公主嶺小同窓会誌 第4章 エピソード -6-

 大正7年秋、同級生の橘美佐雄君と下校のとき、泰平橋を渡りながら橘君が「お前も見たんだってなあ」「エッ、何?」「あれさ、支那人の幽霊のことだよ。だれにも話さんから教えろよ」。(記念誌139頁下段)

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   お前も幽霊を見たか
        田中清蔵(13回生)

 
 二学期早々、ちょっと熱が高くて数日間学校を休んだことがあった。朝起きて裏庭の共同便所へ行った私はそこでそれに出会ったのだった。その便所は、隣の栄商店、洋服仕立屋、田毎そば屋で使っていて、裏庭から九尺ほどの通路があり、佛心寺のほうからも来られるようになっていた。決して明るくはなく、むしろ薄暗い感じだった、
 私は気持ちよく放尿を始めた。ところがである。便所の廊下の奥の上のほうに、何か黒っぽい灰色の煙のようなものが動いていて、それが段々に天井からぶらぶら下がった人間の半身になった。おまけに別の3,4人が現れて、その男を殴ったり、水をかけたりしている。私は小便もそこそこに戻り、父に男を助けに行ってくれるよう頼んだ。
 もちろん何もなく、「熱のせいだ」ということになったが、橘君は「やはりそうか」と、橘医院が以前そこにあったころ幽霊が出た話をしてくれた。

】■橘医院 鮫島通り敷島町の角に橘医院が開業したのが大正4年6月、この写真はそれ以前の朝日町時代。石油ランプの門灯がついている。前列右に座っているのが橘十一郎。(写真集 満洲公主嶺94頁)
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