▼「別れ船」の歌詞

その歌声そのものが、昭和の記念碑だった。きのう94歳で亡くなったバタやんこと田端義夫さんの歌には、戦争と再出発という時代の喜怒哀楽が、封じ込められていた▼♪名残りつきない 果てしない 別れ出船の銅鑼(どら)が鳴る 思いなおして あきらめて 夢は汐路に捨てていく・・・。デビューの翌年、1940年に出した「別れ船」には、戦地に赴く兵士の心が刻まれた▼敗戦翌年のヒット曲「かえり船」は、傷ついた兵士を迎える歌になった。♪波の背の背に ゆられてゆれて つきの潮路の 帰り船 霞(かす)む故国よ 小島の沖じゃ 夢もわびしく よみがえる・・・

▼田端さんは、復員兵を乗せた列車が到着する大阪駅のスピーカーからこの歌が流れるのに居合わせた。皆じっと聞き入り、、涙を流す人もいた。その時、歌手になって本当によかったと思った、と自伝「オース!オース!オース!」に書いている、(以下略)
【別れ船】
http://www13.big.or.jp/~sparrow/MIDI-wakarebune.html
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