満洲・公主嶺小同窓会誌 第8章 エピソード -16-

大陸ならではのスケールの大きな入道雲や雷鳴や稲妻に感嘆していた夏も終わり、ポプラ並木が黄ばみはじめて秋が深まる。空は限りなく青かった。(記念誌345頁下段)

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 公主嶺の四季(秋)
   細谷和子(旧姓吉冨・31回生)


 放牧された農事試験場の綿羊が2、30頭ずつ群れながら草を喰む光景は、いかにも大陸的、公主嶺的(?)だったと思う。
 ある小春日和の休日、散歩に出た父がその群れに近づき「メェー」と羊の声を真似たら「メェー メェー」と沢山の羊が寄って来て、」すっかりとり囲まれてしまったそうだ。「なきまねがホンモノに聞こえて仲間だと思ったんだろう」と興じていた。ちなみに父吉冨敏夫は明治28年生まれのひつじ年、今年4月、91歳で不帰の人となった。

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 あのころの牧童、健康そうに赤黒く日灼けした顔に白い歯をみせた笑っていた少年達は今はどうしているのだろうか。羊の群れを追いながら口笛を吹いたり、中国の歌らしいのを口ずさんでいたり、ときには仕事を忘れたように草の上に寝そべり空を眺めていたりしていたが・・・・・・牧童の鳴らす鞭の音が澄み切った乾いた大気の中で「ピシッ」と冴えて聞こえてきたのが今も耳に残る。
】細谷和子さんの「公主嶺」の夏と秋はこれで終了。春と冬は第一章「公主嶺という町」で発見、後日掲載することにします。

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