。親が施設に入所したり、亡くなるなどして、独りぽっちになり生きる気力を失い、食べることもなく衰弱して死に至るのです。全国の自治体によると、「ひきこもり死」の危険があると推定されるのは300件以上となっています▼自ら自治体に相談に来たのは15・6%、支援を断った例が72%という調査も。働いていない負い目を感じているからです。家族や行政が差し伸べられる手は・・・▼「おはよう」「ただいま」と日常で掛ける一言の大切さ。家や職場ではない、もう一つの居場所の確保も訴えられています。そして何より求められるのは、”自分を責めなくていい”社会の実現です。 (2020・2・2)

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「一陽来復」の文字入れたい 『赤旗・潮流』

はや師走。いつもなら、ゆく年を追いかけながら、くる年を望むとき。しかし、今年はコロナ禍で社会のありさまが一変。面持ちの異なる年がわりです▼賀状づくりをうけおう業者からこんな話を聞きました。疫病払いの妖怪アマエビをあしらう、悪いことが続いた後に運が開くという意味もある一陽来復の文字を入れたい。今年はそういう注文が多く、それとともに、終活を告げる人が例年よりも増えていると▼「このままでは年を越せない」。仕事が激減した中小業者や客が遠のいた飲食店の訴えです。「生活が立ち行かない」。なりわいを奪われた女性や若者の叫びです。政治の支援が届かず、苦境に陥る人びとは後を絶ちません▼この期に及んで国や都は東京五輪・パラリンピックの追加経費に数千億円を負担しようとしています。すでに1兆3500億円までふくらんだ大会経費も組織委員会を含めた3者で負うことになっていますが、みたび感染の波が押し寄せている状況下でさらなる出費とは▼いったいこの国の政権はどちらを向いているのか。ただなりゆきに任せているだけなのか。くらしや営みを守り、医療や検査体制を支える。そのための対策を求め、現実に政治を動かしていうのは市民や野党の声です▼恒例の今年の漢字には禍や病、疫を予想する人が多いといいます。ウイルスがもたらした未曾有を映していますが、世には禍い転じて福となすという教えも。ここは危機をのりこえ、新しい政治や社会を築く「望」としたい。(2020・12・1)

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2020年の英単語の一つ 『東京新聞・筆洗』

 「KAREN」(カレン)という女性の名前を聞いて、悪いイメージを抱く日本人はあまりいないだろう▼世代によっては兄妹デュオのカーペンターズのカレン・カーペンターの美しい歌声を思い出すかもしれぬ。あるいは大滝詠一さんの「恋するカレン」を口ずさむか。日本語の「可憐」(かれん)と言う言葉を連想する人もいるだろう▼「カレン」の名前も2020年の英単語の一つに選ばれたそうだ。毎年、その年を象徴する単語を選ぶ英国オックスフオード辞典の「今年の言葉」である▼一つの言葉が選ばれるのが通例だが、今年はコロナ関連などの新語も抱負で、複数が選ばれた。「パンデミック」「ロックダウン」「BLM](ブラック・ライブズ・マター=黒人の命は大切)とともに選ばれた、「カレン」とはいったい誰のことだろうか▼特定の人物ではなく、自分本位で人を見下すような差別的な白人女性の総称だそうだ。米国で今年、犬にリードをつけてと頼んだ黒人男性に腹を立て、暴力を振るわれたと虚偽の通報をし、その後、大問題になった女性がいたが、こういうタイプの女性のイメージらしい▼語源はよく分からない。世界中のカレンさんには迷惑な話で、同情を禁じ得ないが、人々が鼻持ちならない言動を慎む同期にはなるかもしれない。誰だって、自分の大切な名前で不名誉な流行語なんぞ作られたくはない。(2020・11・30)

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「滝川事件」そっくりだ 『赤旗・潮流』

菅首相による日本学術会議の会員任命拒否は「学問の自由」を奪ったことで知られる戦前の「滝川事件」(1933年)とそっくりだと国会でも取り上げられました▼滝川事件は、京都帝国大学の滝川幸辰(ゆきとき)教授の書いたものをマルクス主義、危険思想だと決めつけ、文部大臣が「求職」=解職を押し付けた思想弾圧です。ねらいは、当時の斎藤実首相みずから、大学の「人事行政」の実験を文相が握ることにあると明かしています▼この暴挙に、戦前最大で最後といわれる学生運動がおこりました。東大では、当局と警察の取り締まりの中、『大学の自治、学問研究の自由擁護』『滝川教授の復職、文相の辞職』を求めて立ち上がりました▼運動の頂点は、6月の法学・経済・文学部の合同学生大会です。美濃部達吉の憲法学の講義に700人の学生が集まり、学生大会に切り替えました。その外では2000人が見守ったといいます▼多くの学生たちは歴史の分岐点だと感じ取っていました。回想集『私たちの瀧川事件』で藤本武氏は、「大きな戦争準備のための小手調べであることを鋭く本能的に嗅ぎとっていた」と書きました▼共産青年同盟(共青)東大細胞の50人近い同盟員が、運動の推進力だったことも明らかになりました。侵略戦争・ファシズム阻止の防波堤になろうと「『赤旗』(せっき)を読み、自分たちの頭で考え、経験の蓄積はなかったが、協力共同して活動した」。指導者の一人で、戦後民商の創設に参加した佐々木恵真氏の回想です。(2020・11・28)

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ロマンあふれる未来を展望 『赤旗・潮流』

いまでもロマンチックだとお考えかー。先日の志位委員長の記者会見でこんな質問が出ました。20年前、委員長に就いたときの発言を念頭に聞いたものです▼「日本共産党という名前は、ロマンチックな人類史的名前だというふうに考えていて、大いにロマンある雄大な名前として大事に使っていきたい」。当時のCS放送でそう語っていた志位さん。資本主義で人類の歴史を閉じ込めてしまうようなそういう歴史観に私たちはたっていないとも▼いまも考えに変わりはなく、共産主義というのはひとことでいえば「人間の自由。人間の解放」だと答えていました。労働時間の短縮がもたらす、すべての人間の能力の開花。それが大きな力になって社会全体が発展していく。そんな未来を展望することはロマンにあふれていると▼感染症の世界的な爆発を表すパンデミック。いまそれを、人類史の大きな転換期として位置づける学者や識者は多い▼グローバル化した資本主義や、目先の利益ばかりを追い求める新自由主義の終わり。コロナ危機を人類の進歩の機会ととらえ、新しい社会像を示すことは先の見えない不安のただなかにいる私たちに勇気と希望を与えてくれます▼感染対策とともに、いま国のリーダーには、考え方やめざす理想を発することも求められているはず、なにも語れない首相が居座る日本は不幸です。このやっかいなウイルスによる分断のなかで人類はどんな世界に向かうべきなのか。キーワードとなるのは、自由と連帯です。(2020・11・29)

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「釣りキチ三平」の矢口高雄さん 『赤旗・潮流』

「秋田県の山奥にあった中学。懐かしくも楽しかったあの時代を漫画エッセーとして描きたい」。「釣りキチ三平」で人気を不動のものにしていた矢口高雄さんに、赤旗日曜版編集部の漫画担当者として、連載をお願いした時の構想です▼矢口さんは「ボクの作風では2ページ10段は必要だ」とも。題名は、♪蛍の光 窓の雪 ふみ読む月日・・・と重ねた「螢雪時代」です。1991年2月24日号から2年半続けた連載は、単行本となり代表作に▼突然の訃報は次女のツイッターで知りました。「ことし5月に膵臓がんが見つかり、約半年病気と闘っていました。すごく辛くて苦しかったはずだけど、涙も見せず頑張りました」と▼野山や小川で遊び、手塚治虫にあこがれる漫画少年でした。地元銀行をやめ30祭で上京し漫画家をめざすいきさつについで「自由に、自分の思ったことを堂々とコメントできるような人間になりたいとの思いもあっリ、『ボクには漫画がある』と辞表を出した」と日曜版のインタビューで答えています▼「漫画は芸術」が持論。卓越した画力や構成力で「自然派」という漫画世界を確立。イワナ棲む清流や豊かな森林を破壊する開発を止める環境問題の公園も増えたと▼散逸する漫画家の原画の保全にも尽力しました。故郷・横手市の「まんが美術館」には40万以上の原画を所蔵。いまの「鬼滅の刃」ブームに至る漫画芸術の土台を狙った矢口さん。次女の言葉にならい「ありがとうございます。そして、お疲れさまでした」。(2020・11・27)

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安倍政権の国会での虚偽答弁 『赤旗・潮流』

事実=ゼロ・エンマ大王、事実と認めるには不確かな要素がある=1エンマ、発言に根拠はあるものの必ずしも事実ではない=2エンマ、事実ではない=3エンマ、真っ赤なうそ=4エンマ▼ファクトチエックにとりくむNPO法人がその度合を、うそをついた人の舌を抜く地獄の大王の顔で示したものです。政治家の発言や情報の真偽を検証する動きは米国で先行し日本ではまだ新しい▼この人は4エンマがふさわしいか。「桜を見る会」の前夜祭についての安倍前首相の国会答弁がことごとく、うそだったことが明らかになりました費用は参加者の自己負担、安倍事務所や後援会としての収入や支出は一切ない、ホテル側の明細書もない・・・。そのすべてが関係者の証言でくつがえりました▼国民にたいし虚偽説明をくり返したことに加え法違反にもあたり、議員資格も問われる事態。森友学園をめぐる財務省の公文書改ざん問題でも、安倍政権が事実と異なる答弁を139回もしていたことが衆院調査局の調べでわかりました▼首相が数々の疑惑にまみれ、事実を全体でごまかし、虚偽を押し通した前政権。要の官房長官として偽りを垂れ流してきた菅首相の責任も思い。それに加担した面々が閣僚席に居座る現政権▼インターネットの普及とともに昨今はフェイクニュースもひろがります。そのなかで事実を大事にする社会づくりは民主主義を根づかせることにもつながるでしょう。権力のうそを見破るのはエンマの役割ではなく市民です。(2020・11・

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「民主主義は行動である」 『赤旗・潮流』

自分は生まれてからほとんどいつも何かしらとたたかっていた。自由のため、平等のため、基本的人権のために。いまそれは若い世代に引き継がれている・・・▼今年7月に80歳で亡くなった米下院議員ジョン・ルイスさんは公民権運動の闘士でした。非暴力の学生組織の委員長を努め多くの運動に参加。1963年のワシントン大行進では23歳の最年少演説者として「目覚めよ、アメリカ。私たちはもう待てない」と訴えました▼頭の骨を折られたアラバマ州セルマのデモ行進。「血の日曜日」といわれ、警察の激しい暴行が暴かれたことは、後の投票権法の成立を後おししました。彼の道のりは全米図書館(児童文学部門)を受けたコミック『MARCH』に描かれ、次世代の手にとられています▼人びとを「ブラック・ライブズ・マター(黒人命は大切)」運動に立ち上がらせたジョージ・フロイドさんの死から半年。いまも新たな目覚めをもとめる声は米国をはじめ世界でも▼初の女性副大統領となるカマラ・ハリスさんは、勝利演説のなかで民主党の大先輩でもあるルイスさんの言葉を引いて呼びかけました。「民主主義は状態ではなく、行動である」▼自由と平等と正義をかちとる未完のたたかい。闘病の最後の日々でさえ。それを受け継ぐ若者たちを励ましていたというルイスさん。「あきらめてはいけない、絶望してもいけない。知識と勇気をもって」。苦難をのりこえてきた先人のマーチ。それは歴史が進むことを教えてくれます。(2020・11・25)

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「未来のために過去がある」 『赤旗・潮流』

鴨川のほとりで古都の歴史を刻んできた上賀茂神社。そこである戦国武将の書状が特別公開されています。達筆で均整がとれた文体からはイメージと異なる姿が浮かんできます▼織田信長を討った5日後に出したとされる明智光秀の文書。当神社の領内で乱暴や放火、軍用金や兵糧米を徴収することを軍勢に禁じた禁制です。乱の直後に神社が光秀に銭を贈った記録もあり、当時の緊迫した様子が伝わります▼今年の大河ドラマの主人公でもある光秀。これまで謀反人や逆賊といった悪者の印象が強かったですが、研究がすすみ見直されています。教養高く医学にも通じ、足利将軍家に重用された。礼儀正しく部下思い、領民からの評判も上々。そんな人物像がみえてきました▼光秀といえば日本史最大の謎の一つとされる本能寺の変です。怨恨(えんこん)や野望、単独や黒幕、信長の暴走阻止や四国問題・・・。さまざまな説がとりあげられてきましたが、どれも決め手を欠き、いくつもの動機が重なったと説く史家も▼戦国の時代は英雄扱いされてきた信長。秀吉、家康の天下取りを中心に描かれてきました。しかしその周りの人々や民との関係にも視野をひろげ、何を導き出すか。歴史の大事な検証でしょう▼光秀を特集した雑誌『現代思想』の対談のなかでドラマの時代考証を努めた小和田哲男さんが語っていました。「歴史は鏡。そこに過去を映して未来を照らす。未来のために過去がある。その過去を明らかにせずに未来の指針をつくることはできない」(2020・11・24)

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「柳美里さんの希望の物語」 『赤旗・潮流』

「私は在日韓国人として最下層で育ち、日本にも韓国にもどちらにも属せないという立場にあります。ですから一貫して、居場所のない人のために書いていきたいと思っています▼2014年の春、小説『JR上の駅公園口』を出版した柳美里(ゆうみり)さんにインタビューした時、こう切り出されことを覚えています。痛みのこもった言葉でした▼出稼ぎを繰り返した末にホームレスとなった福島県出身の男を主人公に、敗戦から原発事故に至る日本社会のゆがみと差別構造を描き切った渾身の作。19日、アメリカで最も権威のある文学賞の一つ、全米図書賞(翻訳文学部門)を受賞しました▼柳さんが本紙文化面に連載エッセー「南相馬 柳美里が出会う」を始めたのは、鎌倉から福島県南相馬市に移住した直後の2015年6月でした。喪失の苦しみのただ中でも。為(な)すべきことを為して生きる被災地の人たちの姿を3年間にわたって伝えてくれました▼そんな人たちと共にある暮らしの中で柳さんは「矛盾をはらむ日々を一つ一つの問題に対処しながら、丹念に生きる貴さを学んだ」と語っていました。作家生活30周年の2016年、出版した小説『ねこのおうち』が南相馬の書店でベストセラーになり、立て看板に「南相馬在住作家の最新作」と書かれた時には、その新しい肩書が誇らしい▼そして、この地に人々の交流と創造の場を取り戻すため、本屋と劇場を作りました。確かな居場をを築いた柳さんの希望の物語はここから始まるのでしょう。(2020・11・23) 

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「神よりほかに知る者がない」 『赤旗・潮流』

罪に問われる死の宣告を受けた古代の哲学者は、こう言い残しました。「去るべき時が来た。私は死ぬために、諸君は生きつづけるために。しかし、どちらがよりよき運命に出あうか。それは神よりほかに知る者がない」▼プラトンが配した『ソクラテスの弁明』の最後の一節は「神のみぞ知る・・・」。コロナ対策を担う西村担当相の発言です▼いまの政府の無策ぶりを象徴する無責任さ。第3波が襲い全国で感染がひろがっているのに、呼びかけるのは会食の仕方ばかり。やれマスクをしてだの、静かに食べてだの。そんなことしか発信できないのか▼ようやく「Go To」事業の見直しを言いだしましたが、行楽シーズンの連休で人出は各地に。これまで散々あおっておきながら、はしごを外された不信感が募る人も多い▼ここにきて中高年層への感染が増え、医療現場は緊迫しています。病床や人員、検査体制をどう確保するか。そうした支援に尽力するわけでもなければ、感染を抑え込む戦略もみえない。国民のために何をなすべきか、根本となる考えがないからでしょう▼知らないことを自覚するー。ソクラテスは「無知の知」を己の哲学の出発点としました。それは、ただ生きるのではなく、より良く生きるための指針でもあったといいます。そんな人類の知恵や教訓を説いたところで、恥を知らない政権いは響かないか。(2020・11・22) 【注】ソクラテス

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その頃はもうペーパーレス時代かも

 東京新聞の「発言欄」に「卒様式に『海ゆかば』を歌った」と題して投稿したら掲載され、謝礼として「図書券(1000円)」が送られてきた。よくよく見ると、有効期限は2032年12月31日と書いてある。小生、1932年生まれだから、最終年に本を購入すると100歳になっている。「ウーン」とうなっていたら、横合いから息子が「100までがんばれ、ということだよ! でもそのころはもうペーパーレス時代かもな」と口をはさんで笑った。

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コロナ禍の中で子どもたちは 『赤旗・潮流』

コロナ禍の中で子どもたちはどんな状態に置かれ、どんな支援が求められているのか・・・。埼玉県で生活困窮世帯の子どもへの支援をしている「彩の国子ども・若者支援ネットワーク」の白鳥勲さんが、さいたま教育文化研究所発行の雑誌に経験を書いています▼同ネットワークは県内の貧困世帯の小・中・高校生に対し、無料の学習教室の運営、家庭訪問、食事の提供などで支援をしています。3月からの休校時は学習教室も開けなくなりました。そこで97人の常駐スタッフが手分けをし、支援対象の1500世帯に週1回、電話をしました▼給食がなくなって1日1食しか食べていない。学校から出された課題ができず教えてくれるおとなもいない。昼夜逆転や家庭内暴力、引きこもりも。そんな深刻な実態がわかりました▼スタッフが感染対策をしっかりとって訪問し、弁当を届けたり、一緒に課題をやったりしました。家に閉じこもっていた子どもとは散歩やドッジボールをしました▼保護者や子どもからは大いに喜ばれました。白鳥さんは「明らかになったことはこのような災難があったときに犠牲になるのは社会的弱者だということ」とつづっています▼再開した学校では、遅れた分を取り戻そうと授業がとても早く進み、ついていけない子が多くなっていると白鳥さんはいいます。学習教室に来る子どもたちに丁寧に教えると同時に、「わからないときに聞く力をつけたい」と取り組んでいます。弱者に寄り添った貴重な活動です。(2020・11・20)

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「ノーベル平和賞受賞の誤謬」 『東京新聞・筆洗』

 古代ユダヤの学校では、一年生を「賢者」と読んだそうだ。二年目には「哲学者」、最終学年の三年生で「学生」と呼ばれる▼賢さをたたえられても本当に尊敬されるには、その先が大切で、謙虚に学び続けることを知らなければならない。呼び名にはそんな戒めが込められていたようだ。マービン・トケィヤー著『ユダヤ処世術』にある▼エチオピアのアビー首相は、就任わずか一年あまりで2019年のノーベル平和賞受賞に選ばれた。「新星」「希望」などと呼ばれた人である。どうやら、国際社会から尊敬され続けることには成功していないようだ。受賞から一年のいま、「失望」も聞かれる▼41歳で首相になると、隣国エリトリアとの長かった紛争を集結に導いている。ノーベル平和賞授賞式の誇らしそうな笑顔は印象的だった。だが平和は維持することも難しかった。今度は連邦政府と北部ティグレ州政府の軍事衝突が激化する。双方が避難し合っている。アビー氏は空爆に踏み切った。民間人に犠牲者も出ているようで、先行きが心配である▼アビー氏に対しての苦言に違いない。平和賞を贈ることを決めたノーベル賞委員会が数日前、平和的手段での解決を求める異例の声明を出した▼欧州メディアからは、平和賞は「早すぎた」の声もあがっている。ノーベル賞級の努力が、いま一度求められているだろう。(2020・11・20)

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「福島の今を伝えます」 東京新聞・片山夏子記者

 東京新聞福島特別支局の支局長に、特報部の片山夏子記者=写真=が八月一日付で就任しました。片山新支局長は「事故から十年。福島で生活できることはうれしいです。住んでみないと分からないことがたくさんあると感じています。所信に返って取材したいです」と抱負を語っています。  片山記者は、現場の最前線で収束作業に取り組む原発作業員の取材を続け、2011年八月から124回にわたって「福島作業員日誌」を掲載、直接取材が難しい作業員に粘り強く接触、連載では新型コロナウイルス感染拡大の影響で防護服が不足する現状、最前線で働く現場の過酷さ、離れて暮らす家族への思いなどを赤裸々に伝え、読者の強い支持を得ています。

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