『新自由主義』からの転換 『赤旗・潮流』

「国の基本は、自助・共助・公助」ー。自民党総裁選で菅義偉官房長官が明言しています。近年、厚生労働省の役人が繰り返し発するのを耳にした言葉です。社会保障にかかわる諸団体が制度改善を要請した時になどです▼本紙記事検索システムで「自助 共助 公助」を検索すると、ヒット数が最多なのは2012年です。この年、消費税10%への大増税と社会保障「一体改革」関連法の一つ、社会保障制度改革推進法が成立、施行されました▼同法は民主党政権時に、民自公3党の協議のなかで自民党が突然持ち出し、当時の民主党が丸のみしたもの。国民の「自助・自立」を強調し、「家族相互及び国民相互」で支えあうことを社会保障の基本とします▼自己責任を強調し、国の責務は後景に追いやりました。厚労省が自助、共助・・・と強調し始めたのもこのころからです。新自由主義的な制作のもとで社会保障は切り捨てられ、悲惨な事件が相次ぎました▼県営住宅の家賃を支払えずにいた千葉県銚子市の母親が無理心中を図り娘の首を締めて殺害。東京都北区の高齢者向けマンションで認知症の人が日常的に拘束されていた。障害者19人が殺害された「やまゆり園事件」・・・▼いま、枝野幸男・立憲民主党代表は「民進党までの綱領は、自己責任や自助を強調する新自由主義的な側面が残念ながら残っていた」ときっぱり語っています。「新自由主義からの転換」での一致は。野党共闘により自公政権に代わる願望を開く力となるのは確実です。(2020・9・12) 【新自由主義とは】すべてを市場原理にゆだね、あらゆる規則を取り払…

続きを読む

「ドコモ口座」と「ひも付け」『東京新聞・筆洗』

手もとの辞書で「ひも」の定義の一つはこうだ、「糸より太く、帯・綱より細いもの」。簡潔にして、なるほどとも思われる。結んだり、ほどいたりするのに、ほどよい太さが、ひもかもしれない。なるほどと思えないのが、後にある「ひもつけ(紐付け)」だ▼「衣服。調度などで紐をつけるべき所」と「言いがかりをつけたり、苦情を言い立てたりする者」しかない。「ひもづけ」と読んで、あちらとこちらのデータなどを関連づけることを表す、近ごろよく見る意味は、新しく加わったものなのだろう▼いや、さほど違和感はないかと思わせる事態である。NTTドコモの電子マネー決済サービス「ドコモ口座」で不正な預金引き出しが明らかになっている▼銀行口座との「ひも付け」に関し、本人確認などの仕組みが不十分だった。被害額は一千万円を超えて拡大している。苦情も寄せられたことだろう▼世に詐欺のたねはつきまじで、新しい技術や仕組みが現れれば、よからぬたくらみの新機軸も登場するのが近ごろの常である。銀行口座に関するひも付けなら、いっそうの厳格さが求められるとは、考えないものか▼競争の渦中にあるサービスという。銀行口座と簡単に結んだり、ほどいたりできるひもが、顧客増にプラスになるという思惑はなかったのか、検証も必要であろう。新サービスが不安のひも付きでは困る。(2020・9・11)

続きを読む

「カラフルな人生」を送る権利 『赤旗・潮流』

「価値観が変わった」。女子カーリングの平昌五輪銅メダリスト、本橋麻里選手は自身を変えた出会いをテレビで紹介していました。ライバルのスウェーデンチームのことです▼2006年トリノ五輪で優勝した同チームは、4年後に同じメンバーで連覇。違ったのはみな出産し、子育てしながらリンクに立っていたこと。「すごいな、カラフルだなぁ」。いろんな色の人生の上にスポーツがある。本橋選手は8年後、そんな思いでチームを率い、日本人初の”ママさん冬季五輪メダリスト”になりました▼開催中のテニスの全米オープン。9人ものママさん選手の活躍はあまり報じられていません。8強には、四大大会で23度の優勝を誇るセリーナ・ウィリアムズら3選手が名を連ねているにもかかわらず▼いまテニス界ではこうした選手が増えています。みずから声を上げ、条件整備に力を尽くしていることも大きい。大会に託児所をつくらせたり、出産後スムーズに現役に戻れるようランキングや大会シードを維持する仕組みを提案したり。十分でなくとも一つ一つ”仕事と生活”の条件を切り開いています▼先頭に立つセリーナ選手は、出産から復帰したウィンブルドンで準優勝した際、こう語りました。「すべてのお母さんたち。私は頑張りましたよ」。日々苦悩しながらがんばる女性に向けたエールです▼「カラフルな人生」を送る権利はだれにでもあります。ジェンダー平等に向かう道すじを選手たちとともに切り開いていきたい。(2020・9・109

続きを読む

「赤旗」ならではのスクープ 『赤旗・潮流』

”戦争のために再びペンやマイクをとらない”。痛恨の反省を原点とし、65年前に産声をあげた日本ジャーナリスト会議(JCJ)は「真実の報道を通じて世界の平和を守る」ことを目的に掲げてきました▼新聞や放送、出版や写真をはじめ各分野で活躍するジャーナリストの自主的な組織。その多彩な運動の一つに、年間の優れたジャーナリズム活動を顕彰する「JCJ賞」があります▼63回となる2020年JCJ大賞に「しんぶん赤旗」日曜版の連続スクープが選ばれました。後援会員を大量に招き、公金で花見をしていた安倍首相の「桜」疑惑を追及。地道な調査報道を重ね、安倍政権の本性を明らかにしたと▼SNSにあげられた参加者の情報をもとに首相の地元をまわり、記者が得た重要な証言。それは自民党の閣僚経験者さえも「一切の言い訳はできない。私物化の極み」とあきれるほどの実態をを世間に示しました▼税金おもてなしを知っていた大手メディアではなく、なぜ「赤旗」が報じることができたのか。それは問題意識をもたず私物化の視点がなかったからと、大手新聞の幹部が語っています。その姿勢はいまの総裁選をめぐる検証なき垂れ流し報道と通じるように思えます▼時をあわせて刊行される『赤旗スクープは、こうして生まれた!』(新日本出版社)はメディアの果たす役割を改めて。そこには雑誌『世界』の一文が引用されています。赤旗にあって大手メディアにないものは「追及する意思」ではないのかー。 【追記】今日の「しんぶん赤旗」日刊紙は、紙面を大きくとって特集記事を組んでいます。

続きを読む

「自らの命と財産を守るためには』『赤旗・潮流』

国名が「低地の国」を意味するオランダは、国土の4分の1が海面より低い。街には運河や橋がはりめぐらされ、水と苦闘してきた歴史がしのばれます▼数々の水害にみまわれてきた国の治水対策は先進です。たとえば何年に一度の高潮や洪水防衛基準。地域によっては3年前から「3万年に1回の高潮・洪水」に。さらに2050年までに「10万年に1回」に引き上げようとしています▼比べて日本はどうか。国の水害対策を担当していた人たちは「著しく低い水準にとどまっている」と口をそろえます。安全や安心の確保にはほど遠く、予算も少ない。『グレタさんの訴えと水害列島日本』(学習の友社)のなかで、元秋田大教授の岩渕孝さんが厳しく指摘しています▼気象庁が最大級の警戒を呼びかけた台風10号は九州・沖縄を中心に大きな爪痕を残しました。行方不明や多数のけが人、家屋の損傷。地球温暖化の影響がいわれるいま、雨と風はますます荒れ狂っています▼今回の被害は停電や通信障害、交通網の寸断と社会基盤にも広く及びました。これだけ次々と災害に襲われる現状があるのに国の備えは不十分なまま。国民の安全に直結する対策を怠っておきながら自分の命は自分で守れとは、あまりにも無責任ではないか▼「自らの命と財産を守るためには、まずは行政指導の防災施設とソフト対策の抜本的な強化を国や自治体に求めていかなくては」と岩渕さん。つくり変えるのは先をみすえた国の土台です。(2020・9・8)

続きを読む

歴史は過去のものではない 『赤旗・潮流』

亡き父のことを語った村上春樹さんの近著「猫を棄(す)てる」。みずから調べ、いつか文章にしなくてはならないと思っていた中身の多くは戦争の体験でした▼3度の兵役、戦場での残虐な光景・・・。自身は命拾いしながら、仲間の無念を背負ってきた父親。その背中の厳しさを感じてきた息子。「戦争というものが一人の人間ーごく当たり前の名もなき市民だーの生き方や精神をどれほど大きく深く変えてしまえるか」▼村上さんが書きたかったという「ただ一つの当たり前の事實」。それは戦後75年の今も全国の草の根の努力によって継がれています。今年の終戦記念日に発刊された『記憶の灯(あか)り 希望の宙(そら)へ いしかわの戦争と平和』もその一つ▼数多くの写真や資料を掲載し、日本の戦争をたどりながら石川県に残る戦跡を紹介。平和を求める運動とともに。A4判カラー刷りのガイドブックは、全体と地域の戦争をわかりやすく伝えています▼歴史学者の監修をはじめ、さまざまな市民の力の結晶。暗黒の時代に光をあて、ともした記憶の灯りから学び、今と未来に生きる人びとの希望となれば。発行に携わった戦争をさせない石川の会の神田順一さんは思いを込めます▼個々の時を呼び起こし、まとめたものは各地で。「歴史は過去のものではない。温もりを持つ生きた血となって流れ、次の世代へと否応なく持ち運ばれていくもの」。村上さんが示した歴史を受け継いでいくという責務をわれわれは忘れない。過ちを繰り返さないために。(2020・9・7)

続きを読む

日本の子供の「幸福度」は最低レベル 『赤旗。潮流』

『ドラえもん』のなかの一話。ある日、のび太の学校に転校生がやってきます。名前は多目(ため)くん。勉強も運動も自分より”ダメな子”がきたことをのび太は喜び、友だちになろうと・・・▼一緒にいて「親切」にしながら、優越感にひたるのび太。しかしドラえもんのひみつ道具によって”ダメ”な相手を下に見ていた自分のみにくさに気づきます。そして最後に真の友情を通わせます▼どこか別の部分にいいところをたくさん持った子だったのかもしれない。作家の辻村深月さんは、おとなになって読み返すと、前向きな気持をもつ多目くんのことが気になるといいます。「世の中には、もっと広い範囲にたくさんの価値観があって、そこでの”できる”も、まだたくさんある」▼子どもが憧れる職業につく人たちが思いを伝える『おとなになるのび太たちへ』につづっています。何か定まった物差しで”いい子””ダメな子”と決めつけない大切さを▼日本の子どもの精神的な幸福度は最低レベルー。ユニセフがこんな調査を公表しました。先進や新興の38カ国を比べたら、身体は健康だが、心や生活の満足度は低い結果に。自己を肯定できない子が多いのは、競争をあおる教育や貧困、自助を共用する政治と無関係ではないでしょう▼『ドラえもん』が世に出て50年。亡くなった作者の藤子・F・不二雄さんは、自身も子どもの頃は”のび太”だったと。失敗や人から劣っても、いいところを認めあえる自分や社会でありたい。ねえ。ドラえもん。(2020・9・6) 【今日の出来事】1941年御前会議で対米英蘭戦争の準備を決定 1…

続きを読む

[「沈みゆく『泥舟』安倍政治」 『赤旗・潮流』

出馬、対抗馬、一騎打ち・・・。政治用語には「馬」に関わるものが目立ちますが、自民党総裁選の様相を最も表している言葉が、「勝ち馬に乗る」でしょうか▼安倍晋三首相の辞任表明は、直接的な理由は病気であるにせよ、内政・外交に加え、コロナ対応で失政を重ねて行き詰まり、国民に追い詰められた結果です。ところが、自民党内では早々と「安倍路線の継承」が方向づけられ、主要派閥が雪崩を打つように、こうした流れに乗っていきます▼森友・加計、「桜を見る会」にみられる政治の私物化も不問に付し、「安倍路線の継承」を競い合う。党員投票をとりやめ、「安倍政治」への異論は最初から排除される・・・。まさに異様な光景です▼しかし、「安倍政治」の下、物価は上がり、賃金は下がり、社会保障は後退し、、立憲主義・民主主義は大きく傷つけられました。国民にとって、いいことなど何一つなかった7年8カ月でした。この路線を反省も検証もせず「継承」していけば、国民との矛盾はさらに深刻となることは目に見えています▼決着をつけるのは今後の国会論戦であり、そして総選挙です。自民党や公明党が乗っているのは「勝ち馬」などではなく、沈みゆく「泥船」であることを思い知らせたい▼見過ごせないのは、大手メディアの責任です。「安倍政治」の共犯者である総裁選候補の一挙手一投足を報じ、誰が総裁になるかで大騒ぎする時なのか・「安倍政治」の転換を正面から報じる「しんぶん赤旗」の役割は大きい。(2020・9・5) 【今日の出来事】1905年ポーツマス条約締結 1995年フランス、ガム…

続きを読む

兄・神島四郎の「シベリア物語」 

【追記1】四兄・神島四郎は1921(大正10)年、旧満州(現中国東北部)の遼陽市生まれ。新京商業を経て、1940(昭和15)年東京の善隣外事専門校に進む。第一語学は支那語、第ニ語学はロシア語を専攻していた。在学中、陸軍に徴用され、在ハルビンの関東軍特務機関・暗号解読班に軍属(敗戦時・大尉相当官)として配属された。当時、対ソ戦に対応するために軍は、全国の大学、高専のロシア語専攻学生を総動員し旧満州に送った。  昭和20年7月初旬、スターリンが極東郡司令官・ワシレフスキー元帥に打電した極秘暗号電文(8月11日、ウスリー江を越えて進撃せよ)を解読し、新京の関東軍司令部に送ったが黙殺された。ことは重大、無視されたことを聞いて暗号解読版の面々は、怒り心頭だったという。その結果、ソ満国境の同胞らが悲惨な状態に追い込まれたことは明らかだ。 【追記2】戦後14年、東京オリンピック前で日本中が大騒ぎをしている最中、伊藤忠商事の瀬島龍三氏(後の同社会長)から一本の電話があった。「神島君、内へ来ないか」という誘いだった。  ソ連抑留中同じ戦犯として収監さていて、軍事裁判の通訳を努めた兄・四郎への入社勧誘の誘いだった。面会の後帰宅した彼曰く。「彼のためにどれだけの兵隊が極寒と重労働なか飢えと疲労と病で潰えていったことか、俺はきっぱり断ってきた」とおふくろに告げた。家業(零細な印刷業)に苦労していた兄の身を思って、すこしは期待していたおふくろ。半ば呆れていた母の顔が思いだされる。(永井至正=旧姓神島)  

続きを読む

惜しむこえ相次ぐ「としまえん」『赤旗・潮流』

昨年公開され、たくさんの心を揺さぶった「長いお別れ」。記憶を失ってゆく父と、むきあう家族を描いた映画のなかでとくに印象に残る場面がありました▼ある日、いなくなった父を捜すツアや娘たち。見つけた先は遊園地のメリーゴーラウンド。家族の思い出として記憶の棚にしまわれていた場所でした。いまも各地で人びとを楽しませる遊園地。そこは、それぞれの大切な思いがつあった場所なのかもしれません▼東京・練馬区にある「としまえん」が先月末。1世紀近い歴史の幕を閉じました。世界初の流れるプールや屋内スキー場、文化遺産の回転木馬をはじめ、時代を映しながら世代をこえて愛されてきました▼惜しむ声が相次ぐなか、いま跡地利用が問題になっています。映画ハリー・ポッターのスタジオツアーと、っ防災機能を備えた公園として生まれ変わる計画だといいますが、現在の遊園地の大部分は娯楽施設に。おれで防災拠点の役割が発揮できるのか▼「住民の声をよく聞き、あり方を検討することが大事」。現地を視察し都議会でとりあげてきた共産党のとや英津子都議は民間事業だけが押していく状況に疑問を投げかけます。ここはかつて場外馬券売り場の設置をめぐって区民の反対運動がひろがり、子の夢をはぐくむ環境を守りぬいたことも▼いまや街の遊園地は次々に姿を消し、その後が問われています。多くは住民や地域に根ざしてきた場所。それだけに、生活に深くかかわり、心うるおう地として引き継いでいきたい。(2020・9・4) 【今日の出来事】1923年亀戸事件(関東大震災の混乱に乗じて、社会主義者…

続きを読む

「不自由で非民主の自民党」 『東京新聞・筆洗』

「ヨーロッパ諸国を巻き込んだ三十年戦争は何年間、つづいたか」。作家の井上ひさしさんが高校生の時、こんな試験問題が出たそうだ▼三十年戦争と言うのだからもちろん正解は三十年だが、どういうわけか、クラスの半分以上が間違えたそうだ。まさかそんな問題が出るはずがないと思い込んだのか。井上さんにいたっては「三十年戦争は百年続いた」と書いてしまった▼さて三十年ではなく「六日間戦争」の話である。安倍首相が辞任を表明したのはが八月二十八日。そこからわずか六日で後継の自民党総裁が事実上決まったといっても過言ではないだろう。昨日、出馬を表明した菅官房長官である▼選挙は水もの。投票が終わるまでは分からぬとおっしゃるか。その通りだが、党内七派閥の五派閥までが菅さんを支持している状況を見れば、よほどの醜聞でもない限り、菅後継は動くまい。「半沢直樹」でもこの状況からの「倍返し」はあきらめるだろう▼六日間戦争に見えるが、六日どころか相当前から後継は菅さんでと練られていたか。石破さんだけは後継にしたくない安倍さんの意向とそれに乗った党内各派。そうでなければ、これほど短期間に党員投票なしの総裁選で、後継は菅さんというながれはつくれまい▼出題「国民は開かれた総裁選を望んでいるでしょうか」。かくして自民党はこんな簡単な問題さえ間違えた。(2020・9・3) 【今日の出来事】1939年英仏、ドイツに宣戦布告 1941年アウシュヴィッツで毒ガス処刑始まる。 1977年王貞治756号ホームラン、世界新記録達成

続きを読む

小池知事、またも追悼文見送り 『赤旗・潮流』

廃墟の街で水を求めていたときでした。朝鮮人が毒を投げ込んだから飲んではいけないと井戸に札が。「ちくしょう! どうしてやるか見ろ! こういう怒りが、自分が苦しんでいるときだけに、いっそう強くこみ上げてくるのだった」▼歌舞伎の中村翫右衛門が関東大震災を自伝でふり返っています。竹やりや日本刀をもった自警団が朝鮮人とみれば惨殺し、もつれたことばがあれば引きずってゆく。「私は後に真相を知ったとき身ぶるいした」▼当時の証言を集めた西崎雅夫さんの「関東大震災朝鮮人虐殺の記録」でも紹介されています。東京の至る所で起きた朝鮮人や中国人、社会運動家への襲撃。証言集には一般人や文化人だけでなく、警察や軍人、政治家ら千をこえる具体例がつづられています▼歴然と残る史実。それを平然とねじ曲げる動きが続いています。1日の朝鮮人犠牲者追悼式。小池都知事は4年連続で追悼文を見送り、都がヘイトスピーチと認めた団体がまたも近くで集会を▼惨劇を生んだ背景にあったのは、ときの政府による差別や偏見、憎悪の意識が国民に植えつけられていたから。式典の参加者は教訓を口々に語り、加害の歴史にむきあわない姿勢を批判しました▼日本社会にヘイトをはびこらせてきたのは安倍政権です。首相みずから歴史をゆがめ、差別を助長してきました。しかし、それを許さず、毎年の追悼式のように声を上げ、暴政に立ちはだかってきた人々の行動。それもまた後世に継がれていく史実です。

続きを読む

今日は「防災の日」だが 『赤旗・潮流』

物理学者で文筆家の寺田寅彦が晩年の随筆に書いています。「一日も忘れてはならないのは、日本が気象学的地球物理学的にも特殊な環境の支配を受けているため「天変地異に絶えず脅かされなければならない運命のもとに置かれている]ことだと▼台風・豪雨、地震、猛暑・・・。深刻な被害をもたらす災害が毎年のように起きています。数十年に一度の降水量となる大雨が予想される際の「大雨特別警報」もよく耳にします。九州を中心に広い範囲で記録的な大雨となった先日の「7月豪雨」では、7県で大雨特別警報が出されました▼気がかりなのは地球温暖化の影響。日本では長期的に極端な大雨の強さが増す傾向が見られるそうです。7月豪雨で気象庁はこういいます。一連の大雨において「温暖化のの進行に伴う長期的な大気中の水蒸気の増加により、降水量が増加した可能性がある」と▼台風についても気になる研究が先週、発表されました。過去40年で東京など太平洋側の地域に接近する台風の数が増加しているというのです。しかも台風の移動速度が遅くなっていると。それは台風の影響を受ける時間が長くなることを意味します▼将来予測の研究では、温暖化が進むと今世紀末には、日本が位置する中緯度を通過する台風の移動速度が約1割遅くなるといいます。台風を移動させる周辺の風が弱くなるためです▼温暖化を見据えた防災の備えとともに、温暖化の影響を抑える取り組みを急ぐことが重要です。今日は「防災の日」です。(2020・9・1) 【追記】https://38300902.at.webry.info/2…

続きを読む