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zoom RSS 「雲流るる果てに」−41−

<<   作成日時 : 2010/07/23 06:51   >>

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鷲見敏郎 [わしみ・としお] 大阪商大ー兵庫県出身ー海軍少尉、昭和20年4月6日、神風特別攻撃隊第一七生隊に属して出撃、沖縄方面にて戦死。第14期飛行予備学生、24歳。(「雲流るる果てに」205〜208頁)

画像
  断   片

二月二十二日(木)

出撃命令下る。曾て彼の日午前五時、肉弾三勇士は散げ華す。
総員集合 人選あり。
特殊任務に殉ずる数十名の姓を読み上げる内、小生の姓名を呼ぶこと三度 ジッと顔を見つめぬ。
貴様の生命は俺が貰った。
分隊長の閃く瞳 食ひ込む瞳 瞳 瞳・・・・・・・・・・・
熱願冷諦 堂寂の境に直あり。
愛機は「四三三」と決定。


三月四日(日)

外出 父上の誕生日。
最初にして最後の孝養の積りにて、父母 祖母 菅原祖父各々へ徴志 電報為替にて家を驚かす。


三月十六日(金)

快晴 風強し。昨夜 入歯の抜けた夢を見た。今日は自重しよう。
編隊並に定着訓練。
総員起し 六時より夕暮五時近く迄ブッ通しの愛機作業は楽しく 疲れる。


三月十八日(日

昨夜の夢 母上に零戦を見学させ説明して居る所 又明君(甥)が母ちゃんに叱られてべそかいて居る所 甚だ愉快。飛行機が夢により見るやうになったのは それだけ 空の技術を身につけ得し所以か 今日ぞ 最後の外出。

  “煙草”

 海兵団で覚えた味 今も捨て得ず いら立った精神を落ち着ける時 疲労困憊せる時等 確かに鎮静の効果ありと認む 特に愛機搭乗の前。

  “酒”

 元山に来て初めて嗜む 交際に嫌な顔をされないだけの修養を積んだが 矢張り銚子一本でひっくり返るみじめさ。

  “女”

 未知。然しそrもよろし 永遠の恋人 我が母を熱愛すればこそ 母の如き 典型的な女性を見出すことは不可能なりき。


三月二十日

 十五日付 父上の來信あり 大阪市は千数百年の歴史を灰とする 生国魂神社姿ないと承り我が運命を知る。

四月一日(日)

〇七三○ 学生教程卒業式。
〇九〇〇 今や出撃せんとす。
さらば元山よ。
黄砂来襲 出発見合わせ


四月二日(月)

〇九○○ 出撃せんとす。
母上の優しき誠享け継ぎて
永久に薫らん大和御空に


注】14期飛行予備学生 13期学生に遅れること三カ月、従って飛行時間僅かで実戦へ、1954人入隊、戦没者は239人であった。軍は速成養成し、死地に追いやった。

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