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zoom RSS 公主嶺小同窓会誌 第1章 エピソード −10−

<<   作成日時 : 2016/09/09 06:47   >>

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 ゆっくりと移ろう春も炎天の夏へと入る。見渡す限りのルーサン畑の緑色に、牧舎が点在する畜産、水遊び、魚とりの水源地とプール、コーセン山から転がっておりたときの草いきれ、夏休みの早起きをした林間学校の集い、暑さはアスファルト舗道に照り返していたが、木陰はさらっと涼しかった。(記念誌28頁下段)
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    夏から秋への公主嶺
         水野紫露(26回生)


 新しい給水塔は青空に、尖塔のように高く眺められた。それにしても公主嶺の水は冷たくて美味であった。
 九月も下旬になると朝夕はひやっとした冷気を感じ、郊外の高粱畑は背丈ほどになった穂が色づきはじめる。このころ練兵場の地平線に大きな丸い真っ赤な夕陽が、刻一刻沈んでゆくのが今も目に焼き付いている。丸太を組んでアンペラを敷き、引かれた白線も鮮やかな、紅白力を競って声をからした楽しい運動会。小遣い銭をもらってニッケイやピストル玩具を買った公主嶺神社の秋祭り、そして木枯らしが吹き始める。早霜のころには、地下室に冬の食糧にする野菜などを囲って備えたものである。

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 空には多くの烏が鳴き群れ、電柱には赤い街灯がともって、暮れ残る下校時はなんとなく淋しいものであった。やがて長い冬の到来となる。
【注】公主嶺の四季@ 
 高粱(こうりゃん)が大人たちの背丈をはるかに越えると、ひねもす井戸の周りをまわっていたロバには、屋内の粉ひき仕事が待っていた。戸外では満洲特産の黒豚がアヒルを追いかけていたが、公主嶺の動物といえば、何といっても農事試験場の綿羊(写真)だった。北欧を思わせる風車とサイロとルーサンの牧草地に、点在する白い羊たちはそれだけで、一幅の名画で「羊群声なく牧舎に帰り」の歌声が聞こえてくるようだぅた。また公主嶺にはカラスが多く、夕方には数万の大群がニレや白楊の梢を真っ黒にした。(記念誌19〜20頁)

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