波乱の昭和を生き抜いた 母

 ♪「山の淋しい湖に ひとり来たのも 悲しい心・・・」 頃は1940(昭和15)年、所は旧満州・公主嶺(現中国東北部)。おふくろが内職の手を休めずにレコードから流れる曲に合わせて口ずさみます。哀感ただよう「湖畔の宿」です。
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 幼子2人を抱えた今でいう「母子家庭」。大正の初め17歳のとき、写真見合い結婚で単身満州に渡った。親父はシベリア出兵に追従するなど関東軍の御用商人。放埓無頼で居住地定まらず、事実上の離婚状態。
 そんな女の異国の地でひとりうたう歌は、いつもとぎれとぎれ、それも気分がハイのとき。

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 蓄音機のゼンマイが切れかかって「ウーン、ウーン」と鳴り出すと、「キッ」とした顔でこちらを見て、「ボヤボヤしないで巻きなさい」とせきたてます。
 明治29年生まれ。存命ならば124歳。戦争で息子2人を失い、波乱の昭和を生き抜き「戦争だけはダメ」が口ぐせの、秘めた女の憂いとしたたかさが今に迫ります。

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