大統領が交代したからといって 『赤旗・潮流』

幼いころから吃音(きつおん)に悩んできました。今よりも理解が遅れていた時代。学校ではいじめられ、からかわれながら、彼は鏡にむかい詩の朗読をくり返しました▼政治に興味を抱いたのは高校のとき。ケネディ大統領にあこがれて政界入り。29歳の若さで共和党の有力候補を破って上院議員に初当選。しかし、その直後に交通事故で妻と娘を亡くし、息子たちも重症を負います。就任の宣誓は病室で行われました▼幸せの絶頂から、失意の底へ。その後も息子の病死、政治家としての失敗や挫折。歩みのなかで降りかかったつらい体験や乗り越えてきた困難は、人間同士のつながりに重きをおく誠実さ、逆境に屈しないイメージをつくりあげました▼彼の名は米大統領選で勝利宣言したジョージ・バイデン。憎しみと対立をあおってきたトランプ大統領の4年間から、結束と協調への転換を訴えます。記録的な投票数となった今回の選挙は、米国社会で深まる分断とともに、変化を求める切実な市民の姿をも映し出しました▼民主党の大統領に交代したからといって、劇的に変えられるか。これまでの歴史が証明するように、それはやすやすと期待できるものではないでしょう。めざす国のあり方や国際的に示す具体的な政策もこれからです▼アメリカ史上、最初の女性副大統領となるカマラ・ハリスさんは人びとに希望を込めて呼びかけました。「民主主義は保証されているものではない。より良い未来を築く力をもっているのは、私たち人民なのです」。(2020・11・10)
追記】このコラムを読み通してひどく感心している。そのタッチのソフトさに。いくらバイデンとハリスが民主的といっても懲悪のアメリカの話。従来だったら一太刀あびせる「赤旗」がこのトーン。それだけトランプの所業がひどかったということか。

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