「発言」 戦争と子ども ②

 東京新聞は戦後72年の今年8月、読者から寄せられたテーマ投稿「戦争と子ども」を6回にわたつて掲載(36篇)しました。本ブログで随時、転載します。これはその2回目。
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    空襲で弟の手離す焦る      
           主婦 赤沢道子 83 東京都世田谷区

 昭和20年6月29日未明。空襲のサイレンが鳴ると同時に、窓に赤い炎が映った。岡山市の繁華街近くに、私たち一家6人は住んでいた。
 市内を流れる旭川の河原に避難すべく、3歳の妹は母の背に、五歳の弟は父におぶさり、私は救済の弟の手をとり、萌えている場所を避けながら走った。
 ピュー、バリバリ。強烈な音を立てて焼夷弾の破片が降ってくる。建物の影に身を潜めた瞬間、弟の手を離してしまった。「Tちゃんどこ、Tちゃん」。必死に叫ぶ。一緒に走っていた両親の姿も見えない。大勢に交じって坂を上り、坂を下ると、河原にでた。
 「Tの手を離すな」。先ほどの父の声が耳に蘇る。捜さなくては。弟はあの火の中かも。足がガタガタ震える。引き返そうとした時、ははにくっついている弟を見つけた。残酷な光景の中で・・・。「あの時手を離してしまったのは、今でも胸が痛いの」。際kん、弟にそう言うと、「崎に離したのは俺だよ。道に捨て置かれた家具を手でよけるため」。弟の優しさが身に染みた。

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