沖縄、東京大空襲、九条を詩って50年 永井和子

1934年、大阪に生まれ、東京で青春を過ごし、札幌で詩作にいよいよ励んだ詩人の永井和子。その中で喜びと悲しみ、哀しさを身に刻み、そして怒りを燃やし、東京大空襲、沖縄に思いを寄せ、憲法9条を謳い続けた詩人・永井和子。昨7月8日他界した。関わりのある一人としてブログでその業績を讃えたい。    永井和子さんのこと    青木みつお   永井さんが今夏亡くなったという。しばらく前から治療中との報に接していたが、さみしいことです。わたしより四年年上だが、まだ亡くなるのは早い。もう一仕事してほしかった。  永井さんの最初の詩集は『ロ号33番』で、1965年刊である。書名は当時住んでいた江東区内の集合住宅の住居番号とのこと。そこは戦前に建った鉄筋コンクリートの文化住宅で、トイレは水洗だった。一家は夫、男児、女児の四人暮らしだった。「詩都」の前身といってもいい「詩の本」の時代のメンバーで一緒に詩のサークル運動をしていた。一度彼女の家で会合した時、中華料理を出してくれた。子どもさんは可愛い盛りだった。   1966年、『沖縄詩集』を出版し、彼女の家庭人としてのういういしい叙情から、社会的テーマに向った。積極性を明らかにした作品群だった。確か「小指の痛み」が『赤旗』に掲載されたのであった。返還前の沖縄に向けて会場デモにも参加していた。夫君の仕事の関係で、コピーの壁詩を次々発表し、知人たちに送りつけていた。   1971年 『約束』出版   1974年 『続沖縄詩集』出版   197…

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憲法を詩う 永井和子

北海道札幌に住む詩人・永井和子さんが2007年5月3日、詩の小冊子『憲法を詩(うた)う」を発刊しました。当時「改憲の強引な動きにせかされて50編の短詩にしたものを集めた」といいます。すでに本ブログでは紹介済みですが ここに集約して紹介します。どうぞお読みください。⇒http://www.nagai-yoshi.jp   詩の冊子 『憲法を詩(うた)う』 永井和子著

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憲法を詩(うた)う -終ー

詩の冊子・「憲法を詩(うた)う」の最終ページには神野和博作曲による「I LOVE 憲法 I WANT PEACE」が掲載されています。各種の集会で合唱され好評を博しています。    I LOVE 憲法 I WANT PEACE  永井和子作詩 神野和博作曲 (クリックしてください)   I LOVE 憲法 I WANT PEACE   I LOVE 憲法 I WANT PEACE   I LOVE 憲法 I WANT PEACE   吹雪に凍える指だけど あなたに手渡す ビラひとつ 焼け野原から起ちあがり 平和築いた 六十年 くっきり きざんだ憲法九条 熱い思いを伝えたい I LOVE 憲法 I WANT PEACE 暑さにはじける道だけど ポストに入れる ビラひとつ 殺された命 三百万 殺した命 二千万 重く しるした 憲法九条 燃える想いを伝えたい I LOVE 憲法 I WANT PEACE 老いた指から若い手に しっかり手渡す ビラひとつ 世界のねがいをきみの手に 戦争しない 六十年 戦力 棄てた 憲法九条 守る想いを伝えたい I LOVE 憲法 I WANT PEACE  WE LOVE 憲法 WE WANT PEACE WE LOVE 憲法 WE WANT PEACE WE LOVE 憲法 WE WANT PEACE 左CDは2005年12月3日、沖縄・那覇で開かれた「永井和…

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憲法を詩(うた)う -17-

鳥の歌(とりのうた)-パブロ・カザルスの編曲・演奏によるカタルーニヤ民謡。原曲はカザルスの故郷スペイン・カタルーニヤのクリスマス・キャロル。1971年、世界国際平和デーに国連本部で演奏され全世界にながされた。鳥が「平和」とさえずるように演奏されることで有名、情感豊かな平和を求める歌。   鳥の歌 (クリックしてください)     ~カタルーニヤ民謡より  カザルス編曲 永井和子詩    空高く   歌え 鳥たち   歌えよ よろこびを   ひかりかがやく   いのちの歌を            愛(いと)しき鳥たちよ         この地球(ほし)から嘆きの声      消え去れ 永遠(とわ)に         平和の歌ごえ ひびかせよ   われらのために      カタルーニヤ地方

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憲法を詩(うた)う -16-

愛国心 列島改造のツケが回って/薩摩川内町、さつま町、長野もズダボロだ/柱四本残っていれば適用されない住宅補助/こんなときにグアムへ引っ越す海兵隊に/八千万円の住宅を建ててやる/コイズミくん、あんたが要求する/愛国心はどこの国なのかね?   制服 永井和子  警官と軍人 そして鉄道駅員が着ていた  郵便局員、宅急便、ビルの清掃業者  マックやケンタッキイの店員はお仕着せ  制服は「普通の人」と違うぞという目印  今は、制服のない学校がふえた  眼が、稚ない心を狙っている   ビラ配布受難  郵便受けを開ければなだれ落ちるビラの山  新築マンション  金貸します、ビラバイト募集  町を流れるひそひそ話  ビラを配ると逮捕されるそうな  ウムを言わさず引っ立てられて  おかげで拘置所は満員御礼  待機者は老人ホームと保育所だけと思っていたが   共謀罪  消費税まで値上げじゃ生きていけないね  井戸端会議でワイワイやっていたら  警察にタイホされて留置所、鉄格子の中  ジタバタしてもがいたら夢だった  ほっとしてカーテンを引いたら  窓の外、はりめぐされた鉄格子  私たちの夢を全部閉じ込めて・・ 〔余聞〕写真左は沖縄の瀟洒な米軍住宅。これがグアムに移転するのか?費用は日本もち、いたれりつくせり。  

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憲法を詩(うた)う -15-

黄金色の蝶 基地のなかに並び立つ ポプラの樹よ/あさみどりの春をむかえ/青嵐の夏をすごし いまは黄金色の秋/飛びたて 黄金色の蝶になり/にび色の戦車を阻め/死の匂いはこぶヘリコプターの翼を折れ/キラキラと 春を待ついのちの芽を守れ   戦争へ走る男たち 永井和子  朝の七時 洗濯物を干しながら  見下ろす道路にグリーンベレー  アメリカの海兵隊を真似た男たち数十人  自転車で走りすぎていく  いつのまに、こんなにふえたのか  堂々と戦争へ向かう人間の群れ  銀輪で私たちの暮らし圧しつぶしながら   もし・・  もし北朝鮮が、中国が、戦争しかけてきたら  守ってくれる軍隊が要るじゃないか  米軍基地も必要じゃないか  イラクで人殺しにい忙しい米軍も自衛隊も  とんで来てくれるはず・・もしもし、もしもし・・  こちら防衛庁・・国民からの電話は  非通知設定になっております   鴨  年によって精進川の川辺で冬を越す  鴨たちの数が変わる  鴨だって安全な場所は自分で選ぶ  日本の未来を決めるのは  日本に生まれて生きる私たちの仕事  新憲法草案だの国民投票法案だのと  勝手に決めないでくれ 〔蛇足〕筆者の住む北海道・札幌市南区には自衛隊の真駒内基地がある。秋になれば近辺のポプラ並木が色ずき心を癒してくれる。だが時折、垣間見える迷彩服の隊員に目をやれば「キッ」となるにちがいない。   <連絡先> 永井和子ー札幌市南区澄…

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憲法を詩(うた)う -14-

やさしさ~郡山総一郎さんの取材から まわりに散乱する家屋の残骸/欠けた食器や潮水にし浸った衣服を拾っている女性/十二カ国で十五万人を超えそうな死者/自然の楽園が一瞬に津波に呑まれた/タイのプーケットで声をかけたら/貧しい食事を差し出して言った/「ごはん、食べたか?」(永井和子・詩)   二つの視線 我々を殺しているアメリカの仲間だと イラクの市民は見つめている サマワに来た自衛隊員を タイの人々も見つめている 助けに来てくれた日本人だと 正反対の二つの視線を持ち帰って いま、基地のなかで憲法論議が始まっている   イラク「支援」 自衛隊がイラクへ行った サマワでイラク市民を支援すると出かけた 真駒内基地のなかでは 無差別の市民殺りく市街戦の訓練 「支援」というのは 暮らしの土台を支えることじゃなかったけ 自衛隊じゃ 土台ムリムリ   ニセアカシアの白い雨が 今年、自衛隊真駒内基地をかこむニセアカシアは 真っ赤な雨を降らせている アメリカの爆撃で殺された子どもたちの 検問所で撃たれたイタリア人記者の 身体から噴き出した真っ赤な血 迷彩服に身を包んだ隊員が 毎朝、営門の赤い雨をはき集めている 郡山総一郎 こおりやま・そういちろう 1971年11月宮崎県生まれ。フォトジャーナリスト。2001年「イスラエルの現実」で、よみうり写真大賞奨励賞。04年4月、イラク取材中に拘束され9日後に解放される。   郡山さん語録 「アメ…

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憲法を詩(うた)う -13-

泪雪ー今年の雪は重くてじっとり湿っているよ/空から落ちてくるあいだに/壊されている命の泪を吸い取っているんだね/さらわれて殺された少女や/台風や地震で死んだ人たちの/ことにも無抵抗で撃ち殺されていく/ファルージャの人々の泪を     問いかけ  焼かれているのはあなたの家  射たれているのはあなた自身  血を流し怯えた目でみつめているのは  あなたの子ども  それでも あなたは銃を向けるのだろうか  あなたの未来にむけて  世界中の願いにそむいて     ブッシュの自由  ニューヨークのど真ん中で  四百九十人の黒人奴隷の遺体が見つかった  二百年前の銀行では貸付利子に  黒人奴隷を受け入れていたという  ひなんとの声と抗議のデモ  いまもイラクに死体の山を築いている  ブッシュの「自由」の原点     毛布が欲しいです  ファルージャの父親が言った  砂漠といっても夜は零度以下に冷え込む  台所は破壊されて燃料も無い  それだからではない  ブッシュの掃討作戦で積み重なる屍  遺体はは毛布に包んで埋葬するしきたり  「毛布が足りないんです」 ●永井和子の詩暦ー1960年・処女詩集『伊佐奈・伊佐女物語』製作。1969年・『沖縄詩集』発行。詩人として生きはじめる。以降現在まで発行詩集32冊(共著含む)。近刊は沖縄三部作詩文集『歌ってよわたしの詩たち』『歌えジュゴン海の輝きを』『先島アイ歌』『憲法を詩う』『さらに熱く憲法を詩…

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憲法を詩(うた)う -12-

テロは突然やってくる*気持ちよく晴れた朝 散歩に出た/ふきのとうは伸びきってタンポポは白い綿毛/アカツメクサの花をみつけた/泥色のトラックに若い自衛隊員の顔が見えた/銀鈴草を欲しがっていた友人に/まだ咲いていなかったよとケイタイをにぎった/その瞬間、隊員の銃口が私に向かって火を噴いた   鯉よさかのぼれ  子どもらがつくった色とりどりの鯉が  横一列にならんで精進川を泳いでいく  いのちつながる平和の春を吸い込んで  鯉たちよ  未来を信じてさかのぼっていけ  君が代は歌うな  きみたちの未来を閉ざす歌は歌うな   戦争がやってくるとき  予報のサイレンが鳴るわけではない  善良な市民のふりして  ボランテイアの帽子などで顔を隠して  いつのまにか隣にいる  お天気のことでも話すように  「もう始まったことですから」  と言う   軍隊の仕事  アメリカの砲撃におびえて三歳の子が泣いたとき  殺せ!と銃をむけたのは大日本帝国軍隊の兵隊  兵隊の命令は天皇の命令  天皇の命令にそむくのは非国民  自衛隊を軍隊に書き換えたい日本政府  その軍隊に命令するのはアメリカ  軍隊が銃を向けるのはいつの時代も国民  ▼ hana300より アカツメクサ  

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憲法を詩(うた)う -11-

わたしが子どもだった頃/日本は戦争をしていた/おとなたちはみな/カーキ色の愛国心を身にまとい/国家に捧げた脚にゲートルを巻いて歩いた□わたしが子どもだった頃/日本は戦争をしていた/小学校は国民学校に名前を変え/天皇のために命をささげる/小国民を育てていた    世界中の子どもたちに憲法九条の輝きをください   わたしが子どもだった頃   日本は戦争をしていた   日の丸の旗がアジアや朝鮮半島や   満州大陸にひるがえり   君が代がそれらの国の国家になった   わたしが子どもだった頃   日本は戦争をしていた   教育勅語を暗記できない子は非国民だった   隣組はすべての市民を監視する目だった   マスコミは嘘のニュースしか流さなかった   わたしが子どもだった頃   日本は戦争をしていた   町は明かりを許されず   アメリカの空襲にそなえて   服を着たまま眠る夜がつづいた   わたしが子どもだった頃   それでも日本は戦争をつづけていた   日本中が飢えて南の島では兵隊が餓死した   軍隊は住民の口から食料を奪った   兵隊の骨は紙切れになって還ってきた   わたしが子どもだった頃   それでも日本は戦争をしていた   天皇は空襲警報を止めてねむり   下町のすべてが焼きつくされるのを見捨てた   八月六日のヒロシマ九日のナガサキも   わたしが子どもだった頃   侵略戦争に反対して殺された人たちがいた  …

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憲法を詩(うた)う -10-

黒い御影石に刻まれた名前が/幾重にも並んで太陽にまぶしい/三カ月にもおよぶ沖縄戦で喪われた名前/殺された人、自死した人、飢えた人/確認されるたびに新しく付け加えられる名前/この哀しい列にまたもや名前をふやそうとと言うのか/給水活動も不要になったイラクに残る自衛隊ーまだ名前を刻むのかーまだ名前をきざむのか    波きり 水切り      永井和子      波きり、水切り   小石を飛ばす   真昼の海辺の青い石   飛べ 飛べ 小石 飛んでいけ   辺野古の海を跳んでいけ   島を壊す基地の根っこ   叩き潰して 飛んでいけ    税金が食い荒らされる   真っ黒なハゲタカF22十二機   嘉手納基地に 舞い降りてくる   どんなレーダーも潜り抜ける最新の戦闘機   そのくちばしで沖縄県民の命を食い荒らす   防衛省は基地負担の「平等化」を誇るが   納豆ダイエットのように騙されはしない    遺言   生きてください と言った   三月十日 東京大空襲で炭にされた人々が   生きてください と言った   八月六日 ヒロシマで影にされた人々が   生きてください と言った   八月九日 ナガサキで閃光に消えた人々が   どうか だれも殺さないで生きてください 伊江島(激戦地)の牧師・平良夏芽さんは「平和を考えるのは本土では八月。沖縄では六月。どちらも自分たちがひどい目に遭ったとき。でも、私たちが加害者として何をしたかも思い返…

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憲法を詩(うた)う -9-

辺野古の海は水平線まで青だった/おばあたちが命がけでしがみついて/あらがっていた鉄柱はは消えていた/この青を力づくで奪うたくらみを/今日も、おばあたちは睨みつけている/ジュゴンとウミガメが背伸びして睨みつけているー平和の青    沖縄では   この島では   まるでカラスが飛ぶように   爆撃機が空を横切っていく   スズメがはしゃぐようにヘリコプターが飛ぶ   この島では 罪に問われることなく   罰をうけることもなく   女たちが犯され傷つけられる    辺野古の海にいったら   観光客であってはならない   よそ者であってはならない   黙って砂浜に座ろう   座って海をみつめよう   言葉にならぬ美(ちゅ)ら海を見守ろう   波の上に突き出した足場の醜さ   鉄の脚が踏み砕くサンゴ礁の怒りを    天下り   沖縄海兵隊のグアム移転費九千億円   米軍施設の談合工事費三三六億円   ぜんぶ税金で賄われるお金   非正規社員の若者の昼飯代百円のカレー   何杯食えるかな?数えられない   それを山分けしてニタついているやつ   官から民へ天下りするわれらの税金 永井和子 <略歴> 1934年 大阪市生まれ/1957年 慶応大学文学部卒業/1969年 『沖縄詩集』発行。詩人として生きはじめる。以降、現在まで発行詩集32冊(共著含む)  連絡先 〒005-0003 札幌市南区澄川3条6丁目3-3-40…

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憲法を詩(うた)う -8-

街角で子どもたちが/「また、明日ね」と手をふっている/六十年前、絵を描く事も、ピアノを弾くことも/宇宙の真理を見極めることも、恋も/生きる喜びのすべてを諦めて/銃を肩にこの国を出て行った青年たちがいた/「また、明日」がなかった日本 (明日がある今のうちに)    戦世(いくさゆ)を無くせ 永井和子   はるばると友の持て来し   まるめろの香りゆかしや   戦世に飢えて脅える   子の涙やさしくぬぐえ   まるめろの香りゆかしや   冬の陽の色に染まりて   あたたかくいのちをつつめ    憲法九条      皮をむいても玉葱   むいてもむいても やっぱり玉葱   芯の芯まで玉葱   どんなふうにまやかしの言葉で切り刻んでも   戦争と戦力の放棄は変わらない   煮ても炒めても味噌汁の   旨い! 玉葱    ぼくを守ってください   スラリとした背をかがめて   迷うことなく署名してくれた   頭を上げてニッコリ笑った   ぼく、今年、自衛隊に入隊しました   ぼくはイラクなんかへ行きたくありません   憲法九条を守ってください   ぼくの命を守ってください ▼長野県・上田市「無言館」全景   込み上がる怒り 無言館に行った     「無言館」を訪れるたびにいろいろと考えさせられます。二十歳前後から三十歳前後の夢多き若者たちが描いた一つひとつから、恋人、父母、祖父母、兄弟姉妹へのやさしい言葉や思いが聞こえるようで…

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憲法を詩(うた)う -7-

台風、台風、台風、地震、大津波/地球は本気でおかしくなっている/温室効果ガス削減を決めた「京都議定書」が/2005年2月16日発効になった/安全な地球を長生きさせたい人よっといで/アメリカ以外はみんな来た/早く、こっちへおいでよ ブッシュくん (京都議定書発効)    歯科医院が混むわけ 永井和子   敬老パスが四月から有料になる   年金が今年から月一万円も減った   そのうち家庭ゴミまで有料になるそうだ   もらえない消費税十%になったら店は潰れる   そうやってチビチビ削った福祉の金で   地下街作ったりアメリカ軍の住宅増やしたり   怒りの歯軋りで入れ歯はガタガタ    口腔乾燥症蔓延の理由   義歯に替えてから   サシスセソの音が出しにくくなった   歯科医の先生は「口腔乾燥症」のせいだと言う   それ専門の医院もふえていると言う   上あごが歯にくっついて上手く話せない   わかった! 税金の大幅値上げで   庶民のアゴが干上がっているせいだ    消費税      消費税がつくられたとき   三パーセントだったから   病院通いを月一回に減らした   消費税が五パーセントになってしまったので   一日の食費を五百円に減らした   今度は、十パーセントにするそうだ   生きるのを減らそうか 〔説明〕 「地球温暖化防止京都会議」1997年12月17日、国立京都国際会館で開かれたことは周知の事実。しかし、2007…

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憲法を詩(うた)う -6-

生きてください と言った/その夜焼かれて死んだ人々が/戦争だとも知らずに死んだ人々が/テンノウの眠りを妨げまいと/警報を鳴らすのを控えて不意打ちされた/東京の下町/無差別の殺意を降らせた三百三十四機のB29/血に染まった翼/道は火の道になって燃えた/川は炎の川になって燃えた・・・   六十年目の遺言 永井和子   ~私たちが遺した憲法を守ってください~   いきなりの空襲警報だった   飛び起きたら家のまわりは真っ赤だった   どす黒い赤   母の叫びで布団を一枚かついで田んぼに走った   南予の早春   田んぼには泥水が光っていた   背後の山が赤黒く燃えていた   真昼のような周囲を照らす照明弾   そのあとからふりそそぐ焼夷弾   山の防空壕に逃げた村人が真っ黒な叫びをあげながら   駆け降りてくるのが見えた   それが生まれて初めて見た戦争だった   生きてください と言った   その夜焼かれて死んだ人々が   戦争だとも知らずに死んだ人々が   テンノウの眠りを妨げまいと   警報を鳴らすのを控えて不意打ちされた   東京の下町   無差別の殺意を降らせた三百三十四機のB29   血に染まった翼   道は火の道になって燃えた   川は炎の川になって燃えた   熱風に飛ぶトタン屋根   煮えたぎる防火用水の水   地面を掘って我が子に覆いかぶさって死んだ母親   隅田川は死体で埋め尽くされた   それは聖戦を信じてい…

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憲法を詩う 永井和子 ⑤

<明日> 夜明けの前が一番暗いのだと/私たちは知っている/冬が厳しいほど/春ははじけるようにやってくるのだと/私たちは知っている/明日は、明るい日だと/知っている    成人式   あなたにはあなたの名前があって   あなたにはあなたの命がある   その名前であなたは立つ 地球の上に   世界中の誰にもひとつの名前があり   世界中の誰にもひとつの命がある   その名前を誰にも傷つけさせないで   その命を誰にも殺させないで    NHK   Naにが なんでも言い逃れ   Hoんとの話は伝えない   Ko共放送の顔が泣く   それほど言うなら削除分   ぜんぶ見せればいいじゃない   やだねったら やだね やだねったら やだね   これが 公共放送かね ふつう私たちは、朝の光を受けてアサガオは花を開くとおもいます。しかし、アサガオの蕾は朝の光によって開くのではないらしいのです。逆に、それに先立つ夜の時間の冷たさと、闇(やみ)の深さが不可欠といいます。 左写真は「hana300」より   

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憲法を詩う 永井和子 ④

ふきのとう いちばんさきに/みつけるのは だれ?/それは大地/重い雪の下でじっと抱いてきたのだから/香りをはこぶのは風/春色に変わった青い風/わたしたちの胸に希望を吹き込んで   君の手を貸してくれ  今、すぐにだよ  そうだ、今、すぐにだ  手脚がクラスター爆弾でもぎとられる前に  心臓に核がぶちこまれる前に  地球が破壊される前に  私は、きみの憲法九条だ  五月三日はすぐ目の前だ   食料費支出減  「せめて正月」  の買い物にスーパーに行った  大根、白菜、みかん・・・ウーンとてもとても!  「年末とあってやや高め」  農水省はのんびり口調だが  おばさんは つぶやく  「年越すのも命がけだねえ」   どうぞ署名を  二千四年を表わす漢字が「災」に決まった  台風につぐ台風そして地震  壊れた住宅、道路、村がひとつ  消されようとしている第二十五条  「全て国民は、健康で文化的な  最低限度の生活を営む権利を有する」  「災」を「幸」に書き換えるのは あなただ   蕗の薹(ふきのとう) 春先、冷たい雨の降った翌日など、いち早く、土を持ち上げ、冬の落ち葉をも払いのけて淡い緑色の芽をだす。しかし、花はいかにも地味で、春の七草同様、その味で早春を告げる。

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憲法を詩う 永井和子 ③

(うた)「戦争はダメです」ゲゲゲの鬼太郎の水木しげるさんは、言いました。「平和はあったかいものです」ある詩人が言いました。二度と戦争はしない、武器は持たない、殺さない、と約束した日本の憲法がいま、壊されようとしています。   詞の朗読とトークの出前はいかがですか?  軍隊の仕事は、住民を殺すこと。軍隊と軍事基地のあるところでは、どんな犯罪も、暴力も許される。そのことを身体で知っている、日常の暮らしのなかで体験しているのが、沖縄県民です。沖縄と憲法を詩(うた)い続けてきた永井和子の詩の朗読を聴く集いを開いてくださるようお願いします。  平和を守るために、大切なものが二つあります。知ることと、心動かされることです、永井和子の詩を聴き、平和について、明日の不安なく豊かに生きていける日本を、地球を、創るためのイメージを共有していただけたら嬉しいです。  やりかたは、とても簡単です。  用意するもの    会場 音が出せる場所ならどこでも。個人宅でも可。マイク1本以上。  人数 10人以上何人でも。  時間 1時間前後~2時間以内  費用 交通費+α (札幌市内)(遠方の場合は宿泊・食事代も)   * 朗読参加、歌、演奏など歓迎。費用・内容についてはご相談ください。  連絡先 〒005-0003       札幌市南区澄川3条6丁目3-3-403       永井和子 (詩人会議、北海道・南区革新懇話会、南区・澄川九条の会)       TEL 011-…

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憲法を詩う 永井和子 ②

   私は日本国憲法です   あなたの暮らしのそばにいます   あなたが職場で差別されたり   単身赴任の孤独な夜や   未来に希望をなくしたとき   思い出してください 私のことを   私は 憲法第二十七条です      あなたの家族と一緒にいます   早すぎる授業に泣いて帰る子   真面目な教師が職場を追われ   子どもの夢が見えないとき   思い出してください 私のことを   私は 憲法第二十六条です      あなたの命を守っています   食べることに追われて遠ざかる病院   減らされつづける年金への怒り   豊かに生きる権利が奪われるとき   思い出してください 私のことを   私は 憲法第二十五条です     あなたの願いで生まれたのです   誰もが黙ってうつむいていた時代   青年は戦争で死ぬ日を待ち   未来が絶望で閉ざされたとき   みんなが願ったのです 私のことを   私が 憲法九条です      世界にさきがけ生まれたのです   戦争と戦力の放棄 誓っています   主権在民うたっています   基本的人権掲げています   社会的・経済的権利 明記しています   私が 憲法前文です      世界に誇れる新しさなのです   地球が核兵器で壊されないように   世界から飢える人がいなくなるように   すべての命がいとおしまれるように   今 声をあげて守っていこう   私が あなたの 憲法です …

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憲法を詩う 永井和子①

 札幌市南区に住む永井和子(72)さんから、詩の冊子『憲法を詩(うた)う』が送られてきました。「改憲の強引な動きにせかされて、五十編近くの短詩にしたものを集めた」といいます。  冒頭の詩、「わたしは日本国憲法です」では、勤労権の27条、教育権の26条、生存権を保障した25条に続いて、憲法九条をこううたっています。(しんぶん赤旗/2007年5月29日付ー「守ろう憲法9条 列島各地で」)    私が 憲法9条ですー札幌から  あなたの願いで生まれたのです  誰もが黙ってうつむいていた時代  青年は戦争で死ぬ日を待ち  未来が絶望で閉ざされたとき  みんなが願ったのです  私のことを  私が 憲法九条です 「憲法を詩(うた)う」にひきつづき「さらに熱く憲法を詩(うた)う」も発刊されています。各300円です。なお本ブログでは順次90編を紹介します。   <お問い合わせ・お申し込み先> 「アトリエ 遊 永井和子」/〒005-0003 札幌市南区澄川3条6丁目3-3 じょうてつドエル403号室/TEL 011-815-0621 FAX 011-815-0628  

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