きょうは敬老の日 僕も 『赤旗・潮流』

うれしいお便りをいただきました。本欄の書き写しを始め、字の練習や文章の構成、表現をまなぶことに喜びを感じているー。熊本市内に住む男性からです。90歳からの手習いだといいます▼手紙の読者は最近さらに年長の知り合いから、もっと「赤旗」をていねいに読みなさいとアドバイスされたそうです。その方は新聞を隅から隅まで熟読しているとか、いくつになっても勉強を怠らない姿勢に心服し、自分もできるだけ努力しようと▼居住の党支部にも高齢の人たちが集まります。大会決定や志位さんの記念講演を学んだり、ビラを折ったり。それぞれが病気や体の不自由さを抱えながら、学ぶ意欲を失わず、励まし合って活動をつづけています▼「みなさんの笑顔に、逆に元気付けられている」。長く熊本市議を務める上野みえ子さんは、支えられ、勇気をもらってきたと話します。地域の高齢化も進むなか、長生きを喜びあえる市政の実現にと尽力しています▼いまや国内の100歳以上は8万人をこえ、50年連続で増加。人生100年時代といわれますが、だれもが長寿を祝福され、老いを受け入れられる社会になっているのか。医療や介護の乏しい体制や格差はそれを許しません▼新しい首相はまず「自助」を口にします。コロナ禍でストレスを抱え、ひとり寂しくこもるお年寄りたち。それさえも自己責任だというのか。一人ひとりが大切にされ、精いっぱい生きられる世に。先の男性も上野さんも思いは同じです同じです。きょうは敬老の日。(2020・9・21) 【追記】昨秋来体調思わしくなく、私のブログ「満州っ子 平和をう…

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全国学力テストの問題点 『赤旗・潮流』

文部科学省は来年度の全国学力テストからパソコンを使って出題・回答する方式の施行を始める計画です。デジタル化推進を掲げる菅内閣の方針とも合致するのでしょう。しかし、パソコンの使用以前に、学力テストの在り方自体を考えるべきではないか▼全国学力テストは「調査」が名目ですが、現実には自治体や学校の間の点数競争をあおって、現場をテスト対策に追い立てるものになっています。点数アップのため、子どもたちに過去のテスト問題を繰り返しやらせる一方で、大切な課題がなおざりにされてしまうことも▼「調査」ならば全員対象でなく抽出調査にするべきだという声が広がっています。自治体が独自に行なっていた学力テストを廃止する動きも出ています。東京都は来年度からの廃止を決めました▼全国学力テストでは各都道府県の平均点がメディアで大きく取り上げられ、点数だけを教育の「成果」のように見る風潮を広げました。その見方を変えるときが来ているのではないでしょうか▼コロナ禍も教育の在り方を問い直す契機かもしれません。少なくない学校で長期の休校の間は大量の宿題が出され、再開後は「遅れを取り戻せ」と詰め込み・スピード授業。子どもが悲鳴をあげています。そんな教育でいいのか、もっと大事なことがあるのではないかーと考えざるをえません▼教育は、学校は、何のためにあるのか。子どもたちの豊かな成長のために大切なことは何なのか。この機会に大いに議論を深めたいものです。(2020・9・20)

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柳条湖事件89年 現地で式典 『赤旗』

 日本の中国侵略の発端となった柳条湖事件から89年となった18日中国遼寧省瀋陽の事件現場近くに建てられた「9・18歴史博物館」で式典が開かれました。中国メデイアによると、午前9時18分に瀋陽市内で警報が鳴らされ、式典参加者や市民らが日本の侵略の犠牲者に黙祷しました。  国営新華社通信は同日、論評を配信し、「歴史の経験と教訓を銘記することは、うらみを続けるためではなく、歴史をかがみとして未来に向かい、中日両国人民が友好を続け、世界の人民が平和を享受するためだ」と強調しました。 柳条湖事件とは1931年9月18日、瀋陽市(旧奉天)近郊の柳条湖付近で、日本が所有していた南満州鉄道の線路を日本軍(関東軍)が謀略で爆破した事件です。日本軍は事件の責任を中国側に押しつけ、中国東北地区を占領(満州事変)。その後の中国全面侵略(日中戦争)のさきがけとなりました。(9月19日付 しんぶん赤旗 14面)

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どうする「桜を見る会」の検証 赤旗・潮流』

専門家のお墨付き、俳優のだれだれさんもご愛用ーー。テレビやネットの通販でよく使われる宣伝文句です。権威付けと呼ばれる手法で、相手の不安をとり除く効果があるといいます▼もしそれが一国の首相だったら。うさん臭さを感じながらも、つい信用してしまった・・・。そういう人も多いでしょう。実際、安倍首相が招待した人だからと大金を投じた被害者も少なくありません▼布団やネックレスなどの磁気商品を高額で買わせ、商品を渡さずオーナーにならないかと誘い、現金をだまし取る。そんなあくどい商法で全国約1万人から2100億円もの資金を集めたとされる「ジャパンライフ」の山口隆祥元会長らが詐欺容疑で逮捕されました▼すでに債務超過に陥りながら、もくろんだ最後の荒稼ぎ。最大限に利用したのが山口元会長に届いた安倍首相からの「桜を見る会」の招待状でした。同社のあるセミナーでは招待状とともに首相の顔写真が大写しされるほど▼税金で悪徳商法の代表をもてなし、そのことがさらに被害者をひろげた。二重に罪深い「桜」の私物化を解明することは国の責任です。しかし、官房長官として招待者をとりまとめていた菅首相は、検証もせずに、ただ中止したいと▼お年寄りたちが老後の蓄えをだまし取られ苦しんでいるのに、これでよく「国民のために働く内閣」などといえたものです。どんな権威付けもそうであるように、一時的に効力があったとしても、道を踏み外したままではいずれ信用を失います。(2020・9・19)

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子どものため今何ができるか 『赤旗・潮流』

「大丈夫?」と声をかけるよりも、ぎゅっと抱きしめてあげたい。でも・・・▼新型コロナ感染を予防するためのソーシャルディスタンス。幼い子どもも「近づいちゃダメ」と言われ続けています。身体的距離は”心の距離”となり、本当の気持ちが出せなくなっている。「子どもたちは、一人になることに慣れ始めてしまったんです」。幼稚園で働く若い職員は心を痛めます▼コロナ禍の今は”特殊な事情”がある状態で、おとなにはそれがわかる。でも、子どもはごく普通の日常との区別がつかないのだと。とにかく怖がって、人の近くに寄りたがらないし、物に触るのもおびえてしまう。ある幼稚園理事長はこう言います。マスクを外せない小さな姿と重なり、切なくなります▼国立成育医療研究センターが実施した大2回アンケート調査にも、育ちを心配する保護者の声が。「母親と離れるのを嫌がって幼稚園に行けなくなっている」「死にたくないないと言うことがあります」ー。当の保護者も不安だらけなのに相談できる場はなかなか見つからず、必死でわが子を守っているのです▼隔離、疎外とネガティブな言葉ばかり浮かんでしまう。そんな中でもできるだけ子どもに声をかけ、ちょっとしたことでもほめることで安心感を、と先の幼稚園職員は心を砕きます。予防策を模索しながら、のびのびと遊べる空間を保障する動きも広がっています▼子どものために、いま何ができるのか。”心の距離”をのりこえて、おとなの思いを寄せ合いたい。(2020・9・18)

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これではこの国沈没する 『赤旗・潮流』

内閣の広報官が最も大きな仕事。かつて細川首相のもとで官房長官を努めた武村正義さんが、その役割を語ったことがありました。記者の質問妨害が安倍政権下で横行していたころです▼「(会見では)森羅万象について自分の方から制限せず、あらゆる質問を受けるのが役割だと思っていた」。さらに「(私は)あるものを隠す発想はとらなかった」と。疑惑解明の盾に徹する菅官房長官の姿勢を批判しました▼まったく問題ない、そのような指摘は当たらない、怪文書ではないかー。モリカケ「桜」と政治の私物化にまみれた首相、戦争法の強行をはじめ平和や民主主義を壊していった政権。その要となってきた人物が安倍政治を引き継ぎました▼まっ先に継承をうちだし、布陣も同じ顔ぶればかり。改造内閣と変わりなく、居抜きや焼き直しといわれるゆえんです。与党内からも「カラーがないのが菅カラーだ」と▼苦労人、たたき上げといわれながら、相手と向き合わず、話し合いもできない。その姿は辺野古の基地建設をめぐっても。いくら沖縄の民意をぶつけても唯一の解決策、しゅくしゅくと進める、と背を向け続ける冷たさです▼人類を覆うウイルス。地球環境の激変、貧困と格差の拡大。変化が切に求められる時代にあって、なにひとつ先を見通す政治を示せない。こんなかび臭いありさまから早く抜け出さないと、この国は沈没してしまう。すべてに色あせ、共存をはばむ風景を一変させたときこそ、新しい政治がはじまります。(2020・9・1) 【追記】政治のあり方として「自助、共助。公助」を強調する菅新総裁を批判し、「『…

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世界に向けた大坂の決意 『東京新聞・筆洗』

 表彰台に上がった二人の陸上選手が黒い手袋をはめて、こぶしを突き上げている。有名な写真を覚えている人もいるか。1968年10月、メキシコ五輪の男子200㍍、優勝はトミー・スミス選手で3位がジョン・カーロス選手。いずれも米国の選手で、そしてアフリカ系である▼その年は黒人差別撤廃を求める公民権運動が全米で高まりを見せ、4月には公民権運動の指導者だったキング牧師が暗殺されている。五輪の表彰台で2人がつけた黒い手袋には差別に対する抗議の意味がこめられていた▼半世紀が過ぎた。黒人差別はなくなっていない。そして、その女性選手は手袋ではなく、黒いマスクを着用する方法を選んだ。それぞれのマスクには警官の行き過ぎた行為などによって命を奪われた黒人犠牲者の名が記されている。テニスの全米オープン女子シングルスで二度目の優勝をした大坂なおみ選手である▼差別に目を向けて議論してというマスクによる問題提起である。用意した七枚のマスクすべてを見せるには決勝戦に進むしかない。そして成し遂げた▼マスクだけではない。決勝戦の第1セットを1-6で落とした。アザレンカにまるで歯が立たない。そこから形勢をひっくり返した▼どんな困難にも決してあきらめない。。不屈のプレーそのものが差別の消えぬ世界に向けた大坂の決意でありメッセージなのだろう。(2020・9・16) 【蛇足】いつの日にか「教科書」に載る話かも知れない。

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東京大空襲犠牲者名簿データ化

東京大空襲の記憶を伝える活動をしている国分寺市の浜田嘉一さん(83)は、東京都が管理する81147人分の犠牲者名簿をデータ化し、インターネット上で公開するよう働き掛けたいと考えています。沖縄県の「平和の礎」を参考に、戦争犠牲者を匿名の人数うではなく、一人一人の名前で後世に残すためです。遺族が名簿に遺族の名前を見つけられなければ、新たに登録できるようにしたいそうです。データ化という発想の若さに驚かされました。(東京新聞・首都圏日誌 2020年9月16日 19面ー「メトロポリタン」から) 

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「ブラック・ライブズ・マター」 『赤旗・潮流』

彼らの抗議の代償は大きなものでした。オリンピックの場から追放され、帰国後も職場を首に。家族への脅迫も相次ぎ、ついには妻が自殺に追い込まれる悲劇さえも・・・▼1968年メキシコ五輪・陸上男子200㍍の表彰式。米国の黒人選手2人が黒い手袋をつけたこぶしを高々と突き上げました。黒人への差別や暴力をが横行し、五輪の半年前にはキング牧師が暗殺される。それに対する無言の抗議でした▼それから半年余。人種差別の犠牲者を刻んだ7枚のマスクとともに、テニスの全米オープンで大坂なおみ選手が2度目の優勝をなしとげました。重圧のなか「自分の信念を貫けた」と。一打一打の力強さ、劣勢をはね返すたくましさ、心身ともに成長した姿で▼大会の主催側も後押し。会場には「ブラック・ライブズ・マター(黒人の命は大事だ)」の横断幕や黒人アートの看板が設けられ、全米テニス協会は「人種差別にゆるぎなく立ち向かう」との声明を発表しました▼アスリートは政治を語るべきではない。あなたは日本人なのか。SNS上では大坂選手への心ない批判や中傷も。しかし、一部の狭い見方にとらわれない彼女の勇気ある行動や発言は、国境をこえて多くの心に響いています▼差別の問題についてみんなが話し合うきっかけをつくりたかったという大坂選手。アスリートである前に、一人の女性として、ひとりの人間として、変化のために希望をもって行動し続ける。その思いは今を生きる人びとに呼びかけてきます。(2020・9・15)

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「日本高齢者人権宣言」を! 『赤旗・潮流』

先行する子ども、女性、障害者らの人権条約に比べて「最後の人権条約」ともいわれる高齢者人権条約▼国連では新型コロナウイルス感染の世界的流行のなか制定の機運が高まっています。国連人権高等弁務官事務所の羽田鯉生さんは「感染症は高齢者へ甚大な影響を与える半面、高齢者の人権保護にむけて多くの機会を開いた」と▼グテレス国連事務総長は「感染症への対応は高齢者の権利と尊厳を尊重するものでなければいけない」とのメッセージを発して「若者か老人かに関係なく、犠牲にしてもよい命などありません。高齢者には、他の誰とも同様に、生存権と健康を守る権利がある」とよびかけました▼日本でも国際基準の「日本高齢者人権宣言」づくりが進んでいます。高齢期運動連絡会と高齢期運動サポートセンターがコロナ禍の6月、第1次草案を発表。「尊厳、独立、参加、ケア、自己実現」という高齢者の人権保障のための基本原理、保障されるべき具体的権利の種類、国・自治体・企業の責任などで構成されています▼合言葉は「私たち抜きに、私たちのことを決めないで。全ての世代のための社会めざして」です。サポートセンター理事長の井上英夫さんは「高齢者は哀れみや同情、お恵みの対象となる弱者ではなく、主権者です人権は『自助』を強要するものでなく、国に『保障』の義務と責任がある」▼人権の旗を高く掲げ、さまざまな年齢の人たちと連帯し全ての人が長寿を喜び合える真の長寿社会に変える世直しです。(2020・9・13)

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『新自由主義』からの転換 『赤旗・潮流』

「国の基本は、自助・共助・公助」ー。自民党総裁選で菅義偉官房長官が明言しています。近年、厚生労働省の役人が繰り返し発するのを耳にした言葉です。社会保障にかかわる諸団体が制度改善を要請した時になどです▼本紙記事検索システムで「自助 共助 公助」を検索すると、ヒット数が最多なのは2012年です。この年、消費税10%への大増税と社会保障「一体改革」関連法の一つ、社会保障制度改革推進法が成立、施行されました▼同法は民主党政権時に、民自公3党の協議のなかで自民党が突然持ち出し、当時の民主党が丸のみしたもの。国民の「自助・自立」を強調し、「家族相互及び国民相互」で支えあうことを社会保障の基本とします▼自己責任を強調し、国の責務は後景に追いやりました。厚労省が自助、共助・・・と強調し始めたのもこのころからです。新自由主義的な制作のもとで社会保障は切り捨てられ、悲惨な事件が相次ぎました▼県営住宅の家賃を支払えずにいた千葉県銚子市の母親が無理心中を図り娘の首を締めて殺害。東京都北区の高齢者向けマンションで認知症の人が日常的に拘束されていた。障害者19人が殺害された「やまゆり園事件」・・・▼いま、枝野幸男・立憲民主党代表は「民進党までの綱領は、自己責任や自助を強調する新自由主義的な側面が残念ながら残っていた」ときっぱり語っています。「新自由主義からの転換」での一致は。野党共闘により自公政権に代わる願望を開く力となるのは確実です。(2020・9・12) 【新自由主義とは】すべてを市場原理にゆだね、あらゆる規則を取り払…

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「ドコモ口座」と「ひも付け」『東京新聞・筆洗』

手もとの辞書で「ひも」の定義の一つはこうだ、「糸より太く、帯・綱より細いもの」。簡潔にして、なるほどとも思われる。結んだり、ほどいたりするのに、ほどよい太さが、ひもかもしれない。なるほどと思えないのが、後にある「ひもつけ(紐付け)」だ▼「衣服。調度などで紐をつけるべき所」と「言いがかりをつけたり、苦情を言い立てたりする者」しかない。「ひもづけ」と読んで、あちらとこちらのデータなどを関連づけることを表す、近ごろよく見る意味は、新しく加わったものなのだろう▼いや、さほど違和感はないかと思わせる事態である。NTTドコモの電子マネー決済サービス「ドコモ口座」で不正な預金引き出しが明らかになっている▼銀行口座との「ひも付け」に関し、本人確認などの仕組みが不十分だった。被害額は一千万円を超えて拡大している。苦情も寄せられたことだろう▼世に詐欺のたねはつきまじで、新しい技術や仕組みが現れれば、よからぬたくらみの新機軸も登場するのが近ごろの常である。銀行口座に関するひも付けなら、いっそうの厳格さが求められるとは、考えないものか▼競争の渦中にあるサービスという。銀行口座と簡単に結んだり、ほどいたりできるひもが、顧客増にプラスになるという思惑はなかったのか、検証も必要であろう。新サービスが不安のひも付きでは困る。(2020・9・11)

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「カラフルな人生」を送る権利 『赤旗・潮流』

「価値観が変わった」。女子カーリングの平昌五輪銅メダリスト、本橋麻里選手は自身を変えた出会いをテレビで紹介していました。ライバルのスウェーデンチームのことです▼2006年トリノ五輪で優勝した同チームは、4年後に同じメンバーで連覇。違ったのはみな出産し、子育てしながらリンクに立っていたこと。「すごいな、カラフルだなぁ」。いろんな色の人生の上にスポーツがある。本橋選手は8年後、そんな思いでチームを率い、日本人初の”ママさん冬季五輪メダリスト”になりました▼開催中のテニスの全米オープン。9人ものママさん選手の活躍はあまり報じられていません。8強には、四大大会で23度の優勝を誇るセリーナ・ウィリアムズら3選手が名を連ねているにもかかわらず▼いまテニス界ではこうした選手が増えています。みずから声を上げ、条件整備に力を尽くしていることも大きい。大会に託児所をつくらせたり、出産後スムーズに現役に戻れるようランキングや大会シードを維持する仕組みを提案したり。十分でなくとも一つ一つ”仕事と生活”の条件を切り開いています▼先頭に立つセリーナ選手は、出産から復帰したウィンブルドンで準優勝した際、こう語りました。「すべてのお母さんたち。私は頑張りましたよ」。日々苦悩しながらがんばる女性に向けたエールです▼「カラフルな人生」を送る権利はだれにでもあります。ジェンダー平等に向かう道すじを選手たちとともに切り開いていきたい。(2020・9・109

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「赤旗」ならではのスクープ 『赤旗・潮流』

”戦争のために再びペンやマイクをとらない”。痛恨の反省を原点とし、65年前に産声をあげた日本ジャーナリスト会議(JCJ)は「真実の報道を通じて世界の平和を守る」ことを目的に掲げてきました▼新聞や放送、出版や写真をはじめ各分野で活躍するジャーナリストの自主的な組織。その多彩な運動の一つに、年間の優れたジャーナリズム活動を顕彰する「JCJ賞」があります▼63回となる2020年JCJ大賞に「しんぶん赤旗」日曜版の連続スクープが選ばれました。後援会員を大量に招き、公金で花見をしていた安倍首相の「桜」疑惑を追及。地道な調査報道を重ね、安倍政権の本性を明らかにしたと▼SNSにあげられた参加者の情報をもとに首相の地元をまわり、記者が得た重要な証言。それは自民党の閣僚経験者さえも「一切の言い訳はできない。私物化の極み」とあきれるほどの実態をを世間に示しました▼税金おもてなしを知っていた大手メディアではなく、なぜ「赤旗」が報じることができたのか。それは問題意識をもたず私物化の視点がなかったからと、大手新聞の幹部が語っています。その姿勢はいまの総裁選をめぐる検証なき垂れ流し報道と通じるように思えます▼時をあわせて刊行される『赤旗スクープは、こうして生まれた!』(新日本出版社)はメディアの果たす役割を改めて。そこには雑誌『世界』の一文が引用されています。赤旗にあって大手メディアにないものは「追及する意思」ではないのかー。 【追記】今日の「しんぶん赤旗」日刊紙は、紙面を大きくとって特集記事を組んでいます。

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「自らの命と財産を守るためには』『赤旗・潮流』

国名が「低地の国」を意味するオランダは、国土の4分の1が海面より低い。街には運河や橋がはりめぐらされ、水と苦闘してきた歴史がしのばれます▼数々の水害にみまわれてきた国の治水対策は先進です。たとえば何年に一度の高潮や洪水防衛基準。地域によっては3年前から「3万年に1回の高潮・洪水」に。さらに2050年までに「10万年に1回」に引き上げようとしています▼比べて日本はどうか。国の水害対策を担当していた人たちは「著しく低い水準にとどまっている」と口をそろえます。安全や安心の確保にはほど遠く、予算も少ない。『グレタさんの訴えと水害列島日本』(学習の友社)のなかで、元秋田大教授の岩渕孝さんが厳しく指摘しています▼気象庁が最大級の警戒を呼びかけた台風10号は九州・沖縄を中心に大きな爪痕を残しました。行方不明や多数のけが人、家屋の損傷。地球温暖化の影響がいわれるいま、雨と風はますます荒れ狂っています▼今回の被害は停電や通信障害、交通網の寸断と社会基盤にも広く及びました。これだけ次々と災害に襲われる現状があるのに国の備えは不十分なまま。国民の安全に直結する対策を怠っておきながら自分の命は自分で守れとは、あまりにも無責任ではないか▼「自らの命と財産を守るためには、まずは行政指導の防災施設とソフト対策の抜本的な強化を国や自治体に求めていかなくては」と岩渕さん。つくり変えるのは先をみすえた国の土台です。(2020・9・8)

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歴史は過去のものではない 『赤旗・潮流』

亡き父のことを語った村上春樹さんの近著「猫を棄(す)てる」。みずから調べ、いつか文章にしなくてはならないと思っていた中身の多くは戦争の体験でした▼3度の兵役、戦場での残虐な光景・・・。自身は命拾いしながら、仲間の無念を背負ってきた父親。その背中の厳しさを感じてきた息子。「戦争というものが一人の人間ーごく当たり前の名もなき市民だーの生き方や精神をどれほど大きく深く変えてしまえるか」▼村上さんが書きたかったという「ただ一つの当たり前の事實」。それは戦後75年の今も全国の草の根の努力によって継がれています。今年の終戦記念日に発刊された『記憶の灯(あか)り 希望の宙(そら)へ いしかわの戦争と平和』もその一つ▼数多くの写真や資料を掲載し、日本の戦争をたどりながら石川県に残る戦跡を紹介。平和を求める運動とともに。A4判カラー刷りのガイドブックは、全体と地域の戦争をわかりやすく伝えています▼歴史学者の監修をはじめ、さまざまな市民の力の結晶。暗黒の時代に光をあて、ともした記憶の灯りから学び、今と未来に生きる人びとの希望となれば。発行に携わった戦争をさせない石川の会の神田順一さんは思いを込めます▼個々の時を呼び起こし、まとめたものは各地で。「歴史は過去のものではない。温もりを持つ生きた血となって流れ、次の世代へと否応なく持ち運ばれていくもの」。村上さんが示した歴史を受け継いでいくという責務をわれわれは忘れない。過ちを繰り返さないために。(2020・9・7)

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日本の子供の「幸福度」は最低レベル 『赤旗。潮流』

『ドラえもん』のなかの一話。ある日、のび太の学校に転校生がやってきます。名前は多目(ため)くん。勉強も運動も自分より”ダメな子”がきたことをのび太は喜び、友だちになろうと・・・▼一緒にいて「親切」にしながら、優越感にひたるのび太。しかしドラえもんのひみつ道具によって”ダメ”な相手を下に見ていた自分のみにくさに気づきます。そして最後に真の友情を通わせます▼どこか別の部分にいいところをたくさん持った子だったのかもしれない。作家の辻村深月さんは、おとなになって読み返すと、前向きな気持をもつ多目くんのことが気になるといいます。「世の中には、もっと広い範囲にたくさんの価値観があって、そこでの”できる”も、まだたくさんある」▼子どもが憧れる職業につく人たちが思いを伝える『おとなになるのび太たちへ』につづっています。何か定まった物差しで”いい子””ダメな子”と決めつけない大切さを▼日本の子どもの精神的な幸福度は最低レベルー。ユニセフがこんな調査を公表しました。先進や新興の38カ国を比べたら、身体は健康だが、心や生活の満足度は低い結果に。自己を肯定できない子が多いのは、競争をあおる教育や貧困、自助を共用する政治と無関係ではないでしょう▼『ドラえもん』が世に出て50年。亡くなった作者の藤子・F・不二雄さんは、自身も子どもの頃は”のび太”だったと。失敗や人から劣っても、いいところを認めあえる自分や社会でありたい。ねえ。ドラえもん。(2020・9・6) 【今日の出来事】1941年御前会議で対米英蘭戦争の準備を決定 1…

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[「沈みゆく『泥舟』安倍政治」 『赤旗・潮流』

出馬、対抗馬、一騎打ち・・・。政治用語には「馬」に関わるものが目立ちますが、自民党総裁選の様相を最も表している言葉が、「勝ち馬に乗る」でしょうか▼安倍晋三首相の辞任表明は、直接的な理由は病気であるにせよ、内政・外交に加え、コロナ対応で失政を重ねて行き詰まり、国民に追い詰められた結果です。ところが、自民党内では早々と「安倍路線の継承」が方向づけられ、主要派閥が雪崩を打つように、こうした流れに乗っていきます▼森友・加計、「桜を見る会」にみられる政治の私物化も不問に付し、「安倍路線の継承」を競い合う。党員投票をとりやめ、「安倍政治」への異論は最初から排除される・・・。まさに異様な光景です▼しかし、「安倍政治」の下、物価は上がり、賃金は下がり、社会保障は後退し、、立憲主義・民主主義は大きく傷つけられました。国民にとって、いいことなど何一つなかった7年8カ月でした。この路線を反省も検証もせず「継承」していけば、国民との矛盾はさらに深刻となることは目に見えています▼決着をつけるのは今後の国会論戦であり、そして総選挙です。自民党や公明党が乗っているのは「勝ち馬」などではなく、沈みゆく「泥船」であることを思い知らせたい▼見過ごせないのは、大手メディアの責任です。「安倍政治」の共犯者である総裁選候補の一挙手一投足を報じ、誰が総裁になるかで大騒ぎする時なのか・「安倍政治」の転換を正面から報じる「しんぶん赤旗」の役割は大きい。(2020・9・5) 【今日の出来事】1905年ポーツマス条約締結 1995年フランス、ガム…

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兄・神島四郎の「シベリア物語」 

【追記1】四兄・神島四郎は1921(大正10)年、旧満州(現中国東北部)の遼陽市生まれ。新京商業を経て、1940(昭和15)年東京の善隣外事専門校に進む。第一語学は支那語、第ニ語学はロシア語を専攻していた。在学中、陸軍に徴用され、在ハルビンの関東軍特務機関・暗号解読班に軍属(敗戦時・大尉相当官)として配属された。当時、対ソ戦に対応するために軍は、全国の大学、高専のロシア語専攻学生を総動員し旧満州に送った。  昭和20年7月初旬、スターリンが極東郡司令官・ワシレフスキー元帥に打電した極秘暗号電文(8月11日、ウスリー江を越えて進撃せよ)を解読し、新京の関東軍司令部に送ったが黙殺された。ことは重大、無視されたことを聞いて暗号解読版の面々は、怒り心頭だったという。その結果、ソ満国境の同胞らが悲惨な状態に追い込まれたことは明らかだ。 【追記2】戦後14年、東京オリンピック前で日本中が大騒ぎをしている最中、伊藤忠商事の瀬島龍三氏(後の同社会長)から一本の電話があった。「神島君、内へ来ないか」という誘いだった。  ソ連抑留中同じ戦犯として収監さていて、軍事裁判の通訳を努めた兄・四郎への入社勧誘の誘いだった。面会の後帰宅した彼曰く。「彼のためにどれだけの兵隊が極寒と重労働なか飢えと疲労と病で潰えていったことか、俺はきっぱり断ってきた」とおふくろに告げた。家業(零細な印刷業)に苦労していた兄の身を思って、すこしは期待していたおふくろ。半ば呆れていた母の顔が思いだされる。(永井至正=旧姓神島)  

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