
昭和史研究で菊池寛賞も受賞している保阪さんは、戦後69年続いてきた日本の仕組みが「今、がたがたと音を立てて大きく崩れ変わろうとしている」と指摘した。歴史を具体的な資料から読み解く謙虚な努力をせずに、都合のいい史実の積み重ねて自説を展開する「歴史修正主義」が初めて権力と一体化したのが安倍政権であり、新しいファシズムの始まりだとした。
特定秘密保護法が持つこわさや、憲法解釈による集団的自衛権行使容認の議論の空疎さにも触れながら、「日常の出来事をあんのんと見ていられる時代ではない」と訴えた。
「過去の歴史に教訓も知恵もつまっている。それを生かさずに百年先の人たちにそしられたくない。先達から学ぶことこそが追悼だ」とまとめた。(鈴木久美子)
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