ラファィエット 独立革命

ラファィエット(1757~1834)9月6日、この日フランスのシャバニャックに生まれる。アメリカ独立革命、フランス大革命、七月革命に活躍、『両世界の英雄』とよばれた。(岩波新書・「一日一言」-人類の知恵ー桑原武夫編)  1776年7月4日〔アメリカ独立宣言〕が、世界の自由のアメリカにおける始まりであったとちょうど同様に、バスチーユの攻略は、あらゆる時代を通じて、ヨーロッパの解放の合図として受けとられてきた。このヨーロッパの解放は、多くのじゃまものによって引きのばされているだけで、けっきょく、その完成をさまたげ得るものは、なにひとつとして存在しないであろう。 (1832年バスチーユ攻撃のさいの負傷者への年金法審議における演説)

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収 穫 大ブリューゲル

大ブリューゲル(1528頃~1569)9月5日、この日死んだフランドルの画家。貴族趣味の流行のさなかに、こまかな観察をもって農民の風俗をえがき、個性的な世界をつくった。(岩波新書・「一日一言」-人類の知恵ー桑原武夫編)

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田中正造 百回忌

田中正造(1841~1913)9月4日、この日死す。栃木県の人。自由民権運動に活動し、第一回の代議士当選後、足尾鉱山の鉱毒により荒廃した渡良瀬川沿岸救済に一生を捧げた。(岩波新書・「一日一言」-人類の知恵ー桑原武夫編)    <今日の病気の数々> ◆文章が悪いと見ない ◆貧乏人の願出は見ない ◆無勢力の意見はきかぬ ◆正直な忠告は耳にせぬ ◆主義より出る目的は嫌う ◆国家も社会も目になくなる ◆都合と私利と虚栄の脳充血 ◆下より申出る諂諛侫言(へつらい)は、欺かれながらも面白く、もっとも千万に聞こえる  其他、病者百出は今日政治上の病気なり。薬では駄目。法律では駄目。ただ一つ精神療法あるのみ。  没後、明年で100年になる田中正造の言葉に次のようなものがある。「真の文明は 山を荒らさず 川を荒らさず 村をやぶらず 人を殺さざるべし」。彼が存命で昨年の3.11大震災の跡を望見したら、恐らく同じような言葉を発したに違いない。それは天災、人災を越えて「文明災」とでもいうべきものかも知れない。人類のこれまでの自然に対する無定見な行為への厳しい警告と受けとめたい。  なお、地元栃木県佐野市金井上町の惣宗寺で4日午前11時から百回忌が営まれる。

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ラザフォード 物理学者

ラザフォード(1871~1937)8月30日、この日生まれたイギリスの実験物理学者。放射線物質を研究し、α、β、γ線を発見、また原子核の存在を確認し、原子模型を示した。(岩波新書・「一日一言」-人類の知恵ー桑原武夫編)  物理学の進歩の速さをながめて、私は、自然にかんするわれわれの知識をひろめる科学的方法の力づよさに、ますます感銘するようになった。実験というものが、一個人の、あるいはさらにいいことには、さまざまな心的傾向の個人たちの集まりの、訓練された想像力によって導かれるとき、それは最大の哲学者の単独の想像力をもはるかにしのぐ結果に到達することができるのだ。・・・・・・ときおり、蓄積された知識をふまえた、電光のごとく光る着想が生じ、一そう広い領域に照らしだし、個々人の諸努力のあいだの関連を示す。かくてその後に全般的な前進が続くのである。(S・A・イーブ著『ラザフォード卿の生涯と書簡』)

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孔 子 名言(論語)

孔 子(B.C.551~479)この日に生まれたとされる儒教の創始者。政治に志したが成功せず、退いて弟死子を要請した。「聖人」として長く中国の思想界を支配した。(岩波新書・「一日一言」-人類の知恵ー桑原武夫編)  子いわく、学びて時に習う、またよろこばしからずや。とも遠方より来る、また楽しからずや。人〔おのれを〕知らざるもうらみず、また君子ならずや。  子いわく、われ十有五にして学に志し、三十にして立ち、四十にして惑わず、五十にして天命を知る。六十にして耳にしたがう、七十にして心の欲するところに従って短(のり)をこえず。  子いわく、如何せん如何せんといわざる者は、われ如何ともするなきなり。 【追記】友ありメール来る、返信すればそれでいい。八十にして如何せん、未だに短を超えっぱなし。如何せん、如何する術を知らず。-現代版「論誤」

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サッコ 米 冤罪事件

サッコ(1891~1927)8月23日、この日ヴァンゼッチとともに、デッチ上げ裁判のギセイとして処刑された無政府主義者。米国最大の冤罪事件とされている。(岩波新書・「一日一言」-人類の知恵ー桑原武夫編)  いつまでも忘れないでくれ、わが子よ。自分のためだけに全力をちかわず、一歩さがり、一歩のわきにのいて、助けをもとめるか弱い人々を助け、迫害されている人々、犠牲になっている人々を助けなさい。なぜなら、こういう人々こそ、お前のよりよき友であり、お前のお父さんとバルトロ(ヴァンゼッチ)とが戦い倒れたように、万人のため、貧しい労働者のために、自由の喜びをかちえてやろうと、お前とともに戦い倒れる戦友なのだ。この人生の闘争で、お前はずっと多くの愛を見出し、お前は愛されることだろう。(獄中からの手紙)

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ミシュレー フランス革命

ジユール・ミシュレー(1798~1874)8月21日、この日パリに生まれる。フランスの歴史家。文学者、民衆を愛し、フランス文学史上屈指の名文で民衆をたたえた。主著『フランス革命史』(岩波新書・「一日一言」-人類の知恵ー桑原武夫編)  たかい教養、専門の研究。そしてわれわれがなしとげたと信ずる巧妙な発見を頼りにして、国民的伝統を安易に蔑視してはならぬ。軽々に、この伝統を変えたり、他の伝統を創造し、強制したりしようとくわだててはならぬ。人民に、天文学や化学を教育せよ。それはまあよい。しかし、人間が、すなわち人民自身が問題である場合、人民の過去、道徳、心、名誉が問題である場合には、研究者たちよ、人民によって教育されることを恐れてはならない。(フランス革命史)

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ラ・ブリュイエール モラリスト

ラ・ブリュイエール(1645~1696)8月16日、この日パリに生まれたモラリスト。ブルボン公の教育係になり宮廷を知ったが、ここでの観察が『人さまざま』に結晶した。  貴顕(きけん)と庶民をくらべてみると・・・・・・。一方びは粗野と率直がそのままに示され、他方では邪悪と腐敗の樹液が礼儀という外皮の下にかくされている。庶民はほとんど才知をもたず、貴顕には全然魂がない。前者は立派な中身をもつが、うわべというものがない。後者はただうわべだけ、単なる表皮だけだ。どちらになりたいかと言われれば、ためらうものかー私は庶民でありたい。(人さまざま)   専政政治の下では祖国などない。他のものがそれに代わっている。利益、栄誉、帝王への忠勤。(同 右)

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戸坂 潤 獄死

戸坂 順(1900~1945)8月9日、この日長野刑務所で獄死。すぐれた唯物論哲学者。軍国主義下に唯物論研究会を組織指導して反動思想とたたかい最後まで屈しなかった。敗戦6日前だった。『選集』八巻。(岩波新書・「一日一言ー人類の知恵ー桑原武夫編)    元来思想と風俗とは一聯のつながりのあるものだ。思想は風俗となって現れるものだし、風俗は思想を象徴する。ところで風俗の自然的必然性を、抑圧せねばならぬということは、実は思想の自然的必然性を抑圧する必要がある時だだからつまり、風俗抑圧は言論上のデマゴギーと兄弟分なわけだ。・・・・・・世界のファッショ たちは押しなべて道徳屋であることは有名である。彼らはすべて風紀屋である。服装まで妙な制服にしたがるのである。思想に妙な制服にしたがるのである。思想に妙な制服を着せるなどは朝飯前だ。「道徳」振りとは思想のこの妙な制服のことである。(検閲下の思想と風俗)

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ヴェブレン 社会学者

ヴェブレン(1857~1929)8月3日、この日死んだアメリカの社会学者、経済学者。マルクス主義とは別個に、鋭い直感によって独占資本を攻撃した。『有閑階級論』(岩波新書・「一日一言」-人類の知恵ー桑原武夫編)  古典は、学者的な世間体の証拠としての絶対的価値をほとんど失っていない。なぜなら、学者として世間をまかりとおるためには、学者は、時間を浪費した証拠として、伝統的にみとめられているなんらかの学識をみせびらかすことが絶対に必要だからであり、そして古典は、こういう用途にはしごく容易に役立つからである。・・・・・・古典があらゆる学問のうち、もっとも名誉あるものとして尊敬されるようになったのである。時間と労力を浪費した証拠として、またこういう浪費のために必要な金銭上の力の証拠として、古典が役にたつからだ。(有閑階級論)

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マルセイエーズ フランス国歌

マルセイエーズ(1792)7月30日、この日マルセイユの義勇兵パリ到着。彼らはルジュ・ド・リール作の愛唱歌を合唱。行進したので、歌は「マルセイエーズ」とよばれる。図は当時の版画。(岩波新書・「一日一言」-人類の知恵ー桑原武夫編) 立て 愛国の子らよ 光栄(はえ)の日はきた われらにたいし圧制の 血ぞめの旗せまる 聞こえないか 野を越えて 凶悪の兵隊のうなり やって来るぞ 首切りに わが子わが妻の 武器とれ 人民、組めよ 戦列 進め 進め けがれの血汐 畑にすわせろ

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フインセント・ゴッホ 向日葵

フインセント・ゴッホ(1853~1890)7月29日、この日自ら拳銃で頭を撃って死んだオランダ生まれの画家。28歳から絵をかきはじめ、フランスに行き、激しい個我によって独異の境地をひらいた。(岩波新書・「一日一言」-人類の知恵ー桑原武夫編)

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ロベスピエール フランス革命

ロベスピエール(1758~1794)7月28日、この日ギロチン上に死す。フランス革命における小ブルジョワ独裁の最大の指導者で、封建性の撤廃と外敵の撃退とを達成した。(岩波新書・「一日一言」-人類の知恵ー桑原武夫編)  すべての国の人間は兄弟であり、諸国民は、おなじ国家の市民のように、その力に応じて互にたすけあわねばならない。 一国民を抑圧するものは、何人といえども、すべて国民の敵であることを自ら宣言するものである。自由の進歩を阻止し人間の権利を絶滅するために、一国民に戦争をおこなうものは、通常の敵としてではなく、暗殺者、反逆的強盗として、すべての国民によって追究されねばならない。  国王、貴族、暴君は何人であれ、世界の主権者である人類に対し、宇宙の立法者である自然い対して反逆する奴隷である。(ロベスピエール人権宣言草案)

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内藤湖南 歴史学者

内藤湖南(1866~1934)7月18日、この日秋田県毛馬内に生まれた。独学で新聞記者をへて京大教授となった独創的歴史学者。主著『支那論』『日本文化史研究』『歴史叢録』。(岩波新書・「一日一言」-人類の知恵ー桑原武夫編)  忠孝という語は、日本民族がシナ語を用いる以前は如何なる語で表していたかが、ほとんど発見しがたい。孝を人名としては「よし」「たか」とよむが、それは「善」「高」という意味であって、親に対する特別語ではない。忠を「ただ」とよむのは「正」の意味で、「まめやか」とよむのは親切の意味で、君に対する特別の言葉ではない。一般の善行正義というほかに、特別な家族的な、ならびに君臣関係の言葉としての忠孝ということが、古代はその言葉がなかったとすれば、その思想が〔本来日本に〕あったか否かが大なる疑問とするに足るではないか。(日本文化史研究)

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金冬心 清朝・文人画家

金冬心(1687~1764)中国の清朝初期の文人画家の大家。「揚州の八怪」とよばれた個我のつよい画家たちの一人。自由奔放の画風をもって知られる。本図・「郭煕山水図」は郭煕の筆法にまなんだもの。(岩波新書・「一日一言」-人類の知恵」-桑原武夫編)   【注】  編者の桑原武夫氏はときおり、主人公の生誕にかかわらず、図画を掲載することがある。これはその一つ。

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マルク・ブロッグ

マルク・ブログ(1886~1944)6月16日、この日ドイツ軍に銃殺されたフランスのすぐれた歴史家『奇妙な敗北』という歴史の証言を残して、教職を捨てて抵抗運動に献身した。(岩波新書・「一日一言」-人類の知恵ー桑原武夫編)  歴史家の第一の義務は、「人生に」関心をいだくということである。・・・・・・現代のうえに身をかがめてみることなしには、過去を理解することはできないのである。  私は率直に、つぎのことをいおう。ともかく私は、われわれがまだ流すべき血をもっていることをねがう、たとえそれが私に親しい人々の血であらねばならぬとしても。・・・・・・なぜなら、いくらかの犠牲なしには救いもなく、自らかちとろうと努力しなかったら、完全な国民的自由もまたないのだから。(奇妙な敗北) ◆現在の無理解は、運命的に過去の無知から生ずる。しかし、現在について何も知らないならば、過去を知ろうとしても、恐らく無駄であろう。 (歴史のための弁明)

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鈴木春信 浮世絵師

鈴木春信[すずき・はるのぶ](1725~1770)6月15日、この日死んだ江戸の浮世絵師。純粋で清新な筆致をもって多くの美人画をつくった。いわゆる錦絵の創始者として大きな功績を残す。(岩波新書・「一日一言」-人類の知恵ー桑原武夫編9

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ハリエット・ストウ夫人

ハリエット・ストウ夫人(1811~1896)6月14日、この日生まれたアメリカの女流作家。牧師の娘として生まれた。ドレイ制度の悲惨を攻撃した小説『トムじいやの丸木小屋』は、ドレイ解放運動に寄与した。(岩波新書・「一日一言」-人類の知恵ー桑原武夫編)  現在は、諸国民がふるえ、そしてケイレンにもだえている世界史の時代である。強力な影響力が出現し、押しよせ、地震のように世界をあげている。そしてアメリカも安全だろうか。その胎内に大きい不正が存在し、しかもそれが改められていないような国民はすべて、この最後のケイレンの要素を内に含んでいる。この強力な影響力ーあらゆる国民、あらゆる言語にわたり、言葉にならないうめき声を、このように呼びおこしている力ーは、はたして何を求められているのだろうか。(トムじいや丸木小屋) 【追記】「トムじいやの丸木小屋」の影響の大きさは、後年の南北戦争開戦後に、リンカーン大統領がストウ夫人との会見した際、「あなたのような小さな方がこの大きな戦争を引き起こしたのですね」とあいさつしたというエピソードがある。

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ミロのヴィナス

ミロのヴィナス ヘレニスティク時代。1820年ミロ島で発見された女神ヴィナスの像。その製作年代には異説が多いが、B.C.5世紀以来各時代の作風を学んだ彫刻美の一典型とされる。(岩波新書・「一日一言」-人類の知恵いー桑原武夫編)

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ウェーバー 経済学者

マックス・ウェーバー(1864~1920)4月21日、この日ドイツのエルフルトに生まれた経済学者、社会科学者。ブルジョワ社会科学の完成者。主著『宗教社会学論文集』『経済と社会』(岩波新書・「一日一言」-人類の知恵ー桑原武夫編)  一世紀にわたる政治教育のおくれは、十年でとりかえせるものではない。偉人の支配はかならずしも、政治教育の手段ではないのである。(国民国家と国民経済政策)   政治的に成熟した国民のみが、自主的な国民である。・・・・・・自主的な国民のみが、世界発展という車の幅(や)に手をかける使命をもつ。この資質をもたない国民がこれをこころみても、他の国民の確実な本能がこれにたいして反抗するだけでなくて、国内的にもこの国民はこの試みにおいて挫折する。 (新体制ドイツの議会と政府)

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ダーウイン 博物学者

チャールス・ダーウイン(1809~1882)4月19日、この日死んだイギリスの博物学者。実証的に進化論を唱え、宗教派の反対にもかかわらず、以後の思想界に決定的影響を与えた。(岩波新書・「一日一言」-人類の知恵ー桑原武夫編)     ダーウインの名言    1時間を無駄にするような人間は、 まだ人生の貴重さを発見していない。  最も強い者が生き残るのではなく、 最も賢い者が生き延びるものでもない。  唯一生き残ることが出来るのは     変化できる者である。

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李白 宮廷詩人

李白(701~762)杜甫とともに唐代を代表する詩人。生命力にあふれた自由奔放な人柄で、一時宮廷詩人ともなったが、多くは放浪のうちに生活した。(岩波新書・「一日一言」-人類の知恵ー桑原武夫編) 君見ずや 黄河の水 天上より来たり 奔龍流し海に到って また廻らざるを 君見ずや 高堂の明鏡 白髪を悲しむ 朝には青糸の如きも 暮には雪を成す 人生意を得なば すべからく歓を尽くすべし 金樽(きんそん)をして空しく月に対せしむるなかれ 天の我が材を生ずる 必ず用有ればなり 千金散じ尽せば 還(ま)た復(ま)た来らん 会(かなら)ず須(すべか)らく一飲三百杯なるべし                   (まさに酒を進めん)

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中里介山 大菩薩峠

中里介山(1885~1944)4月4日、この日農家に生まれた文学者。電話交換手、教員、記者をしながら、長編小説『大菩薩峠』を自ら印刷して出版、広く国民に愛読された。(岩波新書・「一日一言」-人類の知恵ー桑原武夫編)  何かわれわれに窮屈を感ぜしめるものは、偉大なものじゃありません。・・・・・・感激というものは、その偉大なものが、ある隙間からほとばしった時に、はじめてわれわれに伝わるので、偉大そのもの方kらいえば、むしろ破綻に過ぎないと思います。たとえばです、この平々凡々たる大海のある部分に波が立つとか、巌に砕けるとかした時に、人は壮快を感じたり、恐怖を感じたりして、はじめて威力に感激するのですが、こうして無事に相接している時は、いま君のいったように、海が全く他人ではないのです。・・・・・・平々淡々たる親しみを感ずるところに、海の本色と、その偉大さがあるといってもいい。(大菩薩峠)

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聖徳太子 憲法十七条

聖徳太子(574~622)4月3日、この日、太子によって『憲法十七条』が制定された。大陸文化の移入に熱心で、仏教を盛んにして、日本文化に新しい方向をひらいた。(岩波新書・「一日一言」-人類の知恵ー桑原武夫編)  心の怒りを絶ち、おもての怒りをすて、人のたがうを怒らざれ。人みな心あり。心おのおの執ることあり。彼よみすれば、すなわち我非なり。我よみすれば、すなわち我非なり。我のかならずしも聖にあらず。彼かならずしも愚にあらず。共にこれただひとのみ。是非の理、いずれか定むべき、相ともに賢愚なり。鐶(みみがね)の端なきがごとし。これをもって彼の人はおもて怒るといえども、かえって我があやまちを恐れよ。我ひとり得たりといえども、衆に従って同じくおこなえ。(憲法、第十条)

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親 鸞 真宗の開祖

親 鸞[しんらん](1173~1262)4月1日、この日京都に生まれたとされる真宗の開祖。天台に学び、法然上人に師事した。肉食妻帯を認め、農民の間に絶対他力の信仰を集めた。(岩波新書・「一日一言」-人類の知恵ー桑原武夫編)  親鸞は弟子を一人ももたずそうろう。そおのゆえは、わがはからいにてひとに念仏をまうさせうらねばこそ、弟子にてもそうらわめ、弥陀(みだ)の御もよおしにあずかりて念仏もうしそうろうひとを、わが弟子ともおすこと、きわめたる荒涼〔乱暴〕のことなり。つくべき縁あればともない、はなるべきは縁あればはなるることのあるをも、師をそむきてひとにつれて念仏すれば、往生すべからざるものなりなんということ、不可説なり。如来(にょらい)よりたまわりたる信心を、わがものがおにとりかえさんともうすにや。かえすがえすもあるべからざることなり。 (嘆異鈔) 【追記】「今日、英訳を通じて、初めて東洋の聖者、親鸞を知った。もし、10年前に、こんな素晴らしい聖者が東洋にあったことを知ったなら、私はギリシア語や、ラテン語の勉強もしなかった。日本語を学び、親鸞聖人の教えを聞いて世界中に広めることを、生きがいにしたであろう」 (マルチン・ハイデッガー)

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ジュリアス シーザー 名言3

ジュリアス・シーザー[カエサル](B.C.102~44)3月15日、この日ローマの元老院で殺された。第一次三頭政治をへて、独裁者となった。その間ガリアやエジプトと戦った。文筆にもすぐれていた。(岩波新書・「一日一言」-人類の知恵ー桑原武夫編)  ウイキペディアより ●賽(さい)は投げられた。(Aloa jacta est)  カエサルがルビコン河を渡ったときの決意の言葉。ガリア平定後、元老院の禁止を無視して渡河。ローマを占領したのである。 ●来た、見た、勝った(Veni vidi vici)  黒海沿岸の覇者フェルナケス二世を征服したとき、その激戦と敏速な勝利をローマの友人マティウスに書き送った手紙の一節。 ●ブルータス、お前もか(Et tu.Brute)  暗殺者の中に、わが子と呼んで愛していたブルータスを見たときの絶望の言葉。

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スタインベッグ 小説家

ジョン・スタインベッグ(1902~1968)2月27日、この日生まれたアメリカの小説家。大学中退後、別荘番や記者などの職を転々としつつ、社会的視野のひろい小説を多く書いた。『日は沈みぬ』『エデンの東』『怒りのブドウ』など。(岩波新書・「一日一言」-人類の知恵ー桑原武夫編)  辛抱しなきゃいけないよ。だって、トム・・・・・・あたしたち〔貧しいもの〕は、みんながいなくなっても生きつづける人間なんだもの。だって、トムや、あたしたちは生きつづけるんだもの。奴ら〔金持ちたち〕が、あたしたちを根だやしできるもんかね。だって、あたしたちは人間だもの・・・・・・生きつづけるんだもの。・・・・・・金持ちは出世して死んじまうと、その子供たちがダメなもんだから、それで死に絶えるのさ。だけど、あたちたちはね、トム、あとからあとから生まれてくるんだよ。ちっともこわがることはないよ。トム、世の中は変わりかけているんだからね。 (怒りのブドウ) 【追記】学生時代にみた映画に「エデンの東」というのがあっつた。主演のジエームス・ディーンの少しニヒルな感じに誰しもが印象づけられたが、原作がスタインベッグであることは今日初めて知った。

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菅原道真 天満宮

菅原道真[すがわら・みちざね](845~903)2月あ725日、この日九州の太宰府で死んだ。和漢の学に通じた平安朝の代表的文学者。右大臣になったが藤原氏に憎まれて左遷された。天満宮は彼をまつる。(岩波新書・「一日一言」-人類の知恵ー桑原武夫編) ▼菅公が祭神の亀戸天満宮からツリーも  送春不用動舟車 唯別残鶯與落花  若使韶光知我意 今宵旅宿在詩家    (春を送るに舟車を動かすを用いず ただ鶯と落花と分るるのみ、もし韶光〔春の光〕をして我が意を知らしめば、今宵の旅宿は詩家(詩人である私の家)にあらん)  こちふかば にほひおこせよ 梅の花     あるじなしとて 春をわするな  君がすむ やどのこずゑを ゆくゆくと     かくるるまでも かへりみしかな

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キーツ イギリス詩人

キーツ(1796~1821)2月23日、この日イタリアで客死したイギリス・ロマン派の代表的詩人。生前は不遇であったが、没後その評価は高まった。『エンディミオン』(岩波新書・「一日一言」-人類の知恵ー桑原武夫編)  このごろの官吏は、外交官とか大臣とかいう称号と交換に人間という称号を失っている。われわれは官僚的雰囲気のなかに呼吸しているのです。・・・・・人間が偉大だからというのではなく、そのボタン穴につけている勲章の数によって評判が高まるという有様です。    イギリス国民が世界で最もすぐれた作家を生みだした大きな理由の一つは、イギリスの社会が生前に作家を虐待し、死後に作家を育成したからです。これら作家は、一般にふみにじられて人生が脇道に追いやられ、社会の苦難をなめてきたのです。(書簡集)

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阪口安吾 堕落論

阪口安吾[さかぐち・あんご](1906~1955)2月17日、この日死んだ小説家。戦中戦後を通じて、素朴で直截な合理主義をもって「伝統」に反逆した。左の意見は戦時中のもの。小説『白痴』(岩波新書・「一日一言」-人類の知恵ー桑原武夫編)  法隆寺も平等院も焼けてしまって一向に困らぬ。必要ならば、法隆寺をとり壊して停車場をつくるがいい。わが民族の光輝ある文化や伝統は、そのことによって決して亡びはしないのである。・・・・・・必要ならば公園をひっくり返して菜園にせよ。それが真に必要ならば、かならずそこにも真の美が生れる。そこに真実の生活があるからだ。そうして、真に生活するかぎり、猿真似をはじることはないのである。それが真実の生活であるかぎり、猿真似にも、独創と同一の優越があるのである。(日本文化私観)

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