『米軍基地ノー』沖縄県議選 『赤旗・潮流』

「(米国民は)終わりなき戦争と海外への介入に我慢できなくなった」。そう語るのはゲーツ元国防長官。米有力外交誌『フォーリン・アフェアーズ』(7・8月号電子版)に寄せた論文の一節です▼米外交の「根本的欠陥」に「軍事的手段への過度な依存」を挙げたゲーツ氏。国民の支持を得るには、海外の戦闘に軍を送り込むことを「より強く自制しなければならない」と説きます▼アフガニスタン、イラク、シリアー。繰り返される戦争に米国民も傷ついてきました。退役軍人対象の世論調査(4月)で、海外の紛争への軍事的関与に57%が「減らすべき」と答えました▼新型コロナウイルスによる死者数は米国では10万人を超えました。「ベトナム戦争での死者数をはるかに超えた」と指摘するのは米下院の進歩派議員29人による連盟書簡(5月19日)。「コロナウイルスは我が国最大の敵」「爆弾より検査が必要だ」とし、国防予算を削りコロナ対策に回すよう下院軍事委員長に求めました▼米紙ワシントン・ポストは「コロナ危機で国防予算削減の可能性が出てきた」と報道。記事は米軍準機関紙「星条旗」に転載されました。軍事費削減が米国政治の焦点に浮上しています▼日本では、沖縄県議選で再び米軍基地ノーの民意が示されました。それでも2兆5500億円もの税金をつぎ込み、米軍のための殴り込み拠点建設を急ぐ安倍政権。しかし、軍事力に過度に依存し、民意を踏みつける政治を続けられる時代はおわりつつあります。(2020・6・10) 【今日の出来事】1969年日本のGNP世界第2位に 2004年9条の…

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「なかったことに」の魔力 『東京新聞・筆洗』

映画撮影中の米歌手。俳優のフランク・シナトラが出番までの待ち時間にしびれをきらし、家に帰ろうとしたそうだ▼スタッフが追い掛け「撮影はどうすればいいんですか」と言うと、シナトラは、「わけないことだろう」。シナリオを取り上げると撮影予定だった部分をピリッと破り捨て帰っていった▼破り捨て「なかったことに」。全盛期のシナトラを思い出すブラジルのボルソナロ大統領の「マイウェイ」ぶりである。新型コロナウイルスの感染者数が米国についで、二番目に多いブラジルだが、累計の感染者数や死者数の公表を取りやめたそうだ▼コロナの恐ろしさを甘く見た大統領への風当たりは厳しく、3万5千人をこえる死者数と連日、報道されることがお気に召さなかったらしい。公表を取りやめても死者数は消えないし、こうしたやり方がさらに信用を失わせるのだが、「なかったことに」の魔力に勝てなかったか▼なにもブラジルに限らぬ。わが国もである。政府はコロナ対策の専門家会議の議事録を結局、作成しないという。事後検証にはやりとりをきちんと残した議事録が欠かせぬが、作成を見送り、論点を整理した議事概要のみを公表するそうだ▼こっちの方が賢い。最初から議事録がなければ、後で何か問題が起きたとしてもピリッと破り捨て「なかったことに」の手間も省けるとは、皮肉がすぎるか(2020・6・9) 【今日の出来事】1954年防衛庁設置法 自衛隊法公布

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「日本人の民度は高い」? 『東京新聞・筆洗』

「私はうそつきだ」こう言った人はうそつきか、そうでないか。なぞなぞではなく、いにしえからある論理上の問題である▼自分で言うのだから、うそつきなのだろう。でも、うそつきだとすれば「私はうそつきだ」という言葉自体もやっぱりうそではないか。分からなくなる。「うそつきのパラドックス(矛盾)」と呼ばれる▼読者を悩ませるつもりはないが、これもその手のパラドックスかもしれぬ。麻生太郎財務省の発言である。日本人の新型コロナウイルスぼ死亡者数が欧米に比べて少ない理由について「おたく(の国)とは国民の民度のレベルが違う」とおっしゃったそうだ▼「日本人の民度は高い」。他国からそう言われる分には構わない。が、日本人自身がそれを言い出せば、その言葉は思い上がり、高慢で慎みの欠ける言葉に聞こえはしないか▼民度とは国民の生活程度のことであり、そこには礼儀やマナー、心根のようなものも含まれるのだろう。とすれば、うそつきのパラドックスと同じ。自分で民度が高いと胸を張ることはおよそ民度が高いふるまいとは思えぬのである。大勢の死亡者が出た国を見下しているようにも聞こえる▼麻生さんによれば日本の民度の高さと説明すると他国の人は黙るそうだ。おそらく、感心の沈黙ではない。開いた口がふさがらなかったのである。(2020・6・8) 【今日の出来事】1947年日本教職員組合「日教組)結成 1972年ナパーム弾から逃れるベトナムの写真が世界に発信される。 【追記】今日から随時、東京新聞のコラム・『筆洗』も転載することにします。

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「めぐみちゃんに会いたい」 『赤旗・潮流』

娘の寫眞を撮ることが何よりの楽しみでした。入学式や卒業式で旅行に出かけたとき、何気ない日常のひとコマ・・・。レンズ越しのいとしい表情は、忘れかけた思い出を何度もよみがえらせました▼ほとんど叱ったことがない甘い父親の前から突然娘が姿を消したのは1977年の11月15日でした。当時、新潟の中学に通っていた13歳の横田めぐみさんは下校中、自宅近くで北朝鮮に拉致されました▼妻の早紀江さんとともに名を叫び、懐中電灯を手に必死に探し回った滋さん。毎朝、職場に向かう前に海岸に出ては手がかりを追い求めました。暗転の前日は自身の45歳の誕生日。「お父さん、これからはオシャレにも気をつけてね」。そう言って贈られたクシを肌身離さず持ち歩いていました▼拉致被害者を救出する運動の先頭に立ってきた横田滋さんが亡くなりました。87歳。家族会の代表として早紀江さんと二人三脚ですべての都道府県をかけめぐり、署名や1400回をこえる口演を重ねて拉致の非動さを訴えてきました▼面影を探し、幻を追うような歳月。北朝鮮からめぐみさんの死亡を伝えられ、人目をはばからず嗚咽(おえつ)したことも。ころころと態度を変え、何年も事態を動かせない日本政府の怠慢に、いつもの穏やかさが一変したことも▼残された拉致被害者の家庭はみな高齢です。娘を救うために人生の半分近くをささげた滋さん。写真にある娘の顔をなでては、最期まで望みを持ち続けていました。「めぐみちゃんに会いたい」(2020・6・7) 【今日の出来事】1863年高杉晋作、奇兵隊を編成 1955年第…

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地位を守ることに一生懸命 『赤旗・潮流』

このごろ、何をやっても裏目に出る晋三くん。みんながコロナで大変なときに打つ手はことごとく失敗。反感を買ってひっこめたり、やめたり。そろそろ、いやにならないのかな▼私たちの要望で支援をひろげたのは良かったけれど、これまたお金の使い道が問題に。訳のわからないところに計上したり、幽霊みたいな会社を通して親しい苦行に託したり。みんなのお金なんだから、勝手に使わないでよ▼収入がなくなって困っている人たちにお金が届かない、命綱としてがんばっている医療や福祉の現場を支えない。いままでも散々いわれてきたのにね。そのくせ自分の地位を守ることには一生懸命で、すごく批判された▼世界からも浮いているよ。トランプ大統領が呼びかけた今月下旬の首脳会議に真っ先に手をあげたけれど、延期。ドイツの首相らは今の感染状況をみれば賛成できないといっていた。どちらが賢い判断かな▼そうそう、お友だちの太郎くんもまたひどいことを口にしたね。他国の人から日本の死亡率が低いことを問われ、「お宅とうちの国とは国民の民意のレベルが違うんだ」と答えたんだって。「みんな絶句して黙る」といばりながら▼何様のつもり。共産党の志位さんは「世界中で差別や分断でなく、連帯が大切といううねりが起こっているときに平気でこういう発言をするとは。そりゃ『みんな絶句して黙る』でしょうね」と。こんな態度だと、いくらサイコロをふっても、ふりだしに戻るだけだよ。ねえ、晋三くん。(2020・6・6) 【今日の出来事】1944年、ノルマンディー上陸 1950年マッカーサー、レッドパ…

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たたかいの火は燃え続ける香港 『赤旗・潮流』

民主はないが、自由はあるー。特異な地はよくそう言い表されます。政治的な権利と市民的自由を点数化して比べてみたら、世界で最も点差が開いたのが香港だった。そんな調査もあります▼支配が強まる中国式の政治。一方で多元化する香港社会。政治と社会が異なるかたちで併存する姿は「中港矛盾」と呼ばれてきました。その不安定さを抱えながらも続いてきた制度が、いま崩されようとしています▼中国政府が香港に導入を決めた「国家安全法」。これまで公約してきた「高度な自治」や言論・集会の自由といった権利を奪いかねない弾圧法です。香港の政治活動家は本紙に「いままでこんなに不安を感じたことはない」と恐怖を口にしています▼天安門事件から31年の4日、毎年開かれてきた香港の追悼集会がコロナ感染を理由に不許可となりました。「一国二制度」の物差しといわれてきた集会が許されなかったことで市民の間には民主化運動への危機感が漂います▼政府への抗議が国家転覆の暴徒やテロとみなされる。治安維持の名目で人権が抑圧される。このままでは香港の自由も死を迎えてしまう。批判の声に連帯する動きも国際社会に広がっています。今月は逃亡犯条例に反対した空前のデモから1年の節目。たたかいの火は燃え続けています▼いま差別や抑圧に航して、立ち上がる人びとは世界各地で、どこの国のどんな体制であっても、より良い社会をめざす市民の行動を力で抑え込もうとする者たちに未来はありません。(2020・6・5) 【今日の出来事】1942年ミッドウェー海戦、日本海軍の4空母撃沈される 197…

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[身内で「委託費」分け合う 『赤旗・潮流』「東京アラート」の発令 『赤旗・潮流』

2日深夜、東京都のシンボルである都庁やレインボーブリッジが不気味な赤色に染まりました。新型コロナウイルスの感染拡大を警告する「東京アラート」の発令です▼緊急事態宣言が解除され、迎えた6月。全国でほとんどの学校が再開され、通勤に伴う満員電車も復活する中、出はなをくじくように、一部の地域で感染者が増え続けています▼全国的にみれば新たな感染拡大は抑えられており、現状を「第2波」と呼ぶのは早計でしょう。ただ、しばらく感染ゼロだった北九州でクラスター(感染者集団)が発生したように、地域的な感染拡大がおこりうる危険は、確実に存在しています▼とはいえ、いったん緩和した自粛要請を元に戻すことは容易ではありません。感染拡大の防止と経済・社会活動をどう両立させていくのか。しばらくは模索が続くことになるでしょう▼こうした国民一人ひとりの模索や努力を支えるのが政治の責任です。政府は国民の声に押され、医療や雇用・営業を支える緊急政策を補正予算に盛り込んできました。しかし、各種給付金の振り込みが大幅に遅れており、くらしの危機が確実に強まっています▼こともあろうに、収入が減った業者むけの「持続化給付金」事務事業が実体のない団体に委託され、そこから100%近くが、安倍政権に近い大手企業に再委託されている実態が明るみにでました。生きるか死ぬかの瀬戸際にある業者への給付が滞る一方で、身内で委託費を分け合うー。おぞましい姿です。(2020・6・4) 【今日の出来事】1928年関東軍、張作霖爆殺事件起こす 1960年反安保「6.4スト…

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歴史をねじ曲げる政権 『赤旗・潮流』

韓国ドラマ「愛の不時着」が評判を呼んでいます。有料動画サイト、ネットフリックスの配信番組。日本でも若者を中心に人気が広がり、冬ソナ以来のブームになっています▼韓国の財閥令嬢がパラグライダーの事故で北朝鮮に不時着し、出会った軍の将校と恋に落ちる。笑いあり、涙ありの王道ラブストーリーですが、はまるツボや見方はさまざま。ジェンダーの視点から主人公の生き方に共感したり。北朝鮮の生活や人びとに関心を抱いたり▼ありえないと思いながらも引き込まれてしまうのは、やはり同じ民族が引き裂かれた現実の悲劇が背景にあるからでしょう。いまも朝鮮半島を南北に断ち切る38度線は、このドラマでも象徴的な場面の舞台になっています▼「わが民族が光復の喜びを思う存分感じる前に国土は二つに分けられた。今日、私たちは地球上にほとんど唯一の分断国家として残されている」。韓国の高校教科書では軍国日本に国を奪われたあと、米ソによって線引された痛みをそうつづっています▼今月25日は民族同士が血みどろのたたかいをくり広げた朝鮮戦争の開戦から70年の節目。なぜ同じ民族、愛する者が苦しまなければならないのか。なぜ統一できないのか。ドラマを見た若者たちが思いを巡らせることを願いつつ▼いま日本では歴史をねじ曲げる政権が近隣諸国との友好や連帯の障害となっています。朝鮮半島の分断につながった日本の植民地支配。その反省なし では平和をめざすアジアで不時着するだけです。(2020・6・3) 【今日の出来事】1853年ぺりー艦隊浦賀に来航 1991年雲仙普賢岳噴火…

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信念を持って言いたいことを言おう 『赤旗・潮流』

「いい子」の自分と決別。きっかけは3年前、みずから受けた性的暴行の裁判でした。「私の中で何かが変わり、もう戻れない。どんな局面でも、信念をもって言いたいことを言おう」▼米国の人気歌手テイラー・スウィフトさん(30)が自身のドキュメンタリーで語っています。閉ざしていた誠治についての発言も。肌の色や性差、性的指向に基づくどんな差別も間違っている。すべての尊厳のためにたたかってくれない人に投票することはできない、と▼白人警官による黒人男性の暴行死をめぐり、スウィフトさんがトランプ大統領を痛烈に批判しています。「就任してから白人優位と人種査閲の火をたきつけてきた。厚かましくも道徳的優越感を装った後に暴力で脅すのか」▼全米にひろがる抗議デモ。激化のなか、トランプ大統領はツイッターで「どんな困難でもわれわれはコントロールするが、略奪が始まれば銃撃が始まる」と暴力での対抗を示唆していました▼いまも絶えない権力の不当な弾圧。有色人種や貧困層に集中するコロナ感染。虐げられ、格差にあえいできた不満が各地に拡大する怒りに投影されています。日本でも先日、外国人に暴行した警官に抗議する市民らが渋谷署につめかけました▼コロナ禍の世界は人々の連帯がいかに大切加を示しました。分断や差別が人の命や社会をどんなに危うくさせるかも。スウィフトさんは、若者の政治参加を呼びかけています。「勇気を出して権力を正しく導けば、未来は変わるはず」(2020・6・2) 【今日の出来事】1954年近江絹糸「人権争議」はじまる 1968年米軍機F4フ…

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化石燃料から再エネへ 『赤旗・潮流』

新型コロナウイルスの世界的大流行は世界のエネルギー需要や二酸化炭素排出量にも影響を及ぼしています。英国の大学などの研究グループが、4月初めの1日当たりの世界の二酸化炭素排出量が前年比で17%減少したとの推計結果を発表しました▼大幅に減ったのは航空、陸上輸送の分野で各国で移動制限などが行われたため。国際エネルギー機関(IEA)のリポートによると、今年1年間の二酸化炭素排出量の影響は2008年の禁融危機による減少の6倍と見通します▼このリポートのエネルギー源別の需要予測では、石炭、石油といった化石燃料や原子力は前年と比べて減少すると。石炭に至っては、需要の減少は第二次世界大戦以来最大であり、今後の見通しでは「最も不確実性が高い」と指摘します▼一方、太陽光などの再生可能エネルギーだけが増加すると。理由はコストが安く、電力系統へ優先的に接続されているためだといい、コロナ危機の影響がより少ないとしています▼禁輸危機を振り返ると、経済状態が改善するにつれて二酸化炭素排出量の急激な上昇をもたらす恐れも。しかし、世界ではより持続可能な社会、脱炭素社会への転換に貢献する復興に向けた議論が起きています▼世界の350の医療団体が先日発表した、20カ国・地域(G20)の首脳に宛てた、「健全な復興」の実現を求める公開書簡でも、化石燃料から再エネへと訴えています。コロナ禍は、石炭火力推進の日本政府の政策転換を迫っています。(2020・6・1) 【今日の出来事】1964年米政府・軍部首脳ホノルルで会談ベトナム戦争の段階的拡大…

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