いつも心はふるさと沖縄へ 『赤旗・潮流』

歩いているときは、何事にも束縛されない自由な時間。歩き旅は、たちどまり、シャッターを押したくなる場面にたくさん出合える。だから、楽しい・・・▼北海道の宗谷岬から沖縄まで3500㌔を80歳で踏破した報道カメラマンの石川文洋さん。一昨年の7月から11カ月をかけて歩き通した間に撮った3万5千枚もの写真。その中から厳選された120点が今月20日まで横浜の日本新聞博物館で展示されています▼列島の自然や人びとの営み、災害や公害の被災地、原発や基地のまち。20代のころから戦争や社会の矛盾に目を向け、記録し続けてきた文洋さんの写真は温かくも厳しい現実を映します。そしてどこにいても、いつも心はふるさと沖縄へ▼鹿児島からのフェリーで本部(もとぶ)港に近づいたとき、異様な光景が目に入りました。周囲の山が大きく削られ、白い山肌が無残に。採取された砂利は辺野古を埋めるために運ばれる。国策の名のもとに姿を変えられるのは、私たちの美しい湖だけではない、山も・・・▼埋め立てが始まってから、まもなく2年。コロナ禍にあっても、政府は見通しの立たない工事を強行しています。しかし、本紙1日付で報じたように土砂の投入はまだ全体の4%にも満たず、中止に追い込む不屈のたたかいも続いています▼生きているうちに基地のない平和な沖縄を取り戻したいという文洋さん。そのためにも、多くの人や次の世代に自分が見てきた光景を伝えたいと。決してあきらめない夢をかなえる旅は、これからも。(2020・12・3)

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