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zoom RSS 憲法を詩(うた)う −6−

<<   作成日時 : 2008/10/04 07:13   >>

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生きてください と言った/その夜焼かれて死んだ人々が/戦争だとも知らずに死んだ人々が/テンノウの眠りを妨げまいと/警報を鳴らすのを控えて不意打ちされた/東京の下町/無差別の殺意を降らせた三百三十四機のB29/血に染まった翼/道は火の道になって燃えた/川は炎の川になって燃えた・・・

  六十年目の遺言 永井和子

  〜私たちが遺した憲法を守ってください〜

  いきなりの空襲警報だった
  飛び起きたら家のまわりは真っ赤だった
  どす黒い赤
  母の叫びで布団を一枚かついで田んぼに走った
  南予の早春
  田んぼには泥水が光っていた
  背後の山が赤黒く燃えていた
  真昼のような周囲を照らす照明弾
  そのあとからふりそそぐ焼夷弾
  山の防空壕に逃げた村人が真っ黒な叫びをあげながら
  駆け降りてくるのが見えた
  それが生まれて初めて見た戦争だった

  生きてください と言った
  その夜焼かれて死んだ人々が
  戦争だとも知らずに死んだ人々が
  テンノウの眠りを妨げまいと
  警報を鳴らすのを控えて不意打ちされた
  東京の下町
  無差別の殺意を降らせた三百三十四機のB29
  血に染まった翼
  道は火の道になって燃えた
  川は炎の川になって燃えた
  熱風に飛ぶトタン屋根
  煮えたぎる防火用水の水
  地面を掘って我が子に覆いかぶさって死んだ母親
  隅田川は死体で埋め尽くされた
  それは聖戦を信じていた人々への裏切りだった

  生きてください と言った
  三月十日 東京大空襲で炭にされた人々が
  炭になってもう一度焼かれた人々が

  町をひそひそ話が流れていた
  ヒロシマとナガサキに新型爆弾が落ちた
  異様なきのこ雲
  今度の爆弾は黒い服を着ていて危ない
  逃げるなら白い服
  黒い雨が降ったヒロシマ
  黒い灰が降ったナガサキ
  人々は皮膚をぶらさげてさまよっていた
  地獄を見た顔でさまよっていた
  大阪空襲で傷ついた兄と姉を抱えながら
  父は幽鬼のような人々を見た
  父が見たのは敗戦の日本だった

  生きてください と言った
  八月六日 ヒロシマで影にされた人々が
  八月九日 ナガサキで閃光に消えた人々が

  日本の捨石にされた沖縄
  その沖縄をもう一度売った日本政府
  「日米安全保障条約」
  ガマに閉じこもって焼きつくされた兵隊
  死ねと教えた教育に
  たがいに殺しあった住民
  手りゅう弾で自決した村人
  信じて波に沈んだ無数の女たち
  今も基地のなかの島から
  イラクの市民を殺した爆撃機が飛び立つ
  それを許している私たち

  生きてください と言った
  三月十日 東京大空襲で炭にされた人々が
  生きてください と言った
  八月六日 ヒロシマで影にされた人々が
  生きてください と言った
  八月九日 ナガサキで閃光に消えた人々が
  生きてください と言った
  どうか だれも殺さないで生きてください
  私たちが遺した憲法を守って生きてください
画像
 「昭和天皇 深川巡察」 画家・狩野光男 
 「昭和20年3月18日に天皇陛下が視察に来るので道をきれいにしておけ」という命令があり、遺体は富岡八幡宮あたりに掘られた大きな穴にバンバン投げ込まれた。視察のときには道はきれいな状態になり、天皇は焼け野原は見たが遺体は目にしていないという。もし、あれだけの遺体を天皇が見ていたとしたら、終戦の時期はもっと早まっただろう。
  

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